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2002年9月15日 昼
ロイヤルパークホテル 鉄板焼「すみだ」
哀-4 ご飯をよそう
ふと鉄板焼が食べたくなり、ロイヤルパークホテルに立ち寄って20階にある「すみだ」に向かった。この日は日曜日でもあり、敬老の日でもあったので、多くの家族連れで賑わっていた。週末のランチタイムには、ブッフェ台から好みの食材を取ってきて、鉄板焼職人に焼いてもらうというユニークなブッフェを行っている。それも面白そうだと思ったが、やはり食べ放題だけあって、肉の質はそれなりのものでしかない。みんなで楽しく食べるならいいだろうが、たまには肉でも食べてパワーをつけようという用向きには役不足だと思った。

メニューを一通り眺めると、このシーズンは米沢牛のプロモーションを行っていたので、15,000円のコースを注文した。もずく酢、甘エビの寒天寄せ、片口鰈の油かけ、キスのチリソースと和洋折衷の前菜が続き、米沢のサーロイン180グラム、菊の花と舞茸の天ぷらが提供される。締めくくりの食事は、山形のはえぬきを炊き上げた白米だ。期待をしていたが、これが最悪だった。

まず、茶碗に入ったご飯はしゃもじで押しつぶされ、茶碗のふちにまでご飯粒がべったりと付いたまま運ばれてきた。ご飯を「よそう」という言葉は、身なりを整えるという意味の「装う」と語源が同じだ。丹精込めて作られた米を丁寧に炊き上げ、心を込めて茶碗によそう。それが当たり前だ。田から生まれた宝石を、粗末に扱うようでは、料理人として失格であり、それを平気で運んでくるサービス人もまた失格ではないか。添えられた漬物もまた、誰かの食べ残しのように乱れた盛り付けであった。目の前に出された茶碗と漬物の小皿から、この店の心が透かして見えた。大変ガッカリした。マネージャーに感じたままを伝えると、大いに反省した素振りを見せてはいたが、それこそ上辺での言葉にしか聞こえてこなかった。

デザートは別のコーナーに席を移し、そこに運ばれてくる。先ほどのご飯の盛り付けのお詫びだと、マネージャーはカットメロンを持ってきた。別段高級なマスクメロンというわけでもない。こんなもの出さない方が、まだ信頼を保てるだろうに。その上、もともとコースについているはずの、巨峰シャーベットは結局出てこなかった。つまり、巨峰シャーベットは、安物メロンに化けてしまったというわけだ。どちらかというと、巨峰シャーベットの方が興味深かったのに。

[ロイヤルパークホテル] 920608 950502 950604 990327 990808 000809 010125 010713

Y.K.