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ホテル別インデックス
レストラン別インデックス

2002年8月13日

ザ・ナハテラス Executive Suite
喜-4 sympathy
プールに浮かぶプルメリア
沖縄に出掛けるときは、いつもピークを外して、できるだけ人の少ない時期を狙うことが多いのだが、今回は早いうちから計画を立てピークの真っ只中に予約を入れた。混雑期のブッキングには苦労するのではないかと思っていたが、1ヶ月ほど前の段階では、フライトもホテルも難なく確保できた。

夏の盛りを迎えた東京を午前中に出発し、午後の早い時間に沖縄に到着。東京も暑かったが、本当の夏は沖縄にあった。気温は大差なくても、夏らしさはまったく違っている。眩しすぎる日差しと夏の匂いは、空港を出た瞬間から感じられた。混雑する那覇市内を横切り、閑静な住宅街に入り、坂を上がりきるとナハテラスがある。空港から20分ほどのドライブだった。教会を横目に、ナハテラスの車寄せにつけると、にこやかなスタッフが扉を開けて出迎えてくれた。「こんにちは、神田様。おひさしぶりでございます。」 

このホテルで自ら名前を名乗る必要があったのは開業時だけだ。すこしはにかんだ感じの若いスタッフに導かれ、2階にあるクラブラウンジへと進む。ラウンジでは顔見知りのスタッフたちによる更に親しみのこもった出迎えを受けた。外国人の総支配人も積極的にゲストに挨拶をして回っている。さすがに暑いからだろう、テラスと館内を仕切る扉は閉じられているが、テラスへは自由に出ることができ、暑さに耐えられるならば、テラス席でチェックインをすることも可能だ。

その暑さに耐える自信がなかったので、奥のゆったりとしたソファにてチェックインを済ませ、しばらくラウンジでくつろぐことにした。このラウンジではフルサービスの朝食から、午後のケーキやクッキー、夕方のカクテルなど、きままにリビングルーム代わりに利用できる。ちょっとお腹が空いた時にはリクエストすればデニッシュペストリーなども用意してくれるなど、可能な限り要望に応えようとする姿勢を感じられるが、そのどれもが実務的ではなく、思いやりによって紡ぎ出されている印象があって非常に心地よい。

客室に入ると、荷物はあらかじめ客室に上げてあり、テーブルにはウェルカムフルーツが用意されている。彩豊かな南国らしいフルーツはあらかじめカットしてあるので、すぐに気軽につまめるのがうれしい。今回の客室はエグゼクティブスイート。このエグゼクティブスイートには、形とレイアウトの異なる2種類のタイプがあるが、50平米という広さや室内の設備はほとんど同じだ。

一番の違いは窓の形状で、三角形に大きく張り出したタイプと、雁行しているタイプとに分かれる。今回は後者のタイプで、窓からは那覇の町並みやプールを見下ろすことができる。扉を開けると正面にコンソールがあり、室内の様子は見えないようになっている。室内はベッドスペース、リビングスペース、バスルームと大きく3つのスペースに分かれているが、続き部屋にはなっておらず、ワンルームタイプのスイートだ。

リビングスペースには大きなソファセットと窓際に配置された対面式のデスク、そしてミニバーやテレビを収納したキャビネットがある。ベッドスペースには120センチ幅のベッドが窓の方を向いて2台並び、窓のルーバーを開け放っておけば、一日中どの時間帯でもベッドにいながらにして素晴らしい景色を眺めることができる。特に晴天の日に見上げる青空は格別だ。

そして総大理石仕上げの特徴あるバスルームは、扉のない開放的なシャワーブースを備え、斜めに配置されたバスタブ、扉で仕切られた個室のトイレ、シングルながら広々としたベイシンなど、バスタイムをゆっくりと楽しむための特別なデザインが施されている。入口の引き戸とバスタブ脇のルーバーを共に開放すれば、室内と一体化したような開放感が得られ、好みのドリンクを用意してバスタブに浸かりながら本を読んだりと、長い時間過ごすには最適なレイアウトだ。

一時期水圧が低下していたバスタブのカランも、開業当時の勢いに戻り、凄まじい勢いで湯を張ることが可能だ。その所要時間は2分と掛からない。バブルバスを投入してお湯を張ると、まるでクリームソーダのように細かい泡がバスタブの上に白い山を作るほど。アメニティは洒落たキルティングのポーチにまとめられており、もちろんバスローブも備えるので、バスタイム後の余韻も十分に楽しめる。

今回は混雑する海沿いのリゾートは敢えて避け、ナハテラスにだけ4泊した。滞在中は無料のシャトルバスでブセナテラスに行って、ブセナのビーチやスパを利用することも可能だが、それさえもしなかった。しかし、さすがに5日間も小さなホテル内だけで過ごすのは退屈してしまう。夜に涼しくなってから、国際通り付近まで出て辺りを散策してみたり、レンタカーを借りてそれほど遠くないところを廻ってみたりして過ごした。

