新しいプリンス |
2007.03.29(木)
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新高輪プリンスホテル Superior Double Room | |
New Takanawa Prince Hotel |
喜-3
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2007年4月1日。プリンスホテルは大きく変わり、新しいスタートを切る。まずは、これまで一律だったホテルカテゴリーを3つのブランドに大別し、それぞれの特徴やグレードを明確に示すことになった。
4軒のザ・プリンス、5軒のグランドプリンス、そしてそれ以外のプリンスに分類され、高輪、新高輪の両プリンスは、いずれもグランドプリンスになる。インターナショナルクラスのフルサービスホテルをイメージしているようだが、その水準を実現するために、現状でなにが欠けているを熱心に考えているらしく、館内の改装や朝食メニューの充実、魅力的な宿泊プランの打ち出しなど、積極的なアプローチが見られる。これらの取り組みはいずれも非常に興味深く、これまで「ダサい」とか「垢抜けない」といったイメージの強かったプリンスが、一体どんな大変身を遂げるのか、まさにホテル版ビューティーコロシアム的な展開も起こり得るのではと期待も膨らむ。 その先陣を切るように、新高輪プリンスホテルの一部客室が改装されたので、早速利用してみた。この日の段階で完成しているのは、12階と14階のスーペリアフロアの2フロアのみ(13階は存在しない)で、15階と16階のクラブフロアは4月1日のオープンを予定しているそうだ。11階以下については、今のところ改装の予定はなく、しばらくは既存タイプと改装タイプが共存することになるという。 チェックインを済ませ12階に降り立って、その違いにビックリした。あの一度見たら忘れられない村野藤吾の意匠は何処へやら。外観やロビー、エレベータには今なお村野藤吾の美意識が隅々にまで行き渡っているが、新フロアはすっかりモダンテイストに様変わりしている。ユニークな門や外灯は取り払われ、カーペットは直線的な図柄に改められた。 客室内も見違えるようだ。ユニークさでは以前の方が勝っていたし、風変わりな中にも、さすがと思わせる部分があちこちに見られた。新しいインテリアは、どことなく思索的。29平米のコンパクトな空間ながら、機能性にも優れており、なかなかよくデザインされている。ベッドは200センチ四方の正方形で、高さは55センチある。プリンスのベッドと言えば寝心地が悪いと相場が決まっていたが、心地よいマットレスと寝具を使っており、その悪いイメージはいずれ払拭されるかもしれない。 ベッド前には、この部屋の性格を決定付けている大きなユニット家具が据えてある。白木の色調が室内を明るく見せ、テレビの両脇にあるオープン棚は演出効果が高い。テレビは32インチで、地上デジタル放送の美しい画像を楽しめる。ユニット家具に続いて、壁に向かったドレッサーカウンターを設けており、目の前には大きな鏡を設置し、スツールではなくアームチェアを添えた。そして、ワイドなビジネスデスクとオフィスチェアがあり、それとは別にソファとコーヒーテーブルも用意されている。 決して広くはない客室に、3種類のイスとテーブル面があるというのは画期的。目的に応じて使い分けられるだけでなく、座る場所を変えることで気分転換が図れるのが嬉しい。もちろんバルコニーも健在である。床がブラウンに塗られてしまったが、バルコニーから豊かな緑と新鮮な空気を味わえるのはありがたい。ただ残念なのは、シャンデリアが残されなかったこと。このインテリアにも十分にマッチしたと思うが、以前の照明器具はひとつも残されていないのだから仕方ない。 バスルームは、レイアウトが以前とまったく同じだが、一番様変わりしたのはベイシン付近だ。流行の四角くて浅いベイシンを使い、黒御影石の天板を取り付けている。床はフローリング風のシールで、シャワーカーテンは曲線を描いたタイプ。シャワーやカランも取り替えられ、特にシャワーのマッサージモードが強力で心地よい。アメニティは新旧が入り混じっており過渡期にある。タオルもほとんどが以前からのもの。なぜかバスマットがなかったが、単なる置忘れだと思われる。 今年も桜が見事に咲いている。日中の華やかさもいいが、ライトアップされた艶やかな夜桜もまた見ごたえがある。このホテルに泊まれば、たった1泊の滞在だとしても、実に様々な桜の表情と変化を見ることができるだろう。 |
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新高輪プリンスホテル | 950415 010708 020322 031116 040319 040330 041114 041212 |
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