新高輪プリンスホテルの客室番号は、高輪プリンスホテルと区別するための工夫がされている。4桁の客室番号のうち、千と百の桁が階数を表す点は同じだが、新高輪では千の桁に2が足されている。3501とあれば15階、2201とあれば2階をあらわす。直感的にイメージしにくいので、エレベータに乗るたびに、自分の客室が何階だったのか考えてしまう。
このホテルも一部の客室で高速インターネット回線が使えるようになり、一日500円と手頃なのだが、まだ10室しかないとのことで、その客室はいつも満室だ。また、禁煙かつ高速回線という客室の用意はないと案内された。ロビーにはK-1の選手たちが闊歩したり、国際色豊かな団体客が集まっていたりと、いつも賑わいが絶えない。ロビー中央のジオラマと新幹線模型も健在だが、エントランス付近には新たにクリスマス向けのディスプレイが登場した。翌日夕刻にはプリンセス天功出席のもと、3万灯の電球に点灯式を行うとのこと。
29平米の標準客室は、天井高260センチで、割りに細長い造りをしている。すべての客室にはバルコニーが設けられ、緑豊かな高輪の環境を肌で感じられる。庭園側と品川プリンス側に分かれるが、庭園側の景観の方が、緑豊かで、同時に東京らしい感じがする。いささかへたっているベッドは110センチ幅で、高さが40センチ。こまごまとした家具がいくつも並んでいるが、やや混みあった印象だ。
その中では、どっしりとしたアームチェアの存在感が大きい。丸くて低いテーブルは足が短いのため、テーブルの縁にちょっと力が掛かると倒れてしまうので、注意が必要だった。家具は木目を生かしてあるのだが、椅子に限っては木の部分を白く塗ってある。それらのコーディネートがどうも合わないような気がしてならなかった。アーモアに収まったテレビは、向きを変えることができずに不便。引き出しもすべてが浅くて使いにくかった。このホテルはさほど古いわけではないのに、センスは非常に古い。
ベルデスクで預けた荷物を受け取ろうと対応を待っていると、フロント裏のオフィスの扉が開いていて、オフィス内の様子をうかがうことができた。壁には「挨拶はすてきな出会いの第一歩」と書かれたポスターが掲げられている。それは、従業員同士の掛け声なのか、ゲストに対するものなのか。一見、よい心がけだと感心したが、よ〜く考えてみると、何を意味するのか微妙な標語だ。すてきな出会いってなんだろう。
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