クラブラウンジには沖縄の地元情報誌が揃っているが、ゲストリレーションズのスタッフにオフの日はどの辺で遊んでいるのかとオススメを尋ね、それを参考にいくつかのスポットに出掛けた。みんなはコザ、砂辺のほか、最近は知念によく行くという。そこには美しい海と、のどかな風景、そして小さなカフェがあった。車の数も多くなく、のんびりとドライブをするにはピッタリの環境だった。

そして、外出から戻りクラブラウンジに出向くと、ちょっと心配そうに「いかがでしたか?」と尋ねるスタッフ。どんな風に楽しかったかを報告すると、表情をやわらげ自分のことのように喜んでくれる、そんな自然で気取りのないふれあいが、このホテルを象徴している。4日間ともほぼ満室だったが、清掃、サービスともにいつでもきちんとしたものを提供してくれた。それらすべてに気持ちがこもっていることが、何よりも素晴らしい。

ワイドな窓が印象的 ファニチャーはリゾートらしいもの

ウェルカムフルーツ 窓際のライティングデスク

ベッドは120センチ幅2台 ナイトテーブル

ベッドボードの裏はバスルーム 大理石に囲まれたバスタブ

バスローブの掛け方はリージェント以来変わらない バスマットと入浴剤

トイレの灰皿 ベイシンのグラスと肌に水分を補給するスプレー

窓から望む東シナ海 夕暮れは特に美しい

客室入口 エレベータホール

クラブラウンジ内 ラウンジのランプ

ラウンジでの朝食セッティング ラウンジのテラス

プールを見下ろす 水面に教会が映る

プールサイドから「マロード」を見下ろす にゃんこも暑そう

2002年8月13日 夜
ザ・ナハテラス 日本料理「真南風」
喜-3 海ぶどう
真南風店内
沖縄の友人をホテルに招いて一緒に食事をした。これもまた沖縄に出掛ける楽しみの一つ。ナハテラスでは時折「トライアングルメ」と名付けられたレストランフェアを行っている。日本料理、西洋料理、鉄板焼、それぞれの店でディナーに5,000円という手頃な料金のコースが用意される。内容的にも季節感のあるメニュー構成で、ワンドリンクも付きお得だ。このトライアングルメのメニューを注文した。

そして、海ぶどうを別に注文。メニューには記載されていないが、入荷がある限り置いているという。空港などでお土産用に売っている海ぶどうは、鮮度が悪いことが多く、色もなんとなく褪せている。しかし、ここで出される海ぶどうは鮮やかな黄緑色で、口に含むとプチプチと心地よい舌触りが楽しめる。味にもえぐみがなく、さわやかな海の味がした。

料理は適度なタイミングで提供され、盛り付けにも注意を払った本格的なもの。日本料理の食材にはあまり恵まれない沖縄では屈指の料理を提供している店だけあって、内容的にも満足の行くものだった。価格を考えると、その満足度は一層高くなる。サービスもよく行き届いていた。

ぷちぷち海ブドウ 真南風外観
2002年8月14日 昼
ザ・ナハテラス オールディダイニング「ファヌアン」
楽-3 星の砂みたいなパン
ファヌアン
充実のランチブッフェの人気は高まっているようで、昼間はいつでも賑わいを見せるようになったそうだ。バラエティ豊かなオードブルをはじめ、デザートも手抜きなくしっかりと作られているものが、惜しげもなくダイナミックに並べられているブッフェに加えスープかサラダ、シェフによって美しく仕上げられたメインディッシュも付くのだからボリュームたっぷりでお得感がある。パンはリージェント沖縄時代から変わらない十字にクロスしたカタチのものが今でも提供されている。

いつも混むようになったのはうれしいことだが、サービスはやや未熟さを感じさせる部分があった。アルバイトの若い従業員を多用するのは仕方のないことだが、皿の出し方や下げ方、基本的な立ち居振る舞いに関しては、早い段階で徹底的に教育してほしい。見ている方が危なっかしいと感じる場面も少なくなかった。それも、一人や二人の話ではなく、ぎこちないサービスをしている方が多いくらいだった。黒服がフォローはしているが、尻拭いはほどほどに、きちんと教えるという体制を整えてもらいたいものだ。

ディナータイムにも利用したが、昼の賑わいとは打って変わり静かだった。時期が時期だけに客足もまばらなのかもしれないが、ちょっと寂しい気がした。サービスも夜の方がずっと落ち着いている。照明を落とした店内は大人の雰囲気。リゾートの長い夜を楽しむには、こんな空間でのディナーもいいものだ。せっかく沖縄に来て、せっかくよそとは違う雰囲気のホテルに滞在するのだったら、こんなディナーから始めてみるというのもどうだろう。また違った思い出を作ってくれるかもしれない。

