変化と調和
2006.01.06(金)
東京プリンスホテル パークタワー Executive Double Room
Park Tower Tokyo Prince Hotel
楽-3

バスルームからの景観 次にパークタワーに泊まる際は、エグゼクティブダブルにしようと、昨年9月に泊まった時から決めていた。低層階のコーナー部分にはスーペリアツインが位置しているが、高層階にはエグゼクティブダブルがある。更に言えば、低層階ではスーペリアツインに挟まれるかたちで28平米のパークツインが2室あるが、高層階でエグゼクティブダブルに挟まれているのは、50平米のジュニアスイート1室だ。スーペリアツインは34平米だが、エグゼクティブダブルは37平米。ちょうど3平米分だけ、壁がジュニアスイート側に寄っている。微妙な面積の差や、階層による景観の差、また内装の差は、どの程度のものだろうか。

今回、予約したプランのチェックインタイムは17時からとなっていた。このホテルでは一休.comなどで予約する場合、チェックインタイムが遅い上に、チェックアウトタイムも10時に設定されていることが多い。それほど混雑しているわけでもないのだから、ケチらずに客にのんびりしてもらえばいいと思うのだが。この日は16時に到着したが、スムーズに部屋に入ることができた。フロントは閑散としており、どこも静かだった。館内に流れる「春の海」のBGMが、一層さびしさを膨らませる。

エグゼクティブダブルのレイアウトは、やはりスーペリアツインによく似ている。入口を入るとちょっとしたスペースがあって、そこには三角形のクローゼットと冷蔵庫が配置されている。居室にはコーナーを活かした幅一杯の窓があり、今回の客室からは東京タワーがよく見える。ベッドは180センチ幅で、マットレス、寝具ともにとても快適だ。天井には間接照明と共に、ユニークな意匠が凝らされている。ただ、壁紙の黄色、カーペットの紫がかった赤、ソファの茶など、カラーコーディネートの調和が取れていない。一方で、どの壁にも同じ壁紙が張られていて変化に乏しく、変化と調和をどのように演出するかのコツがずれているような印象だ。

バスルームはよくできている。スーペリアルームはトイレが別室に独立していたが、エグゼクティブダブルではバスルーム内にトイレを設置している。ほぼ9平米の面積があり、大きな窓から十分な採光が得られ、また見事な眺めも楽しめる。シャワーブースは広く、バスタブはブロアーバスだ。バスタブの向きが逆だったら、空を眺めながら入浴できてよかったのにと悔やまれるのは、スーペリアルームと同じ。ベイシン上の蛍光灯照明器具もダサくて気に入らないなど、デザインのアンバランスさは、返す返すも残念だ。

リーディングホテルズオブザワールドに加盟し、名実ともに東京のトップホテルを目指すことになったようだが、不便な場所と、プリンスという先入観をどのように克服するのか、これからが正念場だ。インテリア同様に、変化させるべき部分と、これまでの持ち味を大切にすべき点の区別や調和が見出せてない。着実によいホテルになりつつあるが、まだまだプリンスの殻から抜けるどころか、閉じこもっているような印象もある。ラグジュアリーホテルのスタンダードをもっと研究してほしい。

 
180センチ幅ベッド デスクは壁向き ワイドな窓

ベイシン 9平米のバスルーム テーブルと観葉植物

天井の意匠 窓からの眺め 台徳院霊廟惣門

 
東京プリンスホテル パークタワー 050430 050522 050618 050625 050717 050814 050927


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