2004.08.08.（日）

チェックインは16階エグゼクティブラウンジで手続きした。荷物はロビーに構えるベルアテンダントが運んでくれた。彼は手続きが終わるまで、ずっとデスクの後ろに構えていたが、手続き自体は丁寧と言うよりもたもたとした印象で、実際通常以上の時間を要した。後に、他のゲストがスタッフにレストランの予約内容の変更を依頼しているところを目にしたが、ゲストは単純な要求をしているだけなのに、スタッフに日本語の理解能力が足りないのか、なかなかその要望に応えられずにいた。かつてここのゲストリレーションズのサービスは優秀だったが、今回見た限りでは素人っぽく感じられた。

客室はある意味想像通りだった。見た目には落ち着いたカラースキムで垢抜けたように感じられたが、実際には質感が低く、実用的でない部分が散見された。44平米のデラックスルームは、入り口を入ったところの床に人口石を敷き、居室との間に変化を演出した。一方の壁一面を赤坂プリンスホテルのように鏡張りにし、一層の広がりを演出することに成功したが、鏡の上部まで清掃が行き届かず、埃まみれになっていた。手前リビングスペースには低い家具と一体化したソファが配され雰囲気はいいのだが、木肌の質感が低く、10年持たせるのは厳しいように思われる。浴室に置ききれなかった脱衣用のワゴンがソファ脇にあるのも、ますますミスマッチで滑稽だった。

最も力を入れたと見られるワークスペースにも疑問が感じられた。デスクはアールを描く秀逸なデザインで、添えられたイスも回転脚を持つオフィスタイプの肘掛け椅子だが、その肘がデスク脇に当たって早くも傷だらけ。壁面の棚や入り口同様の大きな鏡の壁も埃だらけだった。ミニバーのキャビネットは、2面の窓の間に据え、その上にはデスクトップに続く2台目の液晶テレビが載っている。それぞれのテレビは個別にコントロールできるが、2台ある意味はあまりないように思う。

奥のベッドスペースはドレッサーとバゲージ台の位置が逆転した他は、大きなレイアウト変更はない。デザイン的にはヘッドボードを高くし、チューブの読書灯を設けて、時計などはヘッドボードのパネルに垂直に埋め込んだ。寝ている時に時計が見にくくて不便だった。クローゼットの扉は軽く開閉できるのは結構だが、あまりに軽すぎて安っぽいという印象の方が勝る。また、クローゼット内部のハンガーレールは、前後を間違えて設置してしまったために、ハンガーの肩が常に壁に当たるという困った状態にある。

照明も不便だった。ソファ脇のスタンドだけは独立して操作できるが、その他はダウンライトもペンダントも連動してしまい、明るいか真っ暗かのどちらかにしかできないため、ダウンライトも電球型蛍光灯を自分ではずして調節するしかなかった。収納スペースは引き出しが数多く用意されているが、どれも小さいとか浅いとかで使いにくかった。

バスルームは人口石を張った以外、さほど大きな変化はない。サーモスタット付きカランは健在で、シャワーの勢いもよい。扉は半透明の軽いものに取替えた。改装当初は便座に腰掛けた姿が外にいる人にも丸見えなほど透過性が高かったが、さすがに評判が悪かったのだろう、さらにフィルムを張って中の様子がわかりにくいよう工夫した。このように、全体の第一印象は悪くないが、過ごすにつれ、実際の使いにくさや掃除の大変さが浮き彫りになってきた。以前の方が長く過ごせば過ごすほど快適な客室だったような気がする。

エグゼクティブラウンジのカクテルアワーは以前よりよくなった。オードブルはスモークサーモン、生春巻き、ポークチョップ、ナチュラルチーズなどが並んだ。飲み物もセルフサービスだが、気軽に楽しめるのがいい。「オルフェウス」での朝食も充実している。LANが無料になり、フィットネスも自由に使えるなど、エグゼクティブフロアの付加価値は大きい。

[ロイヤルパークホテル] 920608 950502 950604 990327 990808 000809 010125 010713 020308 020504