ヒルトン東京ベイ Executive Room
Hilton Tokyo Bay
2008.04.20(日)
千葉県浦安市
哀-4

朝食と海
 
災難続き ホテルに到着した時、ちょうど正面玄関には羽田行きのリムジンバスが停車していた。バスの後ろにタクシーが停まると、ベルアテンダントがひとりこちらに近づいて来て、ドアを開けてくれたまではよかった。いざ荷物を手伝ってもらおうと思った時には、そのベルはまたバスの方に戻ってしまい、バスが発車するのを何人もの係で手を振って見送っていた。

方や、こちらは完全に無視されたままだった。みんな揃ってバスに手を振ることがそれほど大事だろうか。手を振る係がひとり減っても、悲しむ人はいないと思う。これも全員が優先順位や総合的な状況判断が適切にできないことを表す出来事だ。このことはチェックイン時にアシスタントマネジャーに報告したが、それをどこまでしっかりと捉えてくれたかはよくわからなかった。

用意された部屋へと向かうと、珍しく窓が汚れていた。いつもは比較的注意深く清掃しているようで、窓もきれいになっているのに。自分で汚れを落とそうと思い、ティシューを何枚か重ねて、ベイシンで軽く湿らせようとした。だが、カランをひねっても蛇口から何も出てこない。おかしいなぁと思いつつ、カランをもっとひねったら、急に勢いよく湯が噴出し、ベイシンボールに撥ねて服まで濡れてしまった。どこかネジの加減でもおかしいのかもしれない。フィットネスジムに行っている間にメンテナンスしてくれるよう、客室係に頼んで部屋を出た。

エレベータホールには、ふたりのベルアテンダントがいてエレベータを待っていた。やがてエレベータの扉が開くと、ふたりは何のためらいもなく、カートを押して客より先に乗り込んだ。「客が先じゃないの?」と声を掛けると、当たり前のような顔をして「安全のため先に乗ることになっています」と言い返した。

そんな常識は世界中でもこのホテルでしか通用しない。常に客が優先である。やむを得ない場合は、理由を添えて「お先に失礼させて頂きます」と謙虚に言わなければならない。このホテルが安全を理由に従業員優先を貫くのは構わないが、それでも毎度毎度必ず客に対して一言断わるべきである。せっかくホテルでアルバイトをしているのに、このような間違った常識を植え込まれては、将来どこかで赤っ恥をかくことになるだろう。

フィットネスジムでは、専属のインストラクターが丁寧にアドバイスをしてくれた。メンバー、ビジターを問わず親切に接してくれるのがありがたい。気分よくトレーニングを終えてサウナバスに入っていると、いきなり係がバケツを持って入ってきて清掃をおっぱじめた。24時間営業の店舗じゃあるまいし、客がいる時にしか清掃が出来ないというわけでもないだろうに、なんとタイミングの悪いことか。別に追い出されるわけではないが、これではちっとも落ち着かないではないか。

部屋に戻ると、客室係から連絡があり、カランはやっぱりネジが緩んでいたが、直しておいたのでもう大丈夫だとのことだった。確かに幾分マシにはなったが、それでもスムーズとは言えず何か違和感が残るし、またドバッと撥ねたらイヤだなと、湯を出す度に緊張する。それからしばらくは部屋でデスクワークをしていたのだが、どうも窓から隙間風が入ってくる。ここの窓は脇の一部分だけが開閉可能な構造になっている。通常はハンドルで密閉されるようになっているので、隙間風が入ることはない。

しかし、ここはカランのネジだけでなく、窓のハンドルも緩んでいるようだ。窓が完全には閉じずにいるために、隙間風が入るのだった。まぁ、それほど寒い季節でもないので、気にすることもないかと思い放っておいた。ふと窓から屋外プールを見ると、なにやら赤潮のようなものが浮遊している。だが、赤くはなくて黄色かった。黄潮なんて聞いたことがないが、いったい何だろう。プールの消毒薬だろうか。あるいは異星人の血液だろうか。得体が知れないだけに不気味に見えた。

夕食は「アチェンド」へ行った。とりわけ気を遣って丁寧なサービスを心掛けてくれるのはありがたい。だが、料理を口に運び咀嚼している時に「お味はいかがですか?」と尋ねられても、返答に困る。グルメレポーターのリアクションじゃないんだから。ここで「イマイチですねぇ」と言ったら別の料理に替えてくれるのか。そんなこともないだろう。だったら、料理が食べ終わって、皿を下げる時に尋ねれば十分だと思う。

この日、デザートに出てきたのは、何やら白くて丸い雪見大福みたいなものだった。それがオレンジ色のソースの上に載っている。係は「パンナコッタ」だと説明した。だが、食べてみてもパンナコッタの食感ではなかった。どちらかというと、バタークリームのムースのような重たい味で、パサパサした感じ。ソースは目の覚めるようなパッションフルーツ味だ。

また「お味はいかがですか?」と聞かれたので、「どうもパンナコッタというイメージではない」と述べると、「創作なので」というような返事だった。だったら、「パンナコッタ」などという特定のイメージがあるネーミングではなく、「舞浜に夏と冬が同時に来ましたプレート」みたいな、わけのわからないネーミングにした方が、創作の意図も生きるだろう。

食事を終えて部屋に戻ると、にわかに風が強くなっていた。隙間風ばかりか、今度はピューピューと不気味な音を立て始めた。こりゃ参ったなと思ったが、部屋をチェンジする元気もなく、そのまま我慢することに。ベイシンのカランも、夜になったらまたおかしくなった。ひねっても反応がなく、あるポイントになるとドバッと出る。

今日は何という日だろう。それは「難」という日です。アホな声が心の中で響いた。肩の上にいたずら天使でも乗せて来ちゃったのかな。翌日は、次回からこの部屋は勘弁してほしいと伝えて出発した。

 
40平米の海側ルーム ゆとりのある室内 ソファからデスク方向を見る

ウェルカムアメニティ 朝食のルームサービス 窓からの眺め

バスルーム バスタブ アメニティ

プールに浮かぶ謎の液体 テーマパークの花火 新フロアのエレベータホールにある穴を覗くと・・・

新フロアエレベータホール 新フロア天井画 新フロア廊下

ロビーにある新ルームモックアップ 新ルームモックアップ かえるのぬいぐるみも部屋にあるのかな

 ヒルトン東京ベイ(公式サイト)
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