ふてくされたドアマン |
2007.04.07(土)
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帝国ホテル Imperial Tower Twin Room | |
Imperial Hotel |
哀-3
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帝国ホテルのロビーが改装されてからすでに久しいが、そこには今も昔も多くの人が行き交っている。待ち合わせの人、観劇やショッピングの合間にお茶をしに来た人、パーティに出席する人、そして様々な国から来た宿泊客。中には風変わりな人がいたりして、ロビーに佇みながら人を見ているだけでも飽きることがない。そして、人の流れも、同じように途切れることがない。
ロビー中央にあった一直線の階段は、下の方が二股に分かれる形に改装され、フロント前の一面のレッドカーペットも、一部が大理石張りに改められた。そして、天井にはバラの花をかたどったというシャンデリアが輝き、その真下では大きなフラワーアレンジメントが照明を浴びながら人々を迎えている。かつてよりも華やかさが増し、一層シンボリックな空間となったこのロビーは、まさに帝国ホテルの顔であり、風格に満ちている。 フロントカウンターは、以前よりも明るくなり、配置も開放的になった。チェックインが集中した時や、手続きをしている連れを待つ人のために、フロント前にはイスが並べられている。賑わうロビーを時折尻目に見ながら、カウンターでチェックインを行なったが、係の対応は丁寧で正確だった。 今回用意された客室は、タワーのスタンダードルーム。フロントのある本館からタワー客室までは、結構遠い。そこをベルアテンダントが客に合わせたゆっくりとした足取りで一組ごとに案内する。一人のベルアテンダントが毎日何往復するのか見当も付かないが、相当な運動量になるだろう。そして、当然ながらもイヤな顔や面倒な仕草を見せることなく、一組ごとに丁寧な対応をしているのも、実に素晴らしいことだ。 案内された客室は、スタンダードの中でも、コーナー部分に位置していることで、少しだけ幅が広い分、ゆとりのあるタイプだった。通常は、ベッドは窓と並行に置かれているが、この部屋では窓の方に向かって置かれている。110×205センチサイズのベッドには、市松風模様のベッドスプレッドが掛かり、それをはがすとシーツで包んだシルクの寝具があらわれる。出窓状になった窓はハーフミラーになっているが、建物がT字状なので、他の客室と互いに見えてしまう。窓際にはふわっとしたクッションのイスがふたつ並び、テーブルとオットマンが添えられている。 テレビ台、デスク、チェスト、バゲージ台は片方の壁に並んでおり、ミニバーは入口付近のクローゼットに隣接。家具はしっかりとしており、使いやすいだけでなく、長年の使用により風合いを増している。カーテンはベッドスプレッドと同じ柄のファブリックだが、しっかりと閉じても外光が入ってくるので、遮光性に優れているとはいえない。客室の天井高は260センチ。タワーの客室では、天井がドーム状になっている部屋が多いが、ここはそうではなかった。 バスルームは4.6平米の広さがあり、160センチ長のホーローバスタブを備えている。シャワーブースやレインシャワーなど洒落た仕掛けはないけれど、清潔感に溢れ、十分な水圧のシャワーや心地よい肌触りのタオルなど、使い勝手も印象も悪くない。ターンダウンは中年の男性が一人で来たが、手馴れた感じでササッと行なって、ササッと帰っていった。毎度思うことだが、すべての客室を端整に清潔に仕上げ、これほどまでに行き届いた印象を与えるのは実に見事だ。 チェックアウトもスムーズに済み、気分よく出発しようとしたその時、正面玄関で意地悪なドアマンに遭遇してしまった。荷物が多かったので、タクシーに載せるのを手伝ってもらおうと思ったが、「タクシー乗り場はあちらです」とあしらわれてしまった。ここもセンチュリーハイアット並みか。とてもガッカリした。そのドアマンに対応が悪いと文句を言うと、露骨にふてくされたような表情をした。顔に出すとはアマチュアだ。彼の表情ひとつで、他のすべてのスタッフの努力が水の泡になった。 |
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