2004.04.10.(土) |
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キャピトル東急ホテル Deluxe Room Capitol Tokyu Hotel |
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哀-5 忍耐のステージ | |
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ディナーショーの当日。舞台裏ではステージで見せられない数多くの苦労があった。どんな公演でも、なんの滞りもなく順調にことが運ぶことなどあり得ないが、特にホテルディナーショーは、華やかな印象とは裏腹に歯を食いしばって我慢しなくてはならないことの連続だ。我慢の半分は10年後の自分を見据えて。そして残りの半分は会場に足を運んでくださったゲストのために。神経が引き裂かれそうな環境の中、求められる芸術性と気品を保つことは困難を極める。しかし、ここで負けては明日はない。そんな気持ちで舞台に上がっていた。
ショーの準備もあるので、11時45分にチェックインをした。すでに客室の準備は整っており、スムーズにルームキーを受け取ることができた。予約はエグゼクティブルームで入れてあった。もちろん自腹だ。出演者に客室ひとつ提供する気がないというのも驚いたが、部屋のアサインにはもっと驚いた。 前々日に確認事項があって、ホテルの担当者に電話を入れた際、自分で客室の予約を入れてあることを告げ、せめてアップグレードくらいしてくれないかと頼んでみたら、電話口でげらげらと笑い出された。10代の娘じゃあるまいし、孫がいてもおかしくない歳の男性がなぜここで笑うのか理解に苦しんだが、最終的にはなんとか手配してみましょうと言ってくれた。 アサインされた客室は3階のスタンダードフロアのデラックスルームだった。確かに予約したエグゼクティブフロアにはデラックスルームはない。ラックレートで見ればアップグレードとも言えないことはないが、「ご希望通りによいお部屋を用意しました」と胸を張られても、頭を下げる気になれるものではない。もう少し気を遣ってくれてもバチが当たらないだけのことはしているだけに、不愉快には思わなかったが感謝する必要はないと思った。 今回のデラックスルームはエレベータホールのすぐ脇に位置し、エレベータを抱えるような格好をしている。入口からL字状に広がっており、通常の客室に比べると、かなり広い印象がある。エレベータ裏の客室と聞けば騒音が気になりそうだが、ここはエレベータと居室の間にバスルームを挟んでいるので、思いのほか静かだった。 居室部分は横にワイドな形をしており、それに合わせて幅の広い窓を持っている。ベッドはハリウッドスタイルに寄り添っているが、ひとつは120センチ幅で、もうひとつが98センチ幅とバランスが悪い。しかも、バランスのみならず、寝心地にも相当の差があり、狭いほうのベッドはエキストラ級の質だった。シッティングスペースには3名分のソファセットがあり、デスクは壁を向いて設置されている。設備としては通常客室とさほど差がなく、広いスペースにゆったりと配置されている点が魅力だ。 バスルームは石張りで、通常客室よりも広く取られている。アメニティやタオル、お茶などはスタンダードフロアのものでグレードが低かったが、バスローブは備わっていた。プレスを頼んだら、レギュラーサービスでも2時間で仕上げてくれたのはありがたかった。新聞が配達されなかったのでベルに尋ねると、単に忘れていたとのこと。一度ならまだしも、夕方も翌朝も忘れられた。 ディナーショーに際しては、なぜか控え室を用意してもらえなかった。客室があるからいいと思われたのかもしれないが、客室は自費で用意したもの。それで十分と思ったのなら、人の懐に頼るあさましい行為だ。水もなし、食事もなし、すべてが自費だった。こんな非礼はいまだかつて経験したことがない。これしきのことなど序の口で、その他にも数々の驚くべき事態の連続だった。出演料の10倍の金額のチケットを販売したのに、このような扱いとあっては、我ながらホテルを儲けさせるためだけにピエロを演じたに過ぎない気分。もうホテルディナーショーはこりごりだと思った。 |
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[キャピトル東急ホテル] 960217 990103 990618 000504 000805 010407 010628 010818 010923 020222 020302 020524 030511 030514 030531 030628 031029 031108 031226 040306 |
Y.K.