コンラッド 東京 Executive City Suite |
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Conrad Tokyo |
2009.03.24(火)
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東京都港区 |
怒-2
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シーツで吐き気 | 午前中の早い到着だったが、部屋の用意は整っていた。しかも3室。好みを完全に満たす部屋がないとのことで、それぞれに希望に沿った利点を持つ部屋を3タイプ用意してあり、どれにするか選ばせてくれた。
ひとつは最上階37階にあるベイビュールーム。天井が高く、上からの騒音の心配がない最上階にあって、東京湾と浜離宮を望む開放的な景観が魅力の部屋だ。 続いて同じく37階にあるシティスイート。同じく最上階なので天井の高さは申し分なく、レギュラールームに比べて1.5倍の面積があるスイートだが、ビルの谷間を向いているので、眺めという点で劣る。 最後にひとつ下の36階にあるベイビュースイート。天井の高さが通常通りなのが難点だが、広さと景観の両方を兼ね備えるだけでなく、37階と違って禁煙フロアなのでタバコくさい心配もない。 さて、どれにするか。ここのところずっとベイビュールームを利用し、よい眺めにも少し飽きた。でも一度圧倒的な天井高の魅力を知ってしまうと、36階では圧迫感を感じることだろう。36階でも3メートルの天井高があるというのに、欲張りなものだ。というわけで、37階のシティスイートを選んだ。 まずは客室へ。久しぶりに見るシティ側の景観は、ベイビューと比べれば確かに閉鎖的だが、これはこれで都会的な感じがして悪くない。低層階に比べて閉塞感が少ないのは、隣接するビルの頂に近いことで、見える空が広いからだろう。 室内の仕上げには少々不満があった。ミラー上部がヤニで曇っていたり、バスタブの内側に汚れが残っていたり、いつもの念入りさは見られなかった。いつもならアサインが決まった時点で特別清掃の指示が入り、より丁寧に仕上げているのだろうが、今回は到着まで3部屋保留だったため、最終的な仕上げをするタイミングがなかったのかもしれない。だったら、3室とも念入り清掃をやっておけばいいのに、その辺がコンラッドほどの高級ホテルであっても、詰めが甘いことを物語っている。 このスイートの面積は72平米。リビングとベッドルームは、テレビボードの両側にある2箇所のフレンチドアで通じているが、それらを閉じれば完全に独立したふたつの部屋になる。開けた状態であっても、テレビボードの幅が広いために、リビングとベッドルームに一体感はなく、広々とした開放感よりも、独立した空間の居住性を感じさせる構造になっている。 リビングにはふんわりしたソファとテーブル、丸いライティングデスク、ミニバーキャビネットを備え、プライベートな時間をゆったり過ごせる雰囲気。ベッドルームには2台のセミダブルベッド、窓際のロングソファ、テレビボードと一体になったチェストがあるのみで、こちらもすっきりとした設え。だが、アクセントとなっていた真っ赤なスローケットは、今回も外されたままだ。あの赤がないだけで、デザインのバランスはガタガタになってしまっている。 それより困惑したのは、ベッドリネンが生臭かったこと。生ゴミとゴムタイヤを一緒に電子レンジにかけたような不快この上ない臭気に襲われ、思わず吐きそうだった。これを客室係に指摘しても、上質なシーツなので優しく洗っているだとか、的外れなことばかり言われ、余計に腹立たしかった。 考えられる原因はふたつ。クリーニング業者が宴会やレストラン用のテーブルクロス、コックコートなどと同じラインで洗ったか、もしくは、クリーニング業者かホテルでそれらを同じ場所に保管したことで臭いが移ったかであろう。とにかく何度嗅いでも臭くて、息をするのも苦痛だった。 この日、昼と夜の2回に渡り「ゴードンラムゼイ」で食事をした。