2000.08.09
コンセントレイト
ロイヤルパークホテル Standard Room
楽-3例によってJTBのホテルプランで予約をした。法人契約を結んでいる会社の関係者でもない限り、個人で泊まる場合は旅行代理店経由の予約がリーズナブルだ。格安のプランでもサービスやアメニティに差がないのがうれしい。ホテル自前のプランや会員のレートもあるのだが、同じ内容でも値段はずいぶんと高い。その値段の差に見合った価値があれば納得だが、以前比較してみたところほとんど同じ内容だったため、それ以来ずっと代理店経由で利用している。
格安プランで利用する部屋は26平米のスタンダードルームだ。いかにもホテルといった感じのオーソドックスな配置で、110センチ幅のベッドが2台入っている。窓際の椅子は肱掛椅子がふたつの部屋が多いが、今回利用した部屋ではハイダーベッドが置かれていた。壁に向って行儀よく並べられたライティングデスクは部屋面積の割には大きくて使いやすいし、入口脇にミニバーを設置したため、所せましと家具が並ぶ割にはスッキリとした印象だ。狭い分、濃度が高いといったところだろうか。
天井は弧を描き、四角四面の印象を和らげている。寝具は昔ながらの毛布だが両面にシーツを掛けており、室内清掃が簡略化されるホテルが多い中、ロイヤルパークの客室係はよく頑張っていると思う。電話機がライティングデスクとベッドサイド両方に設置されているのもありがたい。CATVは開業当時から60チャンネルと時代の先端を行っていたが、今年になってWeb機能やゲーム機能などを盛り込んで更にグレードアップを図った。電話のモーニングコールでは、セットした時間に電話が鳴るだけでなく、テレビが自動的につき、朝のイメージ映像と音楽が流れる仕組みになっている。それなりに爽やかなイメージのビデオなのだが、音楽そのものが古臭くなってきており、そろそろ新しく作り直した方がいいように感じた。
客室が狭い割に広く取られているのがバスルームだ。大き目のバスタブにウォシュレット、明るい照明や壁掛時計など、なかなか快適なバスルームだ。アメニティの充実ぶりもたいしたもので、深いグリーンのパッケージに入った豊富なアイテムがこのホテルの水準の高さを強く印象付けてくれる。
地下鉄の駅に直結しており、都心のどこへ出るにも便利な立地も大きな魅力だ。都会を舞台にエネルギッシュに行動するビジネスマン、ビジネスウーマンの利便性をとことんカタチにした客室と、頼りになるプロフェッショナルサービスを提供する質の高いホテルマンのサポートは、一度体験するとクセになるかもしれない。ただ、時にサービス面においてお役所的な固さを見せ、意外なところで融通が利かず残念に思うことがあることも付け加えなければならない。
余談だが、今回JTBに予約を入れる際ちょっとした誤解があった。電話で申し込んだのだが、こちらが「ロイヤルパークホテル」といって予約を頼んだのにもかかわらず、実際には「横浜ロイヤルパークホテルニッコー」に予約を入れられてしまっていた。JTBのおねえさんの中には単に「ロイヤルパークホテル」というと横浜をイメージする人もいるようだ。こちらが「箱崎の」と言葉を添えれば間違いが生じなかったのかもしれないが、それほどマイナーなホテルではないのだから、念頭に入れておいて欲しいものだ。
格安プランでも「シンフォニー」で都内屈指の充実した朝食ブッフェを食べさせてくれる。ブッフェの始まる時間をめがけて早めに降りてゆくのだが、すでに多くの外国人客で賑わいを見せており、一日中活気が絶えないレストランだ。ちょうど夏休みの期間だからか、ホテル専門学校からの研修生がたくさんシフトに入っており、彼らを指導しながらいつも通りの仕事をこなさなければならない先輩たちは大きな負担を抱えながら働いているように見えた。ただでさえ忙しい店だから、手際よく作業を進め続けないとすぐに渋滞してしまうだろう。従業員同士も阿吽の呼吸で波長の合った動きをしないとどうしても無駄が生じてしまう。
そんな「流れ」が大切な忙しいレストランでは研修生の存在がまるで障害物競走の障害物のような立場になってしまうことがある。悠長にかまえて丁寧に指導していたのでは、共倒れになってしまうし、あまりにテキパキと指示を飛ばしても、半分くらいしか伝わらなかったりと、どうあがいても思うようにははかどらない。そんな先輩のイラつきをまともに浴びながら小さくなって駆け回っている研修生を見て、こうやってせっぱ詰まりながら乗り越えた人だけが一人前になれるんだなぁと改めて思った。
一辺倒ではいかないホテルの仕事は、カラダで覚えるのが一番だ。考えるよりも先にカラダが動くようにならなければ、プロ級の仕事はできない。研修生を教える先輩もまた、次のマネージャーもタマゴとして、自分自身のトレーニングになっているはずだ。自分だけが頑張ればよかった新人時代と違って、後輩を一人前に育てながらも、同時に顧客満足という大きな課題をクリアさせなければならない。ガンバレ!
Y.K.