東京全日空ホテルは開業15周年を迎えた。航空会社が造った東京の旗艦ホテルは、当時、とてもスマートで都会的に感じられたものだ。エッジが強調された細身のフォルムは、周辺でもひときわ目を引く存在だし、37階建ての高層から見渡す東京タワーや首都高速の夜景が、最も東京らしさを感じさせてくれる景観のひとつであることは、今も変わっていない。
また、水と緑と光をテーマにデザインされたアトリウムは、多角形を巧みに使い、立体的で連続性のあるダイナミックな空間に仕上がっている。その空間に人が集い、行き交うことで、このホテルならではの雰囲気が完成している。
今回の宿泊ではエグゼクティブフロアを利用した。かつては34階のワンフロアだけだったが、現在では33階、そしてペントハウススイートフロアと称していた35階もエグゼクティブフロアの扱いとなっている。35階には文字通り、大きなスイートが中心に配されており、スタンダードサイズの客室はごくわずかしかないが、今回は運良く35階の客室を利用することができた。
このフロアの天井高は290センチ。さすがに開放感が違う。そして窓の大きさが幅200センチ×高さ180センチとワイドだ。カーテンは電動だが、どういうわけか窓の高さと合っていないようで、裾がすってんてんだった。ベッドは110×200センチで、やわらかめ。寝具は羽毛布団を使っている。電話機はベッドサイドとデスク両方に設置されており、点字での表示を備えている。高速インターネットは一日1,500円、ディスカバリーチャンネルでさえ一日1,500円と、意外としっかりとしたところを見せている。ホテル案内のビデオでは、何かにつけ「一流」「一流」と繰り返しているのが面白かった。
バスルームは3.52平米のユニットだが、ベイシンの天板に高級な石を使っており、それが印象的だった。バスタブの上に照明がなくて暗いこと、そして、残念なことに清掃が十分に行き届いていないこと、特にバスタブの内側の汚れ、そしてステンレス部分の拭き上げの不足が気になった。シャワーの勢いはよく、アメニティも充実し、体脂肪計も備えている。ターンダウンサービスもあり。
エグゼクティブラウンジは34階にある。改装によって客室一部屋分が広くなったが、それでもそれほど広いわけではない。朝食はコンチネンタルスタイル、カクテルアワーはセルフサービスで、おつまみはミックスナッツのみというもの。しかし、常駐する係はコンセルジュ的なサービスにも対応でき、頼りになる。
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