環境対策 |
2006.08.11(金)
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東京全日空ホテル Upper Standard Double Room | |
ANA Hotel Tokyo |
哀-2
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この日アサインされた客室は、23階にあるスタンダードダブルだった。スタンダードルームのほとんどは28平米だが、外から見て「く」の字に折れ曲がっている部分に接している部屋だけは、構造上2平米広くなっている。たった2平米、10パーセントにも満たない差ではあるが、それが大きなゆとりを生み出していた。ほんのわずがだけ部屋の横幅が広くなり、窓際のテレビ付近もゆったりと感じられる。
28平米の部屋も、実質面積の割には窮屈な印象は少ないが、30平米の部屋と比べると、その差は歴然としている。コンパクトな部屋でゆとりを実感させるのは、何も置いていない空間がどれだけあるかなのかもしれない。だが、このゆとり空間を確保するために、必要なアイテムまで取り去ってしまったホテルも多くなってきた。それは特にモダンデザインに改装した部屋に多く見られる。すっきりさせることと、あるべきものを取り去って空間をつくることとは次元が違う。必要なアイテムを確保した上で、ゆとりの空間をどう生み出すかの工夫をするのがデザイナーの腕の見せ所だ。 この部屋を利用してみて、2平米のありがたみを実感できたのはよかったのだが、根本的な客室デザインのあり方には、これまで通りの疑問が残った。この部屋には、必要なものを取り去ったという部分はとりあえず見受けられないが、使い勝手に対する工夫が不足している。たとえば、座り心地の悪いソファ、小さすぎるテレビ、暗いクローゼット内などだ。また、壁紙やソファ生地には、改装から3年にも満たないのに、すでに改装の必要性を感じるほどのダメージがある。 そして、何よりもいけないのが、デザインに客室係に対する配慮が欠けていることだ。埃を吸い寄せやすい生地のカーテンや、汚れが目立つフェイクレザー、手垢が目立つ鏡などを多用しているので、効率的な清掃を困難にしている。次回の改装時には、見た目がよく、使い心地がよく、清掃がしやすく、長持ちする部屋造りをして欲しい。そのために多少コストが増しても、長い目で見れば節約になるはずだ。 更に言えば、このホテルは環境問題についても力を入れているとのことで、タオルやベッドリネンの繰り返し利用や、ゴミの量を減らす努力を呼びかけているが、客室改装に際して出る廃材の山も、環境に悪く無駄ではないのか。長い期間、大切に使ってもらえる部屋を造ることも、立派な環境対策だと思う。 |
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東京全日空ホテル | 980103 020216 030817 041102 040612 040821 050428 050505 050828 051227 060430 |
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