交換台の役職詐称 |
2006.10.10(火)
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ハイアット・リージェンシー・オーサカ Regency Club Deluxe Room | |
Hyatt Regency Osaka |
哀-3
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このホテルは、個人客の利用がさほど多くないのかもしれない。そう思う理由は、ホテルの規模に対して、いつフロントを見ても大抵の場合は空いているからだ。だが、時としてフロントが混雑することがある。前回利用した際がそうだったし、今回到着した際も行列ができていた。この日、フロントカウンターでは、エアクルーたちがフロント係をつかまえて、何かを尋ねていた。それがなかなか終わらないために、客たちは並んで待たされているのだった。困ったことに、列の管理をする係がいないために、平気で横入りしてしまう客もいる。
案内を辞退して向かった客室は、リージェンシークラブデラックスルーム。このタイプは、以前はジュニアスイートと呼ばれていた。基本的に各フロアのコーナー部分に2室ずつあって、75平米から80平米という広さを持っているので、面積的にはジュニアスイートと呼んでも差し支えない立派な部屋なのだが、独立したリビングと呼べるエリアのないワンルームタイプなので、慎ましくデラックスルームと呼ぶようになったのかもしれない。しかし、レギュラーフロアでデラックスルームと言えば、40平米の標準的客室を指すので、かえって呼び名が紛らわしい気もする。 部屋に入った時、とてもタバコ臭かったため、対応してもらおうとフロントに電話をした。電話番号案内を見ると、フロントは2番だと記載されていたので、2番をプッシュした。すると「はい、フロントでございます」と応じた。禁煙室を予約してあったのにタバコ臭いのはどういうことかと、苦情を言うと、それを聞いていた電話の相手は、折り返し電話をすると言って電話を切ろうとした。不自然に感じたので、「あなたは何の係ですか?」と尋ねると、「交換台でございます」とのこと。 フロントにダイヤルして交換台が受けるというケースは少なくないが、「フロントでございます」と電話に出られるのは迷惑だ。こちらはフロント係だと思って具体的な話をしているのに、実際に聞いているのがそれを解決することのできない係だというのでは肩透かしだ。結局、アシスタントマネジャーからコールバックがあり、また最初から苦情を繰り返して伝えなければならなかった。二度手間であり、余計に時間を要する結果に。このシステムは改めてもらいたい。 アシスタントマネージャーはこの部屋を念入りに消臭対応して用意したと言うが、現状から感じ取れる限りその対応はまったくもって不十分。これから重ねて消臭したいと申し出られたが、そんなことに付き合う気はないので、別の部屋を用意してもらった。その部屋も禁煙室ではなかったが、最初の部屋とは違って臭いが気になることはなかった。 リージェンシークラブデラックスルームは、コーナーに面したゆとりの空間とワイドな窓が特長になっている。約130センチ幅のベッドが2台並び、レギュラールーム同様に真っ白いデュベカバーでメイクされている。窓際には石の天板を使った丸いテーブルと、2脚のレザー張りアームチェアを置いている。これがライティングデスクでもあり、簡単なダイニングテーブルにもなる。それとは別に、もう一組のソファとテーブルが用意されているが、本格的なリビングスペースは存在しない。テレビはブラウン管で、レーザーディスクを備えるが、これらはすでに時代に即さず古臭いイメージだ。 窓は2面の壁に相当するワイドなもの。建物の外観に沿って、部分的にジグザグになっているのが面白い。カーテンもそれに沿って取り付けられている。ドレープは電動なので便利だが、レースは手動なので、完全に開こうと思うと結構面倒くさかった。また、居室内の照明はすべてが調光可能で、高機能の調光システムを採用している。全体のインテリアは完成度の高いものだが、カーペットやソファの生地などはかなり磨耗し、家具にも傷が目立つなど、メンテナンスの悪さを感じさせる。 バスルームは広く、魅力溢れる空間になっている。バスルームの手前には、独立したドレッシングルームがあり、ウォークインクローゼットを兼ねている。この部分に窓が付いているというのは極めて珍しく、他ではホテル西洋銀座のブードアルームに見られるが、それでもここほどには広くない。フローリングの床に、ワイドサイズの独立ドレッサーが据えられ、そこには数多くの引き出しが設置されている。気になったのは、非常灯と非常時の案内が数多くの引き出しのひとつにひっそりと収納されていることだ。これでは、いざという時に見つけるのは困難だろう。 ドレッシングルームから、鏡張りの両開き引き戸を開くと、広々としたバスルームが出現する。バスルーム内はタイル張りだが、約11.5平米の面積がある。窓際に据えられたバスタブは長さ152センチと短いが、窓からの眺めとともに開放感のある環境が魅力。ダブルのベイシンはワイドな天板がゆとりを感じさせ、トイレとシャワーブースはそれぞれガラス扉で仕切られている。アメニティはリージェンシークラブの標準客室と同等だ。バスルームの清掃は概ね行き届いているが、低い部分に子供の手垢が多数残っていたり、コーナーに毛髪が溜まっていたりと、詰めが甘い。 夜の8時。ロビーは一気に活気を呈した。修学旅行生たちを乗せたバス6台と、中国人ツアー客の団体が同時に到着したのだった。修学旅行生たちは、別の動線を通って部屋に向かうようになっており、ロビーが混乱することはなかったが、エレベータの混雑はしばらくの間続いた。客室を埋めるために、こうした客を受け入れざるを得ないのも気の毒な話。部屋が傷むのも頷ける。 |
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ハイアット・リージェンシー・オーサカ | 940925 961123 971003 010320 041208 041217 060912 |
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