2002年1月29日 |
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ザ・ナハテラス Club King Room | |
楽-5 沖縄に雪が降ったら | |
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毎年のことだが、1月はどうしても気分が冴えない。どうやら正月というのが肌に合わないらしく、その後も1月一杯、なんとなく不調なまま乗り切ることが多い。今年は特に仕事に切迫されることもなく、考えごとをする時間が十分にあった。いつも立ち止まらずに駆け抜けるようにして生きているせいか、じっくり立ち止まって自分を顧みることが苦手だ。体調を崩すとすれば、やはりこの時期が多い。
こんな気分のままじゃダメだと、小旅行に出掛けることにした。だが、海外に出掛けるには時間が足りなすぎる。そんな時には沖縄がいい。思い立ったようにして、ホテルと飛行機を予約して、簡単な旅支度で出発した。目的地はナハテラスとブセナテラス。それ以外の場所に寄るつもりはなかった。ただこのふたつのホテルが目的地だった。 羽田空港で大好きなゼリービーンズと友人へのお土産を買い込んで、飛行機に乗り込み、午前中の内に那覇空港に到着した。空港からは直接タクシーでナハテラスへと向かった。沖縄にしては珍しく、日中でも15度足らずと気温が低かった。夜には雪が降ったりしてなんて、有り得そうもないことを想像しているうちにホテルの正面玄関へ着いた。 正面玄関では、いつものスタッフが気持ちよく出迎えてくれた。1年2ヶ月ぶりだったが、館内のどこでも名前を覚えてくれていて、こちらから名乗る必要は一度もなかった。チェックインも極めてスムーズに済み、客室へと案内された。このホテルでは、若いスタッフも皆、誠実さにあふれ、素直な表情をしている。いつでも、自分が何かに役立てはしないだろうかと、周囲の状況をよく見ている。かといって、よく外資系ホテルで接するサービスの押し売りのような強引さはまったくない。自然で日本人らしい、適切なサービスだ。 客室の清掃状況は良好。窓の外側は、昨日までの荒天で風雨の跡を感じるが、室内は快適そのものだった。室内を見回してみても、これといって変わった様子はないが、空調のコントロールパネルが、ブセナのと同じものに改まっていた。キングルームのベッドは185×200とゆとりのサイズ。最初は違和感があった綿の枕も、今ではこのホテルらしさに感じられるまでに慣れた。オットマンつきのソファは、腰の部分がサポートされ、座り心地がよい。普段はテレビを観ることはないのだが、この夜ばかりは、不思議な更迭劇に疑念を感じながら、このソファやベッドからテレビに釘付けとなっていた。 一日中、ホテルから一歩も出ずに、館内で過ごしたので、館内は隅々まで見て歩いた。小さなホテルだから、それほどたくさんの見所があるわけではないが、どこにいても独特の雰囲気が味わえる。そして、どこでどのスタッフに出会っても、気持ちがいい。ホテル全体がひとつのパラダイスになっているのだ。 夜になると、ガーデンやエントランス周辺だけでなく、ホテルの外壁にも電球の装飾が点る。まぁ、正直言ってちょっと派手な感じで、田舎くさい気もするのだが、それがまたほのぼのとした気分にしてくれる。クリスマスのイメージを今も残しているという感じのこの電飾は、1月一杯で取り外されるらしい。このイルミネーションの中、雪が降ったらステキだろうなと、そんな風景を想像してみた。 |
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2002年1月29日 昼 | |
ザ・ナハテラス ダイニングルーム「ファヌアン」 | |
喜-4 長いランチ | |
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チェックインを済ませてから、部屋に荷物を置いて、すぐに「ファヌアン」へ行った。12時半ころだったろうか、店内は半分手度のテーブルが埋まり、上品な奥さまたちやスーツ姿のビジネスマンが多く、落ち着いた雰囲気だった。
テーブルの間隔はたっぷりと取られ、白いクロスにブルーの琉球ガラスのグラスが鮮やかに映える。メニューには幾種類かのコースが載っているが、一番手頃な2,000円のランチを注文した。オードブルとデザートはブッフェで、メインディッシュとスープまたはパスタとコーヒーは係がサービスするというスタイル。メインも2種類からチョイスできる。 東京にあったら、間違いなく行列のできる店だろう。「マイルが溜まったら、飛行機でここのランチを食べに来るわ」と言った友人の言葉がこの店の魅力を物語っている。食事を終えて、デザートをゆっくりと食べていたら、たちまち3時過ぎ。長いランチだった。 |
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2002年1月29日 夜 | |
ザ・ナハテラス 日本料理「真南風」 | |
喜-4 余韻のある食事 | |
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ここの料理長は、ホテルそのものが変わりつづけていても、リージェント以来変わっていない。沖縄にうまいものナシとの認識を見事に覆してくれたのもこの店だった。そして、「ファヌアン」に劣らず価格が安い。
この日は、久しぶりに会う沖縄の友人を招いて、楽しい食事となった。 |
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2002年1月30日 朝 | |
ザ・ナハテラス リビングルーム「マロード」 | |
楽-3 おしることスムージー | |
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バナナスムージーを飲まずしてナハテラスを去ると、忘れ物をしたような気分になる。そのくらいいつも楽しみにしている味だ。しかし、この朝は寒かった。ジャケットを着ていたが、それでもオープンエアにそっと吹き抜ける風は、沖縄にしては随分と冷たかった。スムージーで冷えてしまった体を、おしるこで温めることにした。沖縄でおしるこというのも悪くない。栗が入って650円。お茶つき。 | |
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2002年1月30日 | |
ザ・ブセナテラス Deluxe Natural | |
