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神戸ベイシェラトンホテル&タワーズ Junior Suite | |
Kobe Bay Sheraton Hotel & Towers | 2011.03.19(土) |
神戸市東灘区 | 怒-1 |
ARCHIVES ・ 1992 |
全室SSSBのはずでは? オープン当初に話題をさらったホテルが、その人気が衰えるのに従って、風格や質まで落ちて行くのは、珍しいことではない。それどころか、大抵のホテルでは最初の意気込みが長続きせず、微細なところからコストダウンが始まり、気がつけばずいぶんと落ちぶれたものだと感じさせるのが常である。 神戸ベイシェラトンもそんな変化が顕著なホテルのひとつ。完成度の高いデザインに囲まれた居心地の良い空間と世界に通じるグルメレストランを持つ立派なホテルの周囲は、理想の生活環境を備えた未来都市。神戸市中心部からは離れていても、ホテルを中心に島の中だけで終日過ごせるほどに、魅力溢れる目的地であったのは昔話である。 バブル期の計画だけに、そもそも当初の高級路線には無理があった。そこに95年の地震が追い打ちをかけ、ホテルは大きく舵を切らざるを得ず、またたく間に庶民的になっていった。今ではUSJを含む観光客や外国人団体客が多くなり、ビジネスホテルのような使われ方をしている。 今回は、ほぼ4年ぶりの宿泊。ロビーなどのパブリックスペースに、大きな変化は見られない。だが、それは見た目的な話。そこに漂う空気感は、以前とまったく違っている。スタッフや客、すなわちそこにいる人間の品格は、そのままホテルの品格となるわけだが、どうもそれが変わったように感じられるのだ。 案の定、チェックインを担当したフロント係の女性は、態度が悪かった。いやいやながらに仕事をしているのか、無愛想な表情を変えることなく、投げやりな仕事に終始していた。救いはベルアテンダントの若い男性。溌溂と明るい振舞いが気持ちよかった。 2泊する客室はジュニアスイート。各フロアのコーナー部分に2室あり、海側と山側では広さや間取りが異なる。今回は海側にある狭い方のジュニアスイートだ。 部屋に入ってすぐ、この部屋は気に入らないのでルームチェンジしてくれと頼んだ。理由はベッドがシェラトン・スイート・スリーパーベッド(SSSB)でないことと、不自然なレイアウト変更により、デザインのバランスが大きく崩れて耐え難いからである。 この部屋は以前ツインベッドだったのだろうか、ナイトテーブルはひとつしかなく、ベッドボードも2枚に分かれているし、額の位置もおかしい。マットレスは極めて薄く、見るからに寝心地が悪そうだし、ナイトテーブルがベッドと大きく離れており、その間には無造作な配線がむき出しになっている。 ベルアテンダントは新入りなのか、到着早々にルームチェンジを申し出られて困惑を隠しきれなかった。気の毒になり、自分でフロントに出向いてフロント係に掛け合うことにした。 チェックインを担当した無愛想な女性に希望を伝えたものの、今日は満室だと言って譲らなかった。同タイプの客室はすべてチェックイン済みなのか尋ねると、そうではないとのこと。であれば調整は可能なはずだ。 後から来た客がひどいベッドで寝ることになるかもしれないが、それがいやなら、その客がまた交渉すればいいことであり、ここで引き下がる必要はない。 だが、係は頑なだった。仕方がないので上司を呼ばせた。そして「公式サイトによれば、ジュニアスイートは全室SSSB導入済みとなっているが、そうでないのはどういうことか」と切り出すと、素直に非を認め調整を始めた。 やがて用意されたのはタワーズフロアにあるジュニアスイート。先ほどと同じタイプだが、部屋に入った時の印象は大きく異なっていた。 丁寧に整えられた室内は、空気そのものが違って感じられる。ベッドの両脇にあるナイトテーブル、そして位置が整った額。なぜ、下の部屋もこのように出来ないのか不思議だ。SSSBはマットレスが厚くベッドリネンも上質。枕も大違いである。 更に、タワーズフロアはファブリックの改装を終えており、カーペットや壁紙がきれい。これでやっと国際ホテルの水準に達したに過ぎず、先ほどの部屋は恥をさらしているだけだ。 居室には2面の窓があり、ワンルームタイプながら、ベッドスペースとリビングスペースに分かれている。廊下と居室の間に内扉はない。 リビングスペースにはソファセットとワークデスクを配置。ふたり掛けソファと、エレガントなアームチェアが楕円のローテーブルを囲んでいる。 ワークデスクは大型で、キャスター付きのチェアを添えている。卓上にはデスクライトとエスプレッソマシンがある。 デスクの背後には棚があり、ミニバーや冷蔵庫もここに用意されている。テレビを設置するには向いていない場所であるだけでなく、置いてあるテレビがかなり小型で時代に即していない。もうひとつのテレビはベッドと窓の間にあるが、そちらも小型だ。 クローゼットはウォークイン型で広い。多数の引き出し、長いハンガーレール、大きなスーツケースも載せられるバゲージ台や棚があり、充実した収納スペースを持っている。バスローブもここに用意されている。 バスルームはグレーの大理石をふんだんに使ったゴージャスな空間。広さも設備も高級ホテルのバスルームとして申し分のない風格を感じさせる。 ベイシンはひとつだが、壁面や床とは違う種類の石を使い、エレガントさを際立たせている。前面のミラーは大型で、両脇の照明も雰囲気のあるもの。 バスアメニティはシェラトン共通のパッケージのもので揃えている。タワーズのアメニティとして、スペシャルルーム用のシャンプー類と、アメニティポーチ、マウスウォッシュを備えている。 バスタブはハンドレスト付きの大型サイズ。深さもあって快適だ。バスタブにはカーテンを設けず、スッキリとした印象。バスルームには独立したシャワーブースと、トイレが設けられているが、トイレは個室ではない。 海側客室から見える景色は、さほどロマンチックなものではない。海側といっても海面は遠く、近隣の住宅や商業ビルの存在感が大きい。ただ、日当たりは良かった。 夜にはターンダウンが行われる。あいかわらずタオルの交換はせず、ただベッドにカードとチョコレートを置くだけだが、カードにプリントされた近隣の小学生による絵に心が洗われる。 タワーズラウンジでは、セルフサービスによるドリンクサービスを利用できる。時間帯により茶菓子やオードブルも用意される。利用客は少なく、ほとんど人と会うことはなかった。本当に満室なのだろうか。 レストランは2階に新しく入居した日本料理店のランチ、1階ガーデンカフェの朝食、スポーツパブでのナイトサパーを利用した。ブッフェの朝食は、ガサガサとした雰囲気で落ち着かず、料理の品質もいまひとつ。スポーツパブはタバコくさかったが、雰囲気は楽しめた。日本料理店は独創的だが、ホテルレストランらしさがないと感じた。サービスも味も安定していた昔が懐かしい。 |
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