YKsonic Web | home | concert | kidoairaku>2010 | blog | gallery | profile | contact | |
ヒルトン大阪 Tower Suite | |
Hilton Osaka | 2010.09.19(日) |
大阪市北区 | 喜-2 |
ARCHIVES ・ 1992 |
ビジネスエグゼクティブスイートの典型 ヒルトン大阪では、毎度、エグゼクティブルームばかりを利用しているので、たまにはスイートに泊まってみることにした。せっかく高い料金を払うのだから、のんびりと過ごそうと思ったのだが、予約した後に次々と予定が入り、結局、ほとんど寝るだけのショートステイとなったが、それでも、いつもと違う部屋で過ごす時間は、格別のものだった。 今回のスイートは、デラックスフロアにあるタワースイート。レギュラールーム3室分の面積、すなわち90平米の広さがあり、2室分がパーラー、1室分がベッドルームにあてられている。 デラックスフロアの廊下には、色とりどりの紙吹雪を散らしたような、暖色系の賑やかなカーペットが敷かれており、淡い色彩感のエグゼクティブフロアとは、だいぶ趣きが違う。 客室ドアはパーラーとベッドルームに1か所ずつあり、かつてはそれぞれに客室番号が割り当てられていたようだが、今は共通番号になった。 エントランスホワイエは広く取られており、ややもったいないほど。幾何学模様のカーペットと、軽やかなデザインのコンソール、スタンド、サークルミラーなどが、カジュアルな雰囲気を醸している。このコンソールとミラーは、エレベータホール前にあるのと同じものと思われる。 だが、広々としたパーラーに進むと、カジュアルさよりも、重厚感の方が勝ってくる。それは、カーペットがホワイエと同じ模様で、家具のファブリックが同系色のものでも、家具そのものが持つ大きさと、十分な空間を空けて配置されたゆとりが放つ趣きの方が強いからだろう。 そして2面の窓にある障子と襖から伝わる落ち着きが、ファブリックの動的な印象を中和し、全体のバランスを整えている。余計なものは置かず、ダイニング、ソファセット、ワークデスクと、明快で機能的な配置もいい。 置かれている家具は、すべて艶やかな木目が印象的で、傷や汚れはほとんどない。デザインも共通しているので、トータルで調和している印象だ。 その中でも一番の存在感を放っているのは、中央にあるソファセット。2面の窓の中央を背にして置かれた大型ソファは、背もたれが高いのが特徴だ。両脇にはスタンドの載ったサイドテーブルを添えている。ローテーブルを挟んで向かい合ったふたつのアームチェアも、どっしりとして、座り心地がいい。 ダイニングテーブルは4人掛け。ソファとは対象的に、背もたれの低いイスを使っている。背後のアートワークは、日本的なモチーフの渋さが魅力だ。 ただ、夜になるとこの付近には照明が乏しいために暗いのが難点。ハロゲンのダウンライトがひとつあるが、テーブルとは離れた床面を照らしているのは、配置が設計と違っているからだろうか。 独立したワークデスクは、窓に向かって作業できるように置いてある。デスクトップは十分に広く、壁際にはプリンタを兼ねたFAXマシンを常備。置時計やレザーのマットも、雰囲気を高めてくれる。 引き出しには、コンセントやLANの接続口、LANケーブルの他、簡単なステーショナリーが用意されており、付箋紙やステープラーは結構重宝する。だが、一番「あればいいのに」と思うものは糊。残念ながら、ここにも糊はない。 壁側にある大きなキャビネットは、中央にDVDプレイヤーとスピーカー付きオーディオセットが入っている。両脇はフリーの収納スペースだ。テレビは壁に掛かっている。 この日のウェルカムアメニティは、気は心程度のフルーツに加え、甘いお菓子が振舞われた。いずれにしても、広いスイートで見ると、かなりのショボさを感じる。 キャビネット脇の扉を入ると、ミニバーがある。奥がミラーになった棚には、リカーのミニボトルやワイン、グラス類の他、コーヒーメーカーを備えている。 下段は冷蔵庫になっており、中には各種飲みものが入っているが、決して安くはない。内容はベッドルームの冷蔵庫と同等だが、なぜか内部の配置が違っている。 ミニバー脇の扉は、ゲスト用トイレ。シンプルな設備だが、ベイシントップは大理石製で、余計なものがなくスッキリしているのが印象的だ。 ベッドルームとパーラーは、コネクティングルームで見られるような、頑丈な2枚の扉で仕切られている。この扉を施錠すれば、ベッドルームだけを切り離して、デラックスルームとして販売することも可能だ。 実際、デラックスルームとの差は、それほど大きくはない。パッと見た感じだけでは、ほとんど違いに気付かないかもしれないほど。こちらも暖色系のカラースキームだが、パーラーのホワイエに見られるような、カジュアルなテイストだ。 まずユニークなのは配置。ベッド、デスク、窓際のソファまではありがちな位置だが、もうひとつのソファが、従来ならテレビ台がありそうなところに来ているだけで、個性的な雰囲気を作り出している。テレビはというと、さほど邪魔にならない程度の大きさしかないものが、デスクの脇に載っている。 ベッドはキングサイズ。艶やかで丸みを帯びたベッドボードが印象的。ナイトランプもベッドボードに埋め込まれている。寝具やマットレースはスイート仕様なのだろうか。通常よりも心地よいように感じられた。 ナイトテーブルはガラスをステンレスで縁取りした丸いデザインのもの。テレホンスタンドという呼び方が似合いそうだ。 デスクは変形の四辺形で、ガラストップ。レザー張りのオフィスチェアを添えている。脇には引き出しやコンセントタップがあり、パーラーのワークスペースとはまた違った、コンパクトな使い心地だ。 デスク前のソファは、窓際のものとシンメトリーなデザイン。ふたつ並べれば、背もたれが丸みを帯びたラブチェアになる。だが、こうしてひとつだけ離れて、変わった場所に置いてあると、はぐれ星のようだ。 片割れソファの上部には、横幅が広いミラーが取り付けてある。これはインテリアのアクセントとしての色合いが濃く、ミラー本来の役割を果たすには場所が悪い。 窓からの眺めは、夕暮れが特に美しい。神戸の山に沈む夕日が、川面に映える様子は、息を呑む風景だと感じ入っている。 ベッドルーム側のミニバーにも、パーラーのとほぼ同じ用意がある。ただし、こちらにコーヒーメーカーはない。脇にクローゼットや収納棚があるのは、デラックスルームと同じだ。 バスルームはベイシントップと床が大理石で、壁は大理石柄のシールを張っている。この辺の本物とニセモノの共演は、エグゼルームのバスルームと同じである。 バスタブは大型サイズ。シャワーカーテンは二重になっており、カーテンレールは曲線を描いたタイプを使っている。シャワーはハンド式と固定式の両方を備えている。 バスアメニティはスイート仕様。50ml入りの大きなシャンプー類、基礎化粧品セットなどが揃う。タオルは3サイズが3枚ずつ用意されている。 全体的にオーセンティックな設えで、最新ホテルに見るようなゴージャスで広い風呂もなければ、ホームシアター設備があるわけでもない。だが、ビジネスでの滞在を考えた時、必要なものはすべて揃っており、気分よく仕事に集中できる環境が整っている。堅実なホテルならではの、正統派ビジネススイートといったところだろうか。 |
▲このページの先頭へ | |
OFFICIAL WEBSITE |
このホテルに関する過去のレビュー 021223 060314 080829 090118 090419 090728 090829 100117 100219 100710 |