1995.06.04
奥深い部屋
ロイヤルパークホテル Executive Tower Suite
楽-2

ロイヤルパークホテルの建物はL字型をしているが、その折れた先端の部分がポコッと半円状に膨らんでいる。外観からの印象では、たいしたスペースはないように感じるが、その部分の客室に入ってみると、四角い客室に曲線がアクセントとなって効果的なだけでなく、その位置にある椅子に掛けると、周囲から外光が入って心地よいスペースだ。

低層階ではこの部分にスタンダードルームがあるが、上層階ではタワースイートもしくはロイヤルスイートがある。タワースイートは、その半円状の張り出しを除けは長方形をしているが、レイアウトが個性的なので実面積よりも広々と感じる。

ドアを入ると、すぐにゲスト用の化粧室とクローゼットがあり、客室内としては長めの廊下があって、リビングルームに通じている。リビングには4名用のダイニングセット、ソファセット、ライティングデスクの他、オーディオが完備しているが、テレビは家具に収納されておらず、むき出しのままだ。全体的に淡いトーンでまとめられており、照明は可変式でムードづくりが可能だ。

リビングの奥にベッドルームがあり、羽毛布団を採用した2台のベッドと、置き家具のアーモアとクローゼット、ドレッサーが配置されている。更にその奥がバスルームで、やや狭いながらも大理石張りで、ユニークなカタチのバスタブと、シャワーブースを備えている。アメニティーは基本的に一般の客室と同様だが、高価そうなゲランの香水とソープがドレッサーの上に用意されている。

このように、各部屋が奥へ奥へと配されているので、入口からバスルームまでは相当の距離になり、その分広々として感じるのかもしれない。清掃状況は最高レベルで、まったく申し分ない。ターンダウンの様子をうかがっていたが、非常に丁寧でベッドカバーをはがすにも埃ひとつ立てないような慎重さがあり、ゲストの空間をかき乱すことがない。ベッドルームは眼下に首都高速を見下ろす位置にあるが、二重窓になっているため、騒音はあまり気にならない。また、客室廊下からも回り込んだ位置なので、館内の騒音もほとんど聞こえない。このホテルではもっとも好きなタイプの客室だ。

Y.K.