ヒルトン大阪 Executive King Room
Hilton Osaka
2009.04.19(日)
大阪市北区
怒-2

白いヒルクマさん
 
電気事業法に基づく法定点検 夕方、疲れ果ててホテルに到着した。できるだけ早く部屋に入って、まずは靴を脱ぎたかった。だが、そういう時に限って、フロントは混雑している。フロントにふたりいる係はどちらも手際がよく、にわかにできたと見える列はたちまち解消した。さあ、あと2組が済めば順番が回ってくる。

ところが、その2組がなかなか終わらない。年金の相談でもおっぱじめたのか。いっそのこと32階のラウンジに上がってしまおうか、あるいは奥から誰かを呼んでもらおうかとも考えたが、フロント係が時折チラッとこちらを見て、「申し訳ありません」と目で訴えていた。それがあったから、待ち続けられた。やがて順番がきた時にも、今度は言葉でも態度でも詫びがあった。こうした心がけが大切だ。

あっという間に手続きが済み、ルームキー等が渡された。と、同時に、付け加えるようにして黄色い印刷物が差し出され、今夜の停電に関する案内だと告げられた。停電?そんな話は聞いていない。

近年、電気事業法に基づく法定点検のために、ホテルに滞在客がいる場合でも深夜時間帯を中心に停電させたり、あるいは、該当日に限ってホテルを全館休業にして点検を実施するというケースが多くなった。これをしなかったからといって、震えあがるような罰則はないようだが、安全対策を怠るわけにいかない事情も理解しなければならない。

こうした法令点検を実施する場合には、各予約窓口やウェブサイトで十分なアナウンスがなされるべきで、事実、これまでそうした知らせをあちこちで目にしてきたし、実際に宿泊日が点検日に当たったこともある。事前に知らされているのなら、多少の不便は覚悟の上で滞在するわけだし、加えて破格の割引などの説得材料を提示してるのがほとんどだ。だが、今回のことはまったく知らなかった。

見落としたのかと思い、後で可能な限り調べ上げたが、そのような情報はどこにも示されていなかった。いつも通りの料金で泊まっていて、電気は点きません、お湯は出ません、テレビもインターネットも使えません、エレベータも動きません、当然ルームサービスもやりません、と書かれた黄色い紙だけ渡されて、誰が納得するのだろう。

他の客もさぞかしと憤慨しただろうと思ったら、どうも、ほかの客からは文句のひとつも出なかったらしい。だが、それは納得ではなく、諦めの境地でしかないはずだ。法令点検なのだから、ここで不満を言ってもどうしようもない。皆そう思ってグッと我慢したはずだ。だが、事前に必要なインフォメーションを怠ったホテルの姿勢には心底腹が立ったし、そこは責められて当然である。

問いただすと、この点検が決まったのは3月23日だったとのこと。ホテル側の感覚では、それは急遽決まったもので、準備する余裕がなかったのだと肩をすくめていたが、1か月弱もあってこのザマとは情けない。いくらギリギリでも、サイト上でのインフォメーションは可能だし、すでに予約を受けている客には、なんらかの方法でコンタクトするくらいの誠実さが必要だったのではないか。

いずれにしても、対応が後手後手に回ったというよりは、キャンセルを恐れて情報を隠ぺいしたという印象の方が強かったのは、係のだれもがこの停電に対して意図的に無関心を装っているように見えたからである。そのような姑息さは、これまでのヒルトン大阪を振り返ってみればむしろ納得なのだが、やっと安心して泊まれると思えるようになってきた矢先だけに残念でならない。

先月、ヒルトン東京のフロント前で、立っているだけで役に立たないことを咎めたマネジャーには、「こと続きは大阪で」と言い残したのだったが、この日は休みとやらで顔を見ることはなかった。それも、こちらから声を掛けて得られた情報であって、ホテル側から不在を詫びるメッセージがあったわけではなく、この点にもがっかりした。

やっと部屋に入って、望み通りに靴を脱いだら、どっと疲れが襲ってきた。どうも風邪をひきそうな雰囲気。今夜は暖房もないというのに困ったものだ。予定していたジムでのトレーニングは中止して、夕食の約束もキャンセル。食欲がなかったので、ラウンジのカクテルアワーに顔を出して、少しだけ糖分を補給することに。フードカウンターには、幾種類かのケーキが並んでいたので、一番甘そうなチョコレートのケーキを取り分けた。

飲み物は何がいいかと尋ねられたので「風邪を引きそうだから、ウォッカのストレートをロックグラスで」と頼んだが、振り返りざまに「やっぱり熱いミルクティー」と言いなおした。やがて運ばれてきたのは、濃いめのロイヤルミルクティーにはちみつを添えたものだった。「温まって、早くよくなってください」と笑顔を添えられ、それが妙薬となってか、翌朝には調子が戻っていた。

 
日が差し込む客室 日光によって室内の色調もやわらかく感じられる デスク側の壁を見る

クローゼット バスタブ ベイシンとトイレ

窓からの眺め 今回のプランについていたオマケ エグゼクティブラウンジ

 ヒルトン大阪(公式サイト)
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