2005.01.19.（水）

顔なじみのスタッフと挨拶を交わし、2階のクラブラウンジでスムーズなチェックイン。一番の頼りにしているベテランのゲストリレーションズオフィサーはハワイ研修で不在だったが、他のスタッフがよく頑張っていた。ラウンジでくつろいでいると、飲み物や菓子を勧めてくれたり、パークハイアットからこちらに移ってきたという外国人女性マネージャーが挨拶に来るなど、細やかさが伝わる充実したサービス振りだ。

早速向かった客室も、いくつかの変化があった。まず目を引いたのは、壁に据え付けられた42インチのプラズマディスプレイだ。角度調整が可能で、バスルームのルーバーを開放すれば、バスタブからも画面を見ることができる。脇にはDVDプレイヤーも備えた。立派なディスプレイが入ったが、まだCS放送などは見られず、プログラムの充実が待たれる。

テラスホテルになった時に、テレビを置くためにふさがれてしまった立派な大理石のミニバーコーナーは、テレビとそれを収納していたダサい合板のキャビネットが取っ払らわれたことで、久々に復活した。シンクこそふさがれたままだが、それでも損なわれていた質感は完全に復活している。また、全客室に無料で利用できるLANが整備された。

ベッドと寝具も一新された。快適なマットレス、フルサービスのターンダウンで姿を現す肌触りのいいリネンに包まれたデュベや枕は、眠りの質を格段に上げてくれる。翌日の天気予報と、蘭の花、そしてチョコレートを添えたナイトセットも気が利いてる。シーツと同じ素材の純白のナイトウェアも心地よい。

バスルームには、ラ・プレリーの化粧品や月桃ハーブソープなど、充実したアメニティを備え、アメニティトレーやグラスなどもより上質なものを導入した。水圧が低く使いにくかったシャワーヘッドは新しくなり、ガラスの仕切りやカラン、バスタブ内の水垢もすっかりと落とされ、リージェント開業当時の輝きを取り戻した。

客室でひと時くつろいだ後、裏手のエントランスから出て、新都心にオープンした大型免税店を見に行った。かつては、広大な芝生に米軍の住宅が点在するのどかな眺めだったが、今ではすっかり都会的になり、いずれはホテルのエントランスもメインよりも裏口の方が賑わうようになるだろう。

免税店までは徒歩でもアクセスでき、広く雰囲気のいいスペースでは、ゆったりと買い物を楽しめる。品揃えはやや偏っているが、ブランドごとに独立したブティックになっている。そして、最上階にはダイナミックなフードコートがあり、コーナーごとに分かれた様々な分野の料理を、ノリのいい若者が目の前で調理する。思い思いの料理を選んで、開放的な客席で食べるというのは、なかなかエキサイティングだ。味はそれなりだが、値段も安く、とにかく雰囲気が楽しい。

夕食は「ファヌアン」にて、沖縄の旧友と共に、沖縄料理をフレンチ風にアレンジした琉球コースを楽しんだ。ソーキソバに野菜と油揚げの巾着が入っているスープや、ラフテーにフォアグラとゴーヤチャンプルを添えたものなど、ユニークなアイデアだが、好みは分かれるところだろう。店内には新たにシャンデリアが設置され、卓上のキャンドルとともに、ロマンチックなライトでテーブルを照らしている。

クラブラウンジのサービススタイルにも一部変更があった。ティータイムはこれまで同様、飲み物とケーキやクッキーがテーブルでサービスされるが、カクテルアワーと朝食は、ブッフェスタイルのセルフサービスになった。気軽に自分のペースで楽しめるのもいいが、かつての充実した朝食サービスには未練を感じる。それにしても、ラウンジに一日中居座り、大声でケータイを使い、外からの客を呼び寄せて自室代わりに使っている人がいて、いささか目に余った。どこのラウンジにも「こまったちゃん」がいるものだ。

このホテルでは余計な気を遣わない。サービスも「してやってる」という感じは微塵もなく、実に素直に善処してくれる。総じて海岸のリゾートよりも洗練されており、ホテルステイの質ははるかに高い。だが、いくら静かな丘に佇むホテルでも、海沿いという環境にはかなわない。ビーチリゾートで海と空を楽しみ、最後に那覇でホテルを愉しみ締めくくる。ナハテラスは沖縄旅行最高のデジェスティフにもなる。

[ザ・ナハテラス] 930130 990306 000303 000820 000923 001101 020127 020813 021226 021227