ハイアット・リージェンシー・オーサカ Diplomat Suite |
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Hyatt Regency Osaka |
2008.11.02(日)
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大阪市住之江区 |
楽-4
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目玉焼きも時価なのか | なんばからハイアットリージェンシーオーサカまでは車で30分、地下鉄とニュートラムを乗り継いでも、同程度の時間を要する。ホテルにとって主要な場所から30分も離れているというのは致命的だ。たかが30分、されど30分。往復で1時間ものロスがあるとすれば、よほどの魅力がない限り利用しない。
ではハイアットリージェンシーオーサカの魅力はなにか。都心部のホテルにはない、ウォーターフロントならではの開放的な雰囲気。ハイアットらしい洗練されたデザイン空間。海に沈む夕日。広く居心地のいい客室。親しみのあるサービス。充実していながら混雑していないジムやプール。好感を持てる要素はいくつもあるが、「でも、遠いし」の一言で、すべてが帳消しになる。 今時、どこのホテルでも割引は当たり前なので、少々安い宿泊プランが出ていても誰も驚かない。ここハイアットもギリギリまで値下げを敢行し、もうこれ以上は自殺行為だろう。安くなければ客は来ないというのもひとつの現実だが、「遠くてもハイアットへ行こう」と思わせる動機作りの方が大切なのではないだろうか。 ひとつはアクセスの改善である。ホテルとしては陸の孤島的立地なのだから、主要な場所から便利にアクセスできるようにしなければならない。梅田はバスが定期的に出ているのでいいが、なんばは不便である。 そして、伊丹空港へのアクセスもよくない。梅田でバスを乗り継ぐのが一番楽だが、時間が不安定なバスを複数使うのは心配。せめて1時間以内に到着出来る直通のバスが欲しいところだ。それが無理なら、梅田へのバスを15分〜20分間隔で運行してもらえれば、もう少し予定が立てやすくなる。毎回、来る度に「やっぱり遠かった」とか「梅田あたりにしておけばよかった」と思ってしまい、今回も例外ではなかった。 ホテルに到着したのは18時。ラウンジではちょうどカクテルアワーをやっていた。顔馴染みのスタッフがチェックインをしてくれ、すぐに済むかと思いきや、予約が見つからずてこずっていた。ラウンジで待たせてもらうと言って中に入ったが、思いの外混雑していた。見たところ空席は2卓だけ。しかも、いずれのテーブルにも「予約席」のプレートが載っている。さて、困ったなと思っていたら、チェックインを担当した係がすぐに来て、その予約席のひとつに案内してくれた。 ラウンジ内は子供連れが多く、どっぷりと腰を落ち着けている客ばかりと見え、フードカウンターにはもうナッツ以外残っていない。ダイエットコークを頼んだが、こうも混雑していると係も慌しいのだろう、なかなか来ない。コークよりも先にルームキーが来た。コークはそれから5分後に。それを5秒で飲んで、すぐに部屋へと向かった。混んだラウンジで長居は野暮である。 今回の客室はラウンジと同じフロアにあるディプロマットスイート。このホテルではプレジデンシャルスイートに次いで広いタイプだが、同じタイプが5室も用意されている。面積は120平米で、いずれもコーナーに位置し、客室全体のコンセプトでもある「コンテンポラリージャパン」のテイストをより濃厚に表現したインテリアとなっている。 エントランスを入るとホワイエを兼ねた廊下になっており、ミラー張りの壁には大きな額が掛かっている。左にリビング、右にベッドルームという配置。リビングルームはちょうどリージェンシークラブデラックスルームの居室とドレッシングルームを足した面積が割かれており、コーナーに面したジグザグの窓が印象的である。広い空間に個性的な家具がゆったりと配置されており、大きなゆとりが感じられる。 ソファは5人分あって、ロングソファの背後には現代的な屏風をあしらった。ロングソファに対面したふたつの1人用ソファはキルト風のファブリックが珍しい。ソファセット脇の窓際には、縁側風のベンチを設け、行灯風の照明器具とともに、和の趣きを強く放っている。ジグザグ窓の近くには、天然石天端のずっしり重い丸テーブルに、4脚のレザー張りアームチェアを添え、ちょうどテーブル中央にペンダントライトが下がるようにしてある。 壁面にはテレビキャビネットを据え、50インチのVIERAを設置している他、BOSEのサウンドシステム、DVDプレイヤーを備えている。デスクは対面式で、レザー張りアームチェアをふたつ添えている。家具はいずれも質感が高く、高級なスイートに設置するに相応しいが、同時に調和が取れているのが見事。モダンな中にも凛とした雰囲気があり、日本の伝統的な美意識を備えたリビングルームである。 ベッドルームへ至る廊下の途中にはゲスト用のトイレとクローゼットがある。特にトイレは、大きな葉模様の型押しが施されたユニークな壁が強い印象を与える。 ベッドルームには、180センチ幅のキングベッドがある。見た感じはレギュラールームのベッドと変わらないようだったが、実際に寝てみるとマットレスの感触も、デュベのふんわりとした心地よさも格別だった。ベッドの前には、レギュラールームにもある収納キャビネットがあり、32インチのVIERAが載っている。窓際には一人用ソファと小さな丸テーブルを置いた。 ベッドルームの奥には、ドレッシングルームとウォークインクローゼットがある。ドレッシングルームにはカウンターの前後に大きな鏡があり、後姿も確認しやすい。クローゼットには多数の引き出しとハンガーが用意され、かなりの大荷物でも十分に収納可能だ。 バスルームはベッドルームから両開きのスライドドアで通じており、高低差はない。開け放てばベッドルームとバスルームが一体化したような雰囲気にならなくもないが、それを実感するには扉の幅がもっと広い方がよかった。バスルームは約11平米の広さがあって、床のみ立派な大理石を使っており、壁は白いタイル張り。ダブルベイシンで、ベイシンカウンターの背後は床までミラー張りになっている。 シャワーブースや個室になったトイレもそれぞれ広く取られているが、バスタブはやや隅に追いやられた印象。窓のあるビューバスだが、バスタブの長さは145センチで、ゆったりと足をのばすには少々不足。バスタブ前には15インチのVIERAがはめ込まれている。バスアメニティはレザーがちょっといいだけで、クラブルームと同じ。スイートらしいスペシャルアメニティに期待したが残念だった。 照明は、このスイート全体でほとんどすべてが調光可能である。例外は、ベッドルームにひとつあるダウンライトと、ウォークインクローゼット、ゲスト用トイレの3箇所のみで、あとはシーン設定の可能な照明システムだ。 しかし、バスルームにあるシャワーブースに、愚かにも電球型蛍光灯を使っており、この部分だけ調光システムの効果があらわれなくなっている。せっかく照明を絞ってムードを演出しようと思っても、シャワーブース内だけが白々しい蛍光灯がギラギラと点ってしまうのが残念というより腹立たしかった。 夕食はルームサービスでバーガーとクレームブリュレを注文した。バーガーにはエキストラでフライエッグを添えてもらったが、いつもは130円の追加料金が、今日は300円だった。値上げか、間違いか、そもそもいい加減なのか。カクテルアワーにはあれだけ混雑していたラウンジも、朝食はガラガラだった。やはり、ラウンジはゆったりとした雰囲気の方が似合う。 |
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ハイアット・リージェンシー・オーサカ(公式サイト) | |
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