この料金では・・・
2006.03.10(金)
ホテルオークラ東京 Superior Twin Room
Hotel Okura Tokyo
哀-5

別館スーペリアルーム オークラの宿泊予約課には以前より信頼を置いている若いスタッフがおり、彼を通して宿泊の手配をすることが少なくない。だが、今回は滞在時間が短いことがわかっていたこともあり、料金的に手頃なネットから予約を入れ、部屋に関するリクエストについてのみ、彼に直接頼む方法をとった。部屋に到着してみると、頼んだことはすべて実現されているばかりか、本館シャワーブース付きのプール側という好条件の部屋を用意してくれていた。

しかし、大切なことを伝え忘れていた。それは、コネクティングルームは勘弁して欲しいということ。せっかく用意してもらった好条件の部屋はとても魅力的だったが、ベッドのすぐ脇という一番あって欲しくない位置にコネクティングドアがあって、しかも現実に隣室が騒がしいという状況は耐え難かった。この日は年に一度のリサイタル。必死で準備を進めてきて、地獄のような日々からやっと開放された記念すべき一夜だった。この日ばかりはどうしても静かに過ごしたかった。

せっかくよい部屋を用意してくれたのに申し訳ないと思いつつも、フロントに電話を入れて、部屋を替えてくれるよう頼んだ。その理由もきちんと説明したのだが、帰ってきた返事はこうだった。「今回ご利用の料金では、そういったご要望にはお応えできません。」

頼みを聞き入れられない理由として、料金のことを持ち出されたのは初めての経験だった。なにも、もっと広い部屋にしてくれとか、特別フロアの部屋にしてくれと理不尽な頼みをしているわけではない。隣室が騒々しいから部屋を移りたいと申し出ているのだ。それはワガママとは違う。どの客にも隣室から迷惑を被ることなく快適に過ごす権利はある。それは宿泊料金とは関係ないはずだ。

フロント係の言葉は「こんな安い値段で泊まっている客の要望など聞きませんよ」と言っているかのように聞こえた。だが、ああそうですかと引き下がるわけにはいかない。とにかく隣はうるさいのだから。重ねて頼むと、「今回に限り」とルームチェンジに応じた。希望は叶ったが、なんとも後味が悪い。そして、オークラのイメージは限りなく失墜した。

新たに用意された部屋は別館のスーペリアルームだった。40平米で、ベッドはハリウッドツイン。窓際にはソファもある。スペースにゆとりがあって、何よりも静かなのが嬉しい。デスクは広いが、テレビはやや小さい。バスルームは蛍光灯の明かりがまぶしいほどだが、シャワー圧は最高レベルで、バスタブ脇の段も広く取ってあって快適だった。

本館5階メインロビーには、立派な桜が飾られていた。卒業式の親子や老夫婦などが、ひっきりなしに記念のスナップ写真を撮っていた。出発の際は、手際といい見送りの姿勢といい申し分なかった。世界にも誇れるような素晴らしい部分もたくさんあるのに、妙にせこいところがたくさんある。オークラ自体が、頑固な老人になってしまったようだ。

 
デスク周辺 ベッドとナイトランプ サッシ引き戸付きバスタブ
 
ホテルオークラ東京 960915 981114 990807 990814 990906 991018 991030 000415 000503 000609 011103 011216 020601 030526 030528 030925 031016 031017 031127 031220 040515 040525 040823 050825


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