グランドプリンスホテル新高輪 Executive Club Twin Room |
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Grand Prince Hotel New Takanawa |
2008.03.30(日)
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東京都港区 |
楽-1
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桜まつり | 高輪のプリンスホテルでは毎年恒例の桜まつりが開催されている。桜が見頃を迎えたせっかくの日曜日だが、朝からとても冷え込んでおり、見上げる空は雨模様だった。それでも、ホテルの敷地内は多くの人で賑わっている。ロビーはデパートの催事場のような雰囲気だ。
今年もまた高輪での花見を楽しみにしながら、この日の部屋を予約してあった。到着したのはちょうどチェックインタイムの午後2時だった。雨が降り出しては花見にならない。まずはチェックインをして、急いで庭に繰り出すとしよう。クラブラウンジでチェックインをするため、直接ラウンジのある16階へと向かった。 改装中だった3基のエレベータは工事が終わり、すでに運行を始めていた。改装前は6基のエレベータすべてが1階から最上階まで運行していたが、今では3基ずつで行き先が分かれている。新しい方がロビー階と10〜16階を結び、古い方は9階までしか行かないようになった。 だが、以前よりも待ち時間が増加したように感じられ、効果的だとは言えないようだ。新しいエレベータは床と壁がキレイになったが、ホテル用というよりオフィス用のような安っぽい内装だ。以前のまま残された天井の貝だけが、個性を感じさせてくれる。 ラウンジでのチェックインは、スムーズとは言えなかった。クラブフロアが出来た当初は、積極的に客の顔を覚え、それほど頻繁に通っているわけでもないのに、パーソナルタッチのサービスを提供して、なかなか優秀だと思わせてくれていた。しかし、今回は顔も忘れられていたし、毎回のリクエストや好みのこともリセットされてしまったようだ。またイチからやり直しである。 若い係は経験が不足しているのか、十分なトレーニングを受けていないのか、言葉づかいは接客に相応しくないし、気も利かない。朝刊の好みもすでに登録されているはずなのに、「新聞、何がいいですか?」などと尋ねる。部屋への案内はこちらから頼むまではしようとせず、案内の際も荷物を持とうともしなかった。 部屋に荷物を置いてからは、とりあえず庭園に向かい、繚乱の桜を愛でて歩いた。晴れていれば春らしさも尚のことだろうが、雨に当たらなかっただけでも幸運だったかもしれない。 今回の部屋は60平米のエグゼクティブクラブルーム。過去にも同じカテゴリーの部屋を利用したことがあるが、このカラースキームとレイアウトのタイプは始めてだ。木目部分はライトなナチュラルカラー。入口近くのホワイエ部分にライティングデスクを据えている代わりに、置き家具のバゲージ台は備わっていない。 リビングにはロングソファとふたつのアームチェアがあり、中央に丸いテーブルを置いている。リビング入口で通路を塞ぐようにしてアームチェアがあるタイプよりも、動線や配置はスッキリとしているが、入口にデスクがあるというのはどうも落ち着かない。そう言う意味では、どちらのタイプも一長一短。また、デスクのイスがオフィスチェアでないこと、テレビが42インチではなく40インチであることなど、細かい相違点があるが、ベッドルームとバスルームはまったく同等だ。 カラースキームは好みによるだろうが、ダークカラープランの方が総合的なバランスは優れているように感じた。室内の照明はハロゲン灯と白熱灯を中心に構成されるが、デスクスタンドに取り付けられているのは電球型蛍光灯だった。最近は自然な電球色に近いものも増えているが、ここのは特に蛍光色に近かったため、客室係に普通の白熱電球を貸してもらえるように頼んだ。 ところが、しばらくして係が持ってきたのは、ズバリ蛍光灯のデスクスタンドだった。そこでもう一度希望を説明して出直してもらうことになった。音沙汰が無くどうしちゃったのかと思っていると、今度はより蛍光色に近い電球を持ってきて「これでよろしいでしょうか?」と言う。 「フツウの白熱電球でいい」と頼んでいるのだが、係は「白熱電球」という言葉を知らなかったらしい。「これと同じカタチだけど、もっと昔からあって、中にフィラメントがあって、点灯すると熱を持つやつ」などと、連想ゲームみたいな説明を繰り返して、やっと何を求めているのかを理解してもらうことができた。やわらかい光を得るのも楽じゃない。 夜は庭園を通ってさくらタワーのサウナに出掛けた。雨が降り出し、庭園の桜は濡れているが、ライトアップされた夜桜もまた美しかった。翌朝はクラブラウンジで朝食を。数ある特別フロアラウンジでも、指折りの質素な朝食である。しかも席数が少ないので、たちまち満席となってしまう。春休みだからか、子供連れが多かった。 ある親子がフードカウンターでパンやフルーツを取り分けている最中、その子供は食べ物を目掛けるようにして頻繁に咳き込んでいた。口を手で覆うでもなく、咳の飛沫はフードカウンターを直撃しており、ラウンジにいた多くの客がその様子を目撃し、心の中で「もう食べられないな」と感じていた。 見かねた別の家族の母親が、咳き込んだ子供の母親に注意をした。だが、注意された母親は、それが気に障ったのか、完全に無視。親子揃ってマナーの悪いこと。特にブッフェ形式の食事では、利用する側の衛生観念も重要である。 このラウンジが満席の場合は、ロビー階のラウンジ「もみじ」の朝食も利用可能だが、デニッシュセットに限られるという。ラウンジの朝食もそれと大差ないけれど、客に不便を掛けるのならば、そんなケチなことを言わずに、もう少しマシなものを提供するべきだと思う。 また、滞在客以外がクラブラウンジを利用する場合は、朝食2,000円、ティータイム3,000円、カクテルアワー5,000円の利用料が必要とのこと。料金と実際の価値とがあまりに掛け離れているので、要するに「来るな」という意味での値段設定だろうけれど、そんな値段を設定せずに、ステイゲスト専用にすべきである。外来客を受け入れる余裕など、この狭いラウンジにはないはずだ。これもプリンス的ナンセンスのひとつである。 |
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グランドプリンスホテル新高輪(公式サイト) | |
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