ザ・プリンス パークタワー東京 Executive Floor Premium Twin Room |
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The Prince Park Tower Tokyo |
2009.08.12(水)
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東京都港区 |
怒-3
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低い天井と意識 | 到着時、ドアマンの接客態度そのものはまったく感心しなかったが、荷物の扱い方に限っては実に適切であった。にこやかに感じよく迎えられたのに、荷物を粗雑に扱われてしまうのと、今回のようにその真逆であるのとでは、どちらがいいかと問われれば、間違いなく後者である。どんなに愛想がよくても、物の扱いが悪いようでは話にならない。むろん、感じも扱いの両方よいに越したことはないが。
今回はプレミアムルームを予約してあったので、混雑しているフロントを避けて、コンシェルジュデスクでチェックインをしようとした。コンセデスクでチェックインできるのが、このフロアの特典のひとつである。だが、コンシェルジュはその風上にも置けない対応をした。「こいつらは本当にコンシェルジュなのだろうか?」と疑わざるを得ない態度で、「チェックインはフロントですから、あちらに並んで下さい」と言ったのである。 フロントには6つの窓口があって、それぞれにイスが添えられており、座ってチェックインできるようになっている。この時稼働していたのは、6つのうちの3つだけ。ゆっくりと丁寧な対応をするのは結構だが、客に列を成させてすることではないだろう。他に手の空いた従業員もいるのだから、その空いた3つの窓口でも誰かが対応すればいいものを、コンシェルジュたちも含めて手隙の係はボケッとしている。 暇そうな係に文句を言ってスピーディーに対応するよう促すのだが、哀れにも「少々お待ち下さい」を繰り返すだけ。こんな役立たずに支払う給料も宿泊料に含まれていると思うと、心底腹が立つではないか。 すぐさまマネジャーを呼び、どういうことなのか問い質したところ、フロントでは座って手続きしているのに、高級フロアの客がコンセデスクで立ったままでは具合が悪いということで中止したと説明された。だが、その時点で引き続き特典のひとつとして紹介されていたし、高級フロアという認識がありながら、平気で待たせるという神経が信じられない。謝るマネジャーの腰も低かったが、意識はもっと低いようである。 用意された部屋は、予約通りのプレミアムツインルーム。東京タワーを望む眺めのいい部屋がアサインされた。これまで何度か利用したことがあるタイプだが、天井の様子がいつもと違う。間接照明やダウンライトがあるはずなのに、それらがなく、代わりに一般フロアデラックスルームと同じシーリングライトが設置されている。案内した係にそのことについて尋ねてみたが、何を問われているかさえわからない様子だった。 この部屋の真上には最高級スイートのバスルームがある。バスルームの床を厚くしたことで、この部屋の天井が低くなってしまったのだろう。実際、天井高は245センチしかなかった。たかが天井高だが、室内空間の印象に大きな違いが生じるので、案内する際にひとこと説明をするくらいの配慮を見せて欲しいものだ。 客室の清掃状態も、机にグラスのあとが残っていたり、バスタブの内側が汚れていたりと、十分に行き届いているとはいえない。このように、一見わかりにくい部分ばかりでなく、見るからに乱雑なベッドメイクをしているなど、高級ホテルの特別階客室には、まったく相応しくない意識で清掃に当たっているとしか思えなかった。このあたりにも、プリンスの限界が見て取れる。 かつてすべてが無料だったミニバー冷蔵庫は、今ではローランペリエのデミのみが無料。バスアメニティにも品質の低下が見られ、室内はコストダウンとグレードダウンのオンパレードという印象だった。 フィットネスクラブは、いつになく賑わっていた。ジムではビギナーの体験利用が多いらしく混雑していたが、インストラクターは初心者にも丁寧にアドバイスしており、利用者も気兼ねなく安心してトライできる雰囲気だった。一方、ロッカールームはメンテナンスが行き届かず、ドレッサーのコーナーはひどく散らかっていた。これはこまめにメンテナンスしない係にも問題はあるが、むしろ利用者のマナーに非がある。この辺にも夏休みで客層が悪化した影響が出ているようだ。 パークタワーの宿泊客も、東京プリンスの屋外プールを利用できる。料金は東京プリンスの宿泊客と同じだ。やはり夏真っ盛りだけに、屋内プールはガラガラでも、屋外プールは大賑わいである。開放的な雰囲気の中、はしゃぐ子供の明るい声や、半裸で日焼けする人々。この環境でならまったく違和感がないが、この空気を館内に持ち込むのは遠慮して欲しい。 パークタワーでの朝食は、メインダイニング「ブリーズベール」でのフルサービスが魅力的だが、夏休み中はファミリーが多いと踏んでか、「ブリーズベール」での朝食は休止。代わりに中国料理店で和洋中のブッフェを提供している。他にもフロア専用ラウンジやいくつかのレストランで朝食を提供しているが、ブッフェでないものは日本料理店の和定食のみ。実際、ブッフェはそれなりの賑わいを見せているが、日本料理店はガラガラだった。 チェックアウトタイムの正午。ベルを呼んでもすぐには来ないだろうと思っていたが、意外にもすぐさまやって来た。そして、現在フロントが大混雑しているので、時間があるならあと1時間くらい部屋でゆっくりしてもいいと言われた。気を利かせたつもりかもしれないが、すでに荷物をまとめ、気分的にも出発モードになっているところに言われても、調子がくるってしまう。フロントの混雑は予想がつくはずなので、こうした気遣いを見せるなら、チェックイン時、あるいは朝食時に、さりげなく伝えてくれれば、このホテルの株ももう少し上がるのだが。 しかし、このベルアテンダントの仕事ぶりは優秀だった。荷物の中にコンピュータなどが入っていると告げると、「大切にお預かりします」とほほ笑み、実際とても丁寧に扱っていた。ラウンジでコーヒーを飲みながらチェックアウト。そこにチェックイン時に対応したマネジャーが顔を出し、到着時の不行き届きを重ねて詫びた。ここは都市型ホテルである。スピードもサービスのうちだ。 |
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ザ・プリンス パークタワー東京(公式サイト) | |
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