2003年4月28日 |
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ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル Laura Ashley Suite | |
哀-4 VOD | |
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連休の狭間に横浜を訪れた。天候に恵まれ、街を歩くにはもってこいの一日だったが、悲しいかな室内での作業に追われ、ほとんどを客室内で過ごすことになった。今回の予約に際しては、あらかじめ予約係に確かめたことがひとつあった。それは客室内で高速インターネット接続が可能であるかどうかについてだった。電話で問い合わせたのだが、係は全客室で高速インターネット接続が可能だと回答したので、安心してホテルに向けて出発した。
ホテル正面玄関に到着した時、玄関にドアマンの姿はなく、まったく無人の状態だった。山高帽にマントをまとったドアマンの制服は、横浜グランドインターコンチネンタルの象徴でもあり、ドアマンの出迎えがあるとないとでは、滞在のスタートとしての印象がまったく違ってくる。今回はアンラッキーだった。そのためか、滞在中、さまざまなアンラッキーに見舞われた。それぞれが小さなことでも、積み重なると相当のストレスが掛かる。そして、重なる時は重なるものだ。 ベルマンが気がついて玄関に現れるまでには、少々時間が掛かった。そして、そのベルマンには、「ご予約のお名前は」と聞かれた。バッグにはシックスコンチネンツクラブのタグが付いているので、見れば一目でわかるのに、尋ねるとは無粋だ。そのためのタグとして事務局から送られて来ていると思っているからこそ、バッグに付けているのに。チェックインは28階のクラブフロアのデスクでスムーズに行われた。ここまで来れば安定したいいサービスが受けられる。階下のサービスとは一線を画し、まさに別世界なのは喜ぶべきか、悲しむべきか悩むところだ。 用意された客室はローラアシュレイスイートだった。カーテンを全開にすると、真っ青な港の風景や、活気あるみなとみらいの雰囲気が、ダイレクトに伝わってくる。雰囲気は最高だったが、せっかく尋ねた高速インターネット接続は、この客室では不可能だった。実際に可能なのは、つい最近新しくなったエグゼクティブダブルという、建物の裏側にある27平米の狭い客室においてのみだとのこと。問い合わせに対して、このように間違った解答をするとは、まったくもって迷惑なことだ。問い合わせに応じる立場の人間であるならば、館内の設備について完全に精通している必要がある。 これに限らず、ホテルで何かを尋ねると、「少々お待ちください」といちいち調べに引っ込んだり、曖昧な返事をしたりする場合が極めて多い。例えば駅で列車の発車番線を尋ねたりすれば、二つ返事で正確な情報が返ってくる。情報という点については、駅員やデパートの店員の方が数段グレードが高いのが現状だ。ホテルも頑張らなくてはならない。結局、インターネット接続に関しては、クラブラウンジのLANのホットスポットを使わせてもらった。しかし、受信状態が安定せず、送受信が可能な場所を捜し求めて、パソコンを掲げてラウンジ内をうろうろしなければならなかった。それは、まるで金属探知機で地中の金塊を探しているようで、端から見ればかなり滑稽だったに違いない。 夜になって作業がひと段落ついたので、ビデオオンデマンドで映画を観ることにした。ちょうど映画館で見損ねた「サイン」がリストにあったので、それを選んで有料ボタンを押した。映画も佳境に入り、結末がどうなるのか盛り上がってきたところで、突如再生が停止し、通常のテレビ放映に戻ってしまった。なんとも興ざめだ。しばらくしたら再生がスタートするかもしれないと思い、待ってみたが変化がない。 ゲストサービスに電話をして、状況を説明したところ、当初はこちらが何か操作ミスでもしたかのような口ぶりだったが、これは機械の不調によるものだと気付くと、もう一度映画を初めから観るようにという信じがたいアドバイスをされた。とにかく、途中からの再生はできないシステムなのだという。2度目の再生は料金は掛からないというが、それで課金されたら大問題なのであって、今そのような説明は必要ない。ゲストサービスは交換台が兼ねているので、これでは埒が明かないと判断し、フロントにつないでもらった。 フロント係も最初は同じようなことを言っていたが、それよりは一歩踏み込んだ提案をしてくれた。それは、ビデオオンデマンドの機械から、再生用のソフトを取り出して持って行くので、客室に備え付けのビデオデッキで見てくれというもの。それからしばらく待たされた後、ドアチャイムが鳴ったので応じると、非常にタバコ臭いベルマンが、「はい、こちらです」とビデオテープを差し出した。どうやら、ベルマンは状況を把握していないらしい。おそらくフロント係からは、単にこのビデオテープを届けるようにと言われてきただけなのだろう。フロント係は言葉が足りなかった。機械の不調でご迷惑を掛けたから、お届けすると同時に丁重にお詫びするように、と伝えるべきだったのだ。 翌日になって、マネージャーから挨拶があり、前夜の出来事を詫びられた。しかし、その内容は、ビデオオンデマンドのシステムを改善させて、途中で止まらないようにする等といった、設備的なことばかり。最も不満に感じたのは、前夜の係の対応に申し訳なさを感じなかったことや、配慮すべき点に怠りがあったことだ。その点に重きを置いて反省してもらいたかったのだが、その真意は伝わらなかったようでとても残念。ちょっとした一言が、問題を急激に軽くしてくれることは、どこでもよく耳にする話だと思う。それをサービスのテクニックとして身に付けていないようでは、本当のホテルマンとは言い難いのではないだろうか。 朝食時の「オーシャンテラス」も雰囲気はいまひとつだった。マネージャーなどスタッフが随分と入れ替わり、なんとなく乾いたサービスになっている。 |
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[ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル] |
Y.K.