1999.06.18
気持ちにしみる一言
キャピトル東急ホテル Superior Room
喜-4JTBスプリングホテルプランでインターネット予約利用したところ、2名1室1名13,000円朝食付きだった。ラックレートで32,500円からのホテルだから、この格安の料金だったらスタンダードルームだろうと予想いた。チェックイン後すぐに出掛けて、戻るのは午前さまの予定でほとんど寝るだけだから、この際贅沢はしないつもりだった。
4名2室で予約しており、行程の都合でコンサート会場に残り、他の連れたちは早めに一度ホテルにチェックインすることになった。午前10時頃の話しである。しかしチェックインタイムは12時からとなっているホテルなので、スタッフの一人が早い時間でのチェックインが可能かを電話で問い合わせた。その際の対応はとても誠実で、すでに客室の用意ができているのでいつでもお待ちしておりますとのことだったと言う。
更に、連れの中に気分のすぐれない方がいる旨を伝えたところ、「ではすこしよいお部屋をご用意しておきましょう」とオファーしてくれたそうだ。割引で利用しているにもかかわらず、分け隔てなく親切な配慮をしてくれるのは、実にありがたいと感じた。
ホテルに到着すると、電話で対応した係りの人が出迎えてくれ、電話で言っていた通りアップグレードでスーペリアルームを用意して待っていてくれた。スーペリアルームはスタンダードルームと面積は同じだが、アメニティの品数や家具の設えが多少違っているほか、もっとも大きな差は寝具が毛布か羽毛布団かの違いだ。
出発の際にも、キャッシャーの係に話しが引き継がれており、「お連れさまのお加減はいかがですか?」との気遣いを見せてくれ、気持ちよく出発をすることができた。こうした一言は、心の琴線に触れ、広い範囲に渡って心地よく共鳴する。
話しが前後するが、ぼくがホテルに戻ったのは午前2時だった。その頃、ロビーは客の姿はほとんどなく、夜勤のベルマンが真鍮でできた灰皿を懸命に磨き上げていた。抱えきれないほどの花束と荷物を部屋まで運ぶのを手伝ってくれたベルマンも、深夜であるにもかかわらず背筋を伸ばし、ホテルマンらしさを漂わせていた。
スタッフが荷物を部屋に運んでいる間、ロビーのソファでしばし雰囲気を味わってみたが、最新のホテルでは醸し出すことのできない風格を感じることができ、楽しいひとときだった。この時間になっても、正面玄関から帰ってくる宿泊客がポツリポツリとあって、その度に「お帰りなさいませ」と迎え入れるホテルマンの姿が印象的だった。
残念だったのは、ナイトテーブルに「ターンダウン(ナイトセット)をご希望のお客様は、客室係(ダイヤル4番)までお申し付け下さい」とあるにもかかわらず、ターンダウンという言葉が通じなかったことだ。逆に「ベッドメイクですか?」と聞き返されたという。
チェクイン後、ターンダウンを依頼して出掛けたが、帰った時には2部屋ともターンダウンがされていなかった。また、チェックアウトタイム直前に冷蔵庫のチェックと補充のために係りが部屋にやってくる。飲み逃げ防止なのかな?と思わせるほどにタイミング的にはよくなかった。ルームサービスでボトルキープができるユニークなシステムがあり、有効期限は3ヶ月で、次回の宿泊の際、また部屋までキープボトルを運んでくれるそうだ。
朝食券を利用してコーヒーショップ「オリガミ」で朝食をとった。以前は「源氏」で提供されていた和朝食が「オリガミ」で提供されるようになり、アメリカンブレックファスト、ヘルシーブレックファスト、ご飯の和朝食、おかゆの和朝食と、バラエティー豊かなメニューから選ぶことができる。カップルで一方が和食党、もう一方が洋食党の場合には、ひとつの店で両方注文できるのはありがたいだろう。
また、例えばアメリカンブレックファストにしても、好みの卵料理以外にワッフル、パンケーキ、フレンチトーストからも選択できる。ジュースはオレンジの場合フレッシュだ。シリアルかオートミールも付いて品数が豊富。コーヒー紅茶の他にホットチョコレートも選べる。ヘルシーブレックファストはシリアルの代わりにヨーグルトが選べ、卵料理の代わりにフルーツかサラダを選ぶ。
ジュースにも受け皿を付けるなど、洗うのが大変なんじゃないかと思うほどたくさんの皿がテーブルに並ぶ。また、クロワッサンはサクッと軽い中にもバターの風味が生きており美味しかった。セットメニューはコンチネンタルブレックファスト以外2,300円と低価格だ。セット以外のメニューもバラエティー豊富で、手頃な値段なのがうれしい。
サービスも快適でコーヒーのおかわりや空いた皿を下げるタイミングにも優れている。全体にホテルで朝食を取っていると思わせるに十分な雰囲気があった。入口にあるテイクアウトコーナーで扱っているバナナブレッドを、フォトグラファーの會澤氏に薦められた。スポンジケーキよりも軽やかな口当たりでカステラよりもこくのある味わいが、食事中にも午後のお茶と合わせるにも向いている、重宝で美味しいパンだった。
Y.K.