チェックインはスムーズだった。サインだけで済み、30秒と掛からなかった。そして夕食の予約を頼んで、部屋に向かった。部屋に着くなり電話が鳴り、レストランが混み合っているため、希望の時間に予約が取れないとの連絡があった。だが、顔見知りのスタッフは、単に予約が取れないという報告で終りにはしなかった。この夜がなにゆえ混雑しているのかを説明し、迷惑を掛けることを詫びた上で、次善のプランが提案された。他のレストランを手配した上で、希望したレストランで予約可能な時間も教えてくれたのだが、そのプランの中から、希望したレストランを遅い時間に予約するというチョイスをした。

予約時間に店に行くと、確かに混雑していた。多くのテーブルがすでに食事を終えており、そろそろ席を立つ客も目立ち始めたが、店にはまだ活気の余韻が残っている。注文したのはプレクリスマスディナー。前菜、魚、肉、デザートの4皿コースだが、いずれの皿もポーションは少なめ。特に前菜はアミューズかと思うほど貧弱だった。魚料理として出てきたのはホタテのラビオリだったが、ただのハンペン。肉はまあまあだったが、デザートは見た目だけで味はイマイチだった。食べ終わったあとの満足感が足りないのは毎度のことだが、もう少し内容とボリュームに説得力を持たせて欲しいもの。サービスは快適だった。

翌朝はエグゼクティブラウンジで朝食。よく晴れて海の向こうに富士山がくっきりと見えていた。時間が早かったためか、終始貸し切り状態。ロケーションが素晴らしいだけでなく、このホテルで最も静寂と落ち着きが得られる場所である。だが、このラウンジも近く宴会場に転用されるため閉鎖されるとか。このホテルから価値ある空間がどんどん失われていくようで恐ろしい。