店内 テラス

2000円ランチにつくメインディッシュ リージェントから変わらないパン

2002年8月14日 夜
ザ・ナハテラス 鉄板焼「龍譚」
喜-2 クブシミ
トライアングルメ5,000円コースを注文。ディナータイムに鉄板焼の店で5,000円だなんて、普通はちょっと恐ろしくて躊躇してしまう。安すぎるというのも、かえって不安を感じさせるものだ。もちろん、牛フィレは輸入ものだろう。それ以外にも夏野菜と沖縄近海で水揚げされたクブシミ(紋甲イカ)など、あれこれとオマケが付いているし、ワンドリンク付きなのだ。しかも、税・サ込み。

ホテルは満室なのに、レストランはガラガラで気の毒なだと思いつつ入ったこの店も貸切状態だった。にもかかわらずこんなにケチで財布の紐が堅い客が相手じゃ、焼き手にも熱が入らないだろうと思いきや、とても親切で感じのよいサービスをしてくれた。「龍譚」は、プールサイドを抜けた先の別棟に位置している。中庭を囲んでコの字型を描いた建物は、ホテル内にいることを忘れさせてくれるような開放的な空間だ。古い泡盛をあおりながら、ゆっくりと時間を掛けて料理を味わってみたい気分になってくる。

2002年8月15日 午後
ザ・ナハテラス リビングルーム「マロード」
楽-2 ゲストの行方
夜、外からホテルを見上げると、見事にほとんどの客室にライトが点り、まさに満室状態だということがうかがい知れるが、日中の館内ではそれほど滞在客を見かけることはない。シーズン真っ盛りのプールでさえ、混雑している様子はなかった。著名なロックスターがプールに半身を浸からせながらゆっくりとウォーキングしていても、彼に気付いている人の方が少ないようだった。ゲストたちは何処へいってしまったのだろう。午後のナハテラスは本当に静かだった。まるで遥か遠い国の島に来たかのように、ゆるやかな時間が流れている。

クラブラウンジを利用すれば、ケーキや飲み物などを無料で楽しめるが、たまには気分を変えてロビー脇の「マロード」に行ってみるのもいい。お気に入りのスムージーや冷たいシャーベットなどで気分をスッキリさせたり、ただなんとなくのんびりしてみたり。気ままな時間が流れてゆく空間だ。夕方からはピアノの生演奏が始まる。いつも若い女性のピアニストだが、レパートリーが豊富な上、即興的にさらりと雰囲気で演奏している曲がなかなかいい感じ。チャージは無料だ。

マロードを見下ろす マロードのテラス
2002年8月16日 昼
「浜辺の茶屋」
楽-2 波と風の声
浜辺の茶屋入口
近頃、沖縄では癒し系のカフェ流行っているらしい。大自然と溶け合うロケーションに点在するカフェは、観光客のみならず、地元の若者たちにも人気があるそうだ。ナハテラスのゲストリレーションに薦められた「浜辺の茶屋」は、本島ではとりわけ美しいと評判の新原ビーチに程近い海岸沿いに位置し、海に張り出したロッジ風の建物だ。開け放たれた窓から感じるのは、たった今海から渡ってきた風の感触と波の音。外があまりにまぶしく輝いているので、店内が暗く思えるほど。そしてとても涼やかだった。この辺りには街のノイズも届かない。ただひたすら波や風の音に耳を傾けるだけ。そんな贅沢な時間を味わえる。店の脇にある階段を下りればビーチに出ることも可能。コーヒー1杯から気軽に立ち寄れる店なので、客層も若者から老夫婦までさまざま。みんな優しい顔をしていた。

浜辺の茶屋

店内の窓から見る海 浜辺におりて店を見上げる

ゆっくりと喉を潤す 夏の海はひときわあざやかだ

2002年8月16日 昼
アジアン・ハーブレストラン「カフェ くるくま」
楽-1 高台からの絶景
レジの象
知念村の海岸線から少し高台に上がったところに、ウコンなどの健康食品を扱う会社「仲善」の広大な敷地がある。ハーブガーデンや製品工場などが並ぶ敷地の一角、美しい海を見下ろす絶景ポイントに、アジアン料理を提供する「カフェ くるくま」が建っている。周辺は実にのどかな環境だが、店の近くまで来ると、このカフェを目当てに訪れている人の多さに驚かされた。駐車場には礼儀正しい警備員を配置しているほど。店は行列が出来ており、人数を告げておくと、空席が出来次第携帯電話に電話をしてくれる。

待っている間は、ハーブガーデンを見たり、庭先から望む海の景色を眺めたりして待てば、退屈することもないだろう。店内は想像していたよりも、垢抜けない印象だった。やはり観光施設という感じだろうか。ロマンチックなロケーションを想像して出掛けると、少々肩透かしを食らうかもしれない。どちらかというと、仲間同士やファミリーで観光の途中に気軽に立ち寄るという感じだ。料理も荒削りながら豪快。味にうるさい人には向いていない。

ボリューム満点 店先の庭

海を見下ろすテラス テラスからの風景

[ザ・ナハテラス]930130 990306 000303 000820 000923 001101 020127

Y.K.