1度目はチェックイン直後のランチ。前回は値段とあまりに掛け離れた貧弱で工夫のない料理に唖然とした。それは週末だけのブランチメニューだったので、平日のランチがどのようなものであるかを確かめてみたかった。これでガッカリさせられたら、もうこの店には見切りをつける決意でいた。 平日のメニューは週末よりも選択肢が多く、メニューを眺める楽しみがあるとともに、柔軟さが感じられる。料理はプリフィクススタイルでチョイス。選ぶ品数によって料金が変わるが、今回は7品6,800円のコースを仕立てることにした。これなら値段的に週末のコースと同等となる。 サービスは終始、この日の責任者を務める女性が担当したのだが、前回の不満について詳しく引継ぎを受けていたらしく、食事中は常に目を光らせており、にくいほどに見事なサービスをして見せた。立ち居振る舞いの美しさといい、タイミングの見計らい加減といい、非の打ち所がない。そればかりか、厨房にも注意を促し、極めて状態のよい料理を出させていたのである。客をもてなすだけでなく、店全体をコントロールする能力にも長けた存在は、このホテルにとって貴重だ。 彼女は途中一度だけ、部下の女性に料理を出すチャンスを与えた。日頃やっているより少しだけ丁寧に、より美しく見える動作を意識しながら出すよう指示したと思われ、チャンスを与えられた女性は、やや緊張しつつも教えられたことを実践した。結果、よくやったと思う。だが、やはり洗練は一朝一夕に備わるものではないことも明白になった。それは本人が一番よく身に染みたことだろう。 そして夜。またも訪れた同じ店では、アラカルトで楽しむことに。店に来る直前には、エグゼクティブラウンジで1杯だけ飲んできた。週末と違って、以前同様にカウンターに並ぶ料理を見ていたら、ちょっと味見したい気分になったが、この後の重い食事を考え我慢することに。そうしなければ、後悔することになっていた。 夜の「ゴードンラムゼイ」は、照明をグッとおさえ、卓上のダサいオイルランプが主たる光源となっている。ロマンチックというより、空襲対策のよう。メニューも見えなければ、せっかくの盛り付けも色彩もよくわからない。しかし、値段だけはよく見えた。あれ?何だか高くなっているような。以前食べた同じ料理が、確かに高い。 そうか、値上げしたのか。聞けば、この日から値段を改定したのだとか。なんだ、だったら昨日来ればよかった。なんてセコいことを言っても仕方がないが、例えば2,000円だったデザートが2,400円と、20パーセントもの値上に踏み切っていた。背に腹は代えられないのだろうが、どうして昨日からなにひとつ変わらない料理に高い料金を払わねばならないのか、客からすれば説得力が感じられなない。このホテルは相場感覚が狂っているようである。 お腹一杯食べて、エグゼクティブラウンジでコーヒーを飲み、大満足で部屋に戻ると、そこにルームサービスがやってきた。何かと思えば、ホールケーキ。誕生日のプレゼントらしい。だが、係は何の説明もせずに、ただ置いていっただけだった。祝いの言葉はいらないが、だれからなのか、何の意味あいがあるのかくらいは伝えて欲しかった。 この満腹に、ホールケーキはキツイ。でも、ケーキは眺めるものではなく、食べるものである。せっかくのプレゼントだ。残さず美味しくいただくとしよう。ケーキも食べ終わり、いよいよベッドへ。そこに例の生臭いシーツ攻撃と来れば、もう本当に吐きそうだった。 それでも翌朝にはお腹がすく。朝食は「セリーズ」へ。フレッシュハーブにオムレツを注文したが、卵はともかくとして、付け合せがすべて冷めていた。冷え切ってべしょべしょのラウンドポテトなんて、許しがたい。そもそも、高級ホテルで冷凍のラウンドポテトなど使わないでもらいたい。このホテルは、高級ホテルの何たるかを間違えているのではないだろうか。 |
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コンラッド東京(公式サイト) | |
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