喜-4 おかえりなさいませ | |
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レンタカーを借り、国道58号線を経由してブセナに到着した。正面玄関ではバレーパーキングが行なわれ、そのまま車を後にして、チェックインが行なわれるテラスへと向かった。出迎えたフロントチームリーダーは、まず「おかえりなさいませ」と声を掛け、すぐに手続きを開始した。洗練された雰囲気の男性だった。ナハテラスは小さなホテルであり、開業以来何度も利用しているので、名前と顔を覚えられても不思議ではないのだが、ブセナはまだ3度目の利用なのに、覚えていてくれた。
今回は一泊だけなので、クラブフロアは選ばなかった。また、いままで利用したことのないタイプの客室がよかったので、手頃なデラックスナチュラルタイプの客室を予約してあった。高層階をリクエストしていたところ、最上階10階の、正面に海を望む眺めのいい部屋を用意してくれた。 ナチュラルタイプの客室は、エレガントタイプよりも若干狭いことになっているが、その差は主にエントランス部分とバスルームにあり、室内の広さの差はあまり感じない。天井は他のタイプ同様3メートルあり、ベッドは125×195センチサイズのものが、ハリウッドスタイルで2台置かれている。床はフローリングで裸足にひんやりと心地よいはずだが、ところどころベトついていたのが気になった。ターンダウンサービスもなかった。 バスルームにはシャワーブースが独立し、バスタブの横には窓があって、開け放てば室内と一体化したような雰囲気で使える。バスタブはゆったりとしたサイズで、のんびりと足を伸ばして浸かれる。トイレに洗浄機能はない。バスルームは6平米あり、天井高も220センチとゆとりがある。 室内のバスルームも快適だが、宿泊客はスパも無料で利用できる。海を眺められる大浴場とサウナがあり、より開放的な入浴を楽しめる。 チェックインした頃には、館内に人影もまばらで、ゆったりとした感じだったが、夕方から団体客を中心にチェックインが相次ぎ、夜にホテル棟を見上げると、かなりの客室に明りが点いていた。夕方のソプラノサックスの生演奏が始まると、そのサウンドを聞きつけて、客室のテラスに次々とゲストが出てきて、演奏に聞き入っていた。その後も、パブリックスペースは多くのゲストで賑わっていたが、レストランはそれほど混雑をしていなかった。せっかく上質のリゾートに滞在しても、観光がメインで、夕方チェックイン、早朝チェックアウト、食事も外でという利用の仕方ではもったいないと思った。 チェックアウト時には、前回同様に、係が車を回してくれ、出発してからも、姿が見えなくなるまで手を振って見送ってくれた。たった一晩だが、内容がぎゅっと詰まった時間を過ごすことができた。 |
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2002年1月30日 午後 | |
ザ・ブセナテラス リビングルーム「マロード」 | |
楽-2 陽だまりのなかでのアフタヌーンティ | |
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ここのアフタヌーンティは1,700円。オリエント急行の食器がテーブルにセットされ、3段重ねのトロリーが運ばれてくる。サーモンとキュウリのサンドイッチ、スコーン、フィンガーケーキ4種が載っており、お茶は豊富なメニューから自由に選ぶことができる。この日は、気温が低いために窓は閉じたままだったが、日差しは強く、すこし汗ばむほどだった。輝く海を眺めながらのアフタヌーンティはまた格別だった。 | |
2002年1月30日 夜 | |
ザ・ブセナテラス ダイニングルーム「ファヌアン」 | |
喜-3 サンセット | |
サンセットの時間に合わせて予約を入れた。肝心のサンセットは、雲に邪魔されてしまったが、空の色が次第に変わってゆく様子が楽しめた。また、外が暗くなるにつれ、店内の雰囲気もだんだんと変化していった。この時間は混雑しているかと思いきや、早い時間はほとんど貸切状態だった。
メニューはコースのみで、5,000円から12,000円まで5種類ある。魚、肉両方では多すぎると思い、今回も6,000円のコースを注文した。琉球ガラスの器や盛り付けばかりでなく、エスニックにヒントを得たスパイスの使い方など、独創的な料理が楽しめる。 サービスはワインの扱いも含めてタイミングがよく、丁寧で感じがよい。ただ、「こちらはパプリカと申しまして」など、パプリカのことを知らない人には親切でも、知っている人にとってはくどく思われそうな説明の仕方が気になった。食事を終えて、店を後にするころになって、ようやく席が埋まってきた。みんな意外とのんびりしているらしい。 |
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2002年1月30日 夜 | |
ザ・ブセナテラス ファンパブ「シュガーケイン」 | |
楽-2 静かなパブ | |
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食事の後は、バーに出掛けた。このホテルにはいわゆる重厚な雰囲気のメインバーはない。パブと沖縄の古酒を扱ったクースーバーだけだ。いずれもリゾートの夜を過ごすにふさわしい、軽快な雰囲気を持っている。この店に入った時は、中年の団体客が居酒屋のように賑やかに楽しんでいた。店の雰囲気にはあまりマッチしていなかったが、それでも、賑わいを醸し出してくれていたのは、店にとって救いだった。
店には大型のテレビが置かれ、映画チャンネルを放映している。なんとか遊び心を表現しようとしているのだろが、ちょっと中途半端な感じがした。一角にはビリヤード台も置かれている。全体にもっとPOPな感じにしてもいいような気がした。 今回は、食後でおなかが一杯だったので、飲物だけでおつまみも注文しなかったが、軽い食事のメニューも用意されている。サービスは若々しいが、その団体が帰ってしまったあとは、ゲストが少なくひっそりとした雰囲気になってしまったため、その若さも活かしきれなくなってしまった。やはり、ファンパブは活気がないといけない。 |
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[ザ・ナハテラス]930130 990306 000303 000820 000923 001101 | |
Y.K.