修学旅行生ご一行様 |
2006.05.18(木)
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ヒルトン東京ベイ Family Suite | |
Hilton Tokyo Bay |
怒-4
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夕方にチェックインを済ませ、まずはスポーツクラブに行った。ヒルトン東京ベイのスポーツクラブは、ホテル内の施設としてはプログラムが充実しており、テニス、ヨガ、バレエ、ウォーキングなどのクラスがある。ジムは広く、マシンのバラエティも豊富だ。インストラクターは親切で、様々なアドバイスを聞かせてくれるので、初めて訪れても、馴染みのジムのように安心してトレーニングできる。
プールは15メートルと、シェラトンの25メートルと比べると小さいものの、比較的空いているので泳ぎやすい。プールサイドにはスチームサウナもある。ロッカールームに隣接したサウナは小さく、4人も入れば一杯。タオルは受付で渡される大小1枚ずつしか使えないなど、贅沢さを売りにしているわけではないようだ。 部屋に戻ってくつろいでいると、21時を過ぎた頃から廊下がにわかに騒がしくなった。どうしたことかと思い廊下に出てみると、目を疑いたくなるような光景になっていた。ちょうど隣の部屋から廊下の先にある客室は、すべて扉が開け放たれ、修学旅行の学生たちが調子に乗って騒いでいる。ホテルの廊下も、学校の廊下同様に自分達のスペースだと勘違いしているとしか思えない。これでは騒がしいはずだ。しかし、ここはエグゼクティブフロア。なぜ、修学旅行生が特別階にいるのだろう。 そこへちょうどツアーコンダクターの若い女性が通りかかったので、この騒がしさはいったいどういうことかと尋ねてみたが、「あ、すいません」という程度の反応だった。これでは埒が明かないと思い、フロントに直接抗議に出向くことにした。そのツアーコンダクターも別件でフロントに用があるらしく、後に続いた。エレベータでは他の部屋の客と乗り合わせたが、彼らもまた「最低だな、このホテル。」「だからヒルトンは人気ないのよ。」と憤慨していた。 アシスタントマネジャーデスクに行き、いったいどういう神経をしているのかと苦情を言った。すると、そこに先ほどのツアーコンダクターが割って入って、業務連絡的な会話を始めた。客が苦情を言っている最中に、他の事柄に耳を傾けるマネジャーもマネジャーだが、ツアーコンダクターも無神経だった。こちらは待たされ、その間にもどんどん怒りは昂じてゆく。やっとこちらの話に集中したものの、言い訳は「全館満室なので」の一点張りだった。そんなことで通用すると思っているのなら、それは甘すぎる。 部屋に空きがあるなしの問題ではない。修学旅行生を普段から受け入れているホテルならば、彼らがどのような振る舞いをするかくらい把握しているはずだ。第一、修学旅行生と隣り合わせになるような部屋を売るべきではない。マネジャーは静かにするよう注意すると言うが、彼らだって一生の思い出を作りに来ているのだから、少々の脱線くらいは好きにさせてやりたいし、そもそも静かにしろと言ってそれに従うはずもない。修学旅行生とて客には違いない。学生達も、それ以外の一般客も、両方が快適に過ごせるように配慮するのがホテルの責任ではないか。 今回のアサインは、明らかに間違いだった。エグゼクティブフロアの客室を修学旅行生に使わせるべきではなく、逆に一般客をここに集約するようなアサインもできたはずだ。とにかく、バカ騒ぎをしている部屋の隣室で過ごすことはまっぴらごめんだ。何とかして代わりの部屋を用意するよう要求するが、空きがないと頑なだった。今回の事態はホテルの不手際に起因するので、百歩譲ってコンラッドに引っ越してもいいが、そちらの責任で部屋と車を用意してもらうしかないと言うと、ファミリースイートが出て来た。あるものをないと言ってごまかそうとするのは、どのホテルでもお馴染みのやり口だ。 ファミリースイートは3階にある。4階にも修学旅行生が泊まっているので、上からの騒音があるかもしれないとのことだった。だが、隣室よりはマシだし、3階は特別天井が高く、4階との間に空間があるので、騒音は軽減されるものと予測。広げた荷物を改めてまとめ、11階から3階へと引越しをした。 ファミリースイートがあるセクションは、廊下のデザインからファミリースイートのテイストに統一されている。もとは和室が並んでいたセクションの一部を、6室のファミリースイートに改装した。パーク側70平米、東京ベイ側80平米と、広さに差があるが設備は共通だという。 室内はカップルルームとキッズルームに分かれている。カップルルームは、120センチ幅のベッドが2台、コーナーにデザインされたソファ、壁に作られたデスクで構成されている。ベッドはカバーと一体化した寝具を使い、寝心地はよくない。ソファも、家族連れが使うという前提なのに、なぜ淡くて汚れやすい色を選んだのか不思議。すでに、恐ろしいほどの染みで汚れていた。デスクはただでさえ狭いのに、写真プリンタが載っていて、ほとんどデスクとして機能しない状態だ。テレビは柱状の壁に埋め込まれており、30インチの大きさで、DVD/VHSプレイヤーを備えている。天井高は3メートルで、窓の外にはルーフトップガーデンが見える。 カップルルームのバスルームにバスタブはなく、シャワーブース、トイレ、ダブルベイシンのみが設置されている。ベイシンは、一枚ガラスにくぼみを持たせたデザインで、なかなかユニーク。浴室金具も、ポップなデザインで部屋のコンセプトに合っている。アメニティは、25gの小さいソープなど、悲しくなるほどショボい品揃えで、シャワーの水圧も弱々しい。 続くキッズルームは、まさに子供部屋風の楽しいデザインだ。4台の小型ベッドが並び、サイドガードも備わっている。壁には緑の丘が一面に描かれ、天井は空の絵と間接照明で演出している。木の幹に埋め込まれたような液晶テレビの前には、切り株を模したイスが並び、テレビゲームを備えている。おもちゃクローゼットには、滞在中に使える玩具や絵本、DVDソフトなどの用意もある。 キッズルームのバスルームには、円形のジェットバスと洗い場を設けた。だが、ジェットの噴出が横からのみで、しかも勢いが弱いのが残念。浮かべて遊べるおもちゃもあるが、バスルーム内が暗いのが気になる。ベイシンやトイレも子供用に工夫を凝らしたミニサイズ。かわいい色使いのタイル張りで、ベイシンも切り株をイメージしている。クマさん型のボディスポンジや、子供用歯ブラシなど、子供のアメニティは充実。クマさんヘルスメーターが印象的だ。 部屋のコンセプトは非常にユニークで興味深い。だが、デザインの詰めが甘く、特に照明プランがよくない。明るくあって欲しいところが暗かったり、バスルーの照明が平板だったりと、工夫が足りない気がする。デラックスプラスの方が、客室デザインとしてはよくできているように思う。だが、こんな部屋で子供達を囲んで家族で過ごしたら、きっと楽しいだろうな、なんて想像してみたりして。 |
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ヒルトン東京ベイ | 920320 040520 050313 050415 050525 050708 051015 060420 |
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