Very Christmas |
2007.11.04(日)
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ヒルトン東京ベイ Executive Room | |
Hilton Tokyo Bay |
哀-1
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まだ11月になったばかりだというのに、舞浜のホテルはまるで競い合うかのようにクリスマスデコレーションに力を入れている。ここは一年中がお正月であるかのように、年がら年中浮かれいるエリアなのだから、ド派手なクリスマスデコレーションに今更驚くこともないはずなのに、ヒルトンのロビーに入るなり、やっぱり驚いてしまった。
メインエントランスに立つ、等身大サイズのサンタクロースたち。そう、「たち」なのである。一人ではない。白ひげでテカテカ顔の爺さんが何人も立っている図は、冷静に考えると少々おっかない。ラウンジの入口には腹這いになってポーズを決めるサンタクロース。エントランス両サイドには、「サンタの国際会議」と銘打った、各国の衣装を身にまとったミニサイズのサンタがずらりと並ぶ。 それに加えて大きなジンジャーブレッドハウス、毎年恒例のクリスマストレイン、数え切れないほどのクリスマスツリーとオブジェ、それに加え、従業員によるクリスマス風コスプレに、外国人の大道芸人までとり揃えたフルコースで、クリスマスの備えは万全だ。 だが、これらもすべて客がホテルに支払う料金の中から捻出されていると思うと、他にやるべきことがあるだろうにという思いもぬぐいきれない。キラー歯ブラシに加え、最近はキラースリッパ(その使い捨てスリッパを履くと、ビニール生地の縫製の悪さから、足を切ってしまうことがしばしばあるという恐ろしい代物)が登場し、ますますコストダウンに拍車が掛かっているし、連泊だとベッドリネンは交換しないのが基本という大胆な策も強行しているが、インターナショナルブランドホテルの水準を守るよりもクリスマスデコレーションの方が大切なのだろうか。 あるいは、このホテルを主に利用する客層は、基本的なクオリティを落としてでも、装飾を優先させるべきだと思っているのだろうか。年々エスカレートするクリスマスデコレーションに感覚のズレを覚えつつ、チェックインした。 いつもならアシスタントマネジャーデスクで手続きをするのだが、先客でふさがっていたため、HHonors会員用のカウンターに向かった。すぐに手続きが済んだが、まだ13時を回ったばかりだったので、部屋の用意は15時過ぎになると言われた。でも、このホテル内に、落ち着ける空間は客室しかないので、頼んですぐに部屋を用意してもらった。 夕食は「フォレストガーデン」のディナーブッフェを利用した。この夜は誕生日が多いようで、あちこちで歌を歌って客を盛り上げていた。楽しそうな雰囲気は、ここの環境にマッチしているので結構だが、その間、他のサービスが滞るようでは困る。誕生日の歌は、全体に不行き届きが生じないようにコントロールした上で付加するサービスではないのか。また、「いらっしゃいませーこんばんは」とコンビニのようにワンフレーズで叫んだり、「食後はコーヒーで大丈夫ですか?」という不思議な表現をしたり、全体の印象としては「元気だけど下品」といったところ。 ファミリーで来店している子供たちに「ホテルでさえこの程度」だなんて感じさせてしまったら、ホテルの名折れであるばかりか、将来の大切な客をも逃すことになる。子供にも「さすがホテルは違う」と思わせるだけのサービスを見せて欲しい。しかしまあ、ブッフェカウンターの貧相なことと言ったらこの上ない。どれを食べようか悩むのではなく、どれなら食べられそうかを見極めるだけ。その場で料理人が調理するというライブ感をウリにしているはずなのに、カウンターが無人になることもしばしば。当初のコンセプトはどこへやら。やる気のなさを痛感し、残念に思った。 一方、朝食しか提供しない中途半端なエグゼクティブラウンジだが、その朝食時間帯だけでも営業してくれて助かっている。比較的静かな雰囲気が保たれ、サービススタッフの顔ぶれも定着しているので、好みを覚えてくれ、パーソナルなサービスを受けられるのがいい。黙っていても、いつもの品物がテーブルに運ばれるというのは、気分のいいものだ。 一晩が過ぎ、館内のクリスマスデコレーションにもだいぶ慣れてきた。経済的なことを別にすれば、それぞれのツリーにも表情があって、飾りつけをした人たちの思いいれを見て取れるし、オブジェひとつひとつにも味わいが感じられる。これを手放しで見事だと褒められないのは、ホテルが日頃から客を裏切るようなコストダウンを平然としているからなのだ。夜のイルミネーションも昨年よりもド派手になっており、エコに貢献しきれていないと自覚している我が目から見ても、環境に悪そう・・・と思わずつぶやきたくなる光景だ。 圧倒的な電飾は、テーマパーク内で満喫すれば十分ではないか。ホテルでは、むしろ一本のキャンドルを家族で囲み、思い出を語り合ったりして、愛情の滲む時間を過ごしてはどうだろう。 |
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ヒルトン東京ベイ | 920320 040520 050313 050415 050525 050708 051015 060420 060518 060604 060701 061206 070120 070418 070526 |
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