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2004.05.20.(木)

ヒルトン東京ベイ Executive Twin Room
Hilton Tokyo Bay
楽-2 魔法の掛かったホテル
客室の窓から見る海
この日、関東地方には台風が接近し、やもすれば上陸しそうな勢いだった。夕方になると次第に風雨が強くなり、交通機関が麻痺する前に家路を急く人が足早に行き交っていた。

ヒルトン東京ベイにチェックインしたのは、19時になろうとする頃。実に12年ぶりだ。前回の印象があまりにもよくなかったので、舞浜周辺に来るときはどうしても別のホテルを選んでしまう。ベイ東急とサンルートには宿泊経験がなく、アンバサダーとミラコスタにはもとから興味がない。シェラトンとオークラには学生時代から散々泊まったが、もう飽きてしまった。だが、最近になってオフィシャルホテルでは改装が流行っている。というわけで、改装前の客室をお名残惜しく利用しようという思いから、舞浜に再び視線を向けてみることにした。

チェックインを担当した係は、なんとも感じがよかった。仕事でなくても誰にでも優しく接することができ、だから誰からも好かれるというタイプの女性だった。予約内容や用意する客室についても細かく確認をし、メンバーの特典などを説明された。滞在が楽しくなるように魔法を掛けてもらったような気分だった。こうしたサービスが日常的に行われているなら、パークで掛かった魔法も一晩解けることはないだろう。

しみじみ見回すと、なかなか洗練された造りをしたホテルだ。スケール感があり、どこを見ても清潔。台風のためにパークから早めに戻ったファミリーが多く、子供が我が物顔でロビーを駆け回り、雰囲気を壊しているのは惜しい。パークでとことんはしゃぎ、ホテルでマナーに触れるという旅も悪くないと思うのだが。

客室は最上階の海側。部分的に飛び出た中央の部分にあるので、ほかの客室よりも若干幅が広いようだ。40平米の面積があり、レイアウトはすっきり、バスルームは狭いので、その分居室は広々と感じられる。真っ白なデュベスタイルのツインベッドがすっきりとした印象を与えているが、元来さっぱりとしたインテリアなのでやや味気ない気もする。窓はヒルトンらしい障子に襖。幅がワイドで、外には東京湾の景色が広がる。台風の影響で波や風が強く、ダイナミックでスリリングな雰囲気だった。

テレビはアーモアに収まり、その上にはミリオンバンブーが載る。その脇のバゲージ台の上にはピクチャーライト付きの額が飾ってある。デスクは壁から離れて置かれているが、窓向きではなく室内向きに設置。イスは対面して用意されるが、スタンド脇のアームチェアと同等のもので、同じイスが3脚とはなんとも芸がないと感じさせる。バスルームは標準的なユニットタイプ。床とベイシンは石張りだ。アメニティは魅力のないもの。タオルは3枚ずつだが、バスローブとフロアマットはない。

この客室はコネクティングだったが、隣室は不在で静かだった。しかし、同じ階の奥のほうには修学旅行生が滞在中で、監視の係がついてはいても思い切り騒々しかった。フロントに苦情を言うと、なんと10校もの学生が滞在中だとか。このホテルに静かな場所はない。翌日も他の修学旅行生が到着するとかで、12時までにチェックアウトするように言われていた。ヒルトンも、もはや修学旅行生優先の宿に成り下がったとは驚き。11階のエグゼクティブラウンジも9時から17時の営業とやる気なしという感じで、結局利用しなかった。

ロビー階のパティスリーでは、ホテルショップらしいケーキやパンの他に、コンビニみたいにおにぎりなども扱っている。しかし、かなり高い。メロンパンが300円以上だとは、いくら美味しくてもぼったくりだ。並びのドラッグストアでは、ペットボトルが250円。パーク目当てのゲストは、みんな太っ腹で寛容なんだなぁと感心する。

今回の滞在は、騒音さえなければ結構快適だったはずだ。感じのよいサービスに、開放感のある落ち着いた客室。眺めも素晴らしくリゾートの気分が十分に味わえる。だが、ぜひまた近いうちに訪れたいという魅力はなかった。せっかく気分よく過ごしていても、ことあるごとに興ざめさせられてしまう。以前なら、週末を避ければ別世界のように静かだった。だが、今では曜日は関係なく騒々しい。

パーク目当てのゲストに、このような立派な施設は無駄ではないかと思ったりもしたが、ここは立派でなくてはならないことがよくわかった。安普請では無駄に高い料金は取れないが、豪華に作っておけは財布の紐が緩んだ人たちが、ここぞとばかりに散財してくれる。都心のように洗練を極めなくても、設備が立派ならば高く売れる場所なのだ。ちょっともったいない気もするが。

40平米のエグゼクティブルーム デュベスタイルのベッド

室内を向いたデスク 家具は端正に造られている

ユニットバス 直線で50メートル取れる屋外プールの夜景

正面玄関 ベルカウンター

ロビーラウンジ アトリウムを望む客室階廊下

2004.05.21.(金)
ザ・スクエア
the Square
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1,700平米という巨大なレストランが誕生した。かつてはいくつかの店が並ぶレストラン街だった場所を改装して、ひとつの店に集約した。店内は個性の異なるセクションに分けられ、ニーズに合わせてチョイスして利用できる。巨大テーマパークによく似合うダイナミックなレストランだ。

入口で出迎える係は都会的でカッコイイ女性だった。ひとりで食事であることを告げるとブッフェを勧められたので、その通りに。案内されたのは広いブッフェレストラン「フォレストガーデン」の奥の席だった。ブッフェは3,000円。カウンターがいくつもあって、それぞれに料理人が立ち、パフォーマンスを見せてくれる。

料理は作り置きばかりではなく、その調理人にリクエストして作りたてを食べられるのも魅力だ。すべてが小分けに盛り付けられているスタイルもユニークだ。だが、料理は寿司、カレー、どんぶり、フカヒレラーメンなど、どれも仕上げに食べるようなアイテムばかり。なので、すぐにお腹一杯になってしまう。

デザートも充実しているが、飲み物は別料金だ。コーヒーは900円、コークなどのソフトドリンクはフリーレフィルで700円。この辺がヒルトンらしい。味は悪くないが割高な印象。サービスは低レベルで、スターバックスクラスだった。

[ヒルトン東京ベイ] 920320

Y.K.