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リーガロイヤルホテル Deluxe Twin Room | |
Rihga Royal Hotel | 2010.08.10(火) |
大阪市北区 | 哀-1 |
ARCHIVES ・ 1992 |
特別階以外はどうでもいいのか かつては西の迎賓館と謳われたロイヤルホテル。大阪にも外資系高級ホテルや東京の名門ホテルが名を連ねるようになり、孤高の存在とは言えなくなったものの、やはり一目置かれる存在であることには変わりない。 千に近い客室があり、最大級の宴会場やバラエティに富んだレストランやショップを持つ大型ホテルには、いつも多くの人々が行き交っている。 大阪駅とホテルを結ぶシャトルバスを頻繁に運行することで、駅から遠いという立地条件を補っていたが、京阪の中之島駅が開業したことで、アクセスの利便性がまた一歩向上した。川沿いというロケーションも、水の都・大阪にふさわしい雰囲気を醸している。 ホテルの客室棟は、ウエストウイングとタワーウイングに分かれており、より高層の方がタワーウイングである。1973年にタワーウイングができるまでは、ウェストウィングが本館だった。同時期にホテル名を「大阪ロイヤルホテル」から「ロイヤルホテル」に変更している。 タワーウイングは30階建てで、一般客室のほかに、ナチュラルコンフォートタワーズ、プレジデンシャルタワーズと名付けられた2種類の異なる特別フロア、そして国賓クラス専用のロイヤルスイートなど、多岐にわたる客室を備えている。 外部から館内へのアクセスは、車寄せのある正面玄関の他に、シャトルバスが発着する東玄関、グランキューブ連絡口、京阪中之島駅地下連絡口など、多数の出入り口がある。 正面玄関を入ると、広々としたメインロビーがあり、芝のようなグリーンのカーペットと、特徴のある柄の入った木目の柱が、都会の森林をイメージさせる。 そのまままっすぐ進めば、脇にフロントカウンターがあり、その奥にはショッピングアーケード「パレロイヤル」への大階段が目に入る。 さらに奥へと進めば、ロイヤルホテルを象徴するロビーラウンジ「メインラウンジ」へと至る。2層吹き抜けの空間は、蒔絵の柱や紫雲をイメージした照明に彩られ、一面の大ウィンドーの外には鮮やかな緑が茂る庭園が広がっている。 庭園には苔むして風情を深めた滝が流れ落ち、ここだけが別世界のように感じさせてくれる。店内には石組から湧き出た水がせせらぎとなり、滝壺のある池に注ぎ込むかのような演出が施され、ラウンジ自体が自然の中にあるかのような雰囲気だ。 紫雲の照明器具は、しみじみ見れば見るほど興味深い。それぞれの「雲」は微妙に色合いが異なっており、それらが重なり合うような立体感を生み出している。 ディテールを見ると、ガラス部品が金具で固定されて吊り下がっていることがわかるが、一部に赤いものや青いものが含まれ、その割合で色のニュアンスが違って見えるようだ。 一方、ウエストウイングには、かつてメインロビーだった場所が、西ロビーとして今も残されている。メインロビーと同じ意匠の柱があるが、カーペットの趣きがずいぶんと違う。 ウエストロビー中央は吹き抜けになっており、「楽人(がくじん)のシャンデリア」が下がっている。これは、ロイヤルホテルの前身である新大阪ホテルが1935年に開業した当時、大宴会場で使われていたシャンデリアだという。その後は関電ホールに移されていたらしいが、開業75周年を記念して里帰りが実現したとのこと。 吹き上がる泉をイメージした中央部分の下にあるシェードには、楽器を奏でたり歌い踊っている4体のブロンズ像が載っている。時を経ても、美しい輝きを楽しませてくれる品だ。 チェックインは、特別階の宿泊をのぞき、タワーウイングルームもウエストウイングルームも、メインロビーにあるフロントカウンターで行われる。係の礼儀正しさは模範的。いかにもホテルマンらしい雰囲気が感じられ、こちらも襟を正したくなる。 タワーウイングのエレベータは10基。プレジデンシャルタワーズのフロアへは専用キーによる操作が必要で、ナチュラルコンフォートタワーズのフロアは、各エレベータホールに扉を設けてセキュリティ対策を講じている。その他のフロアへ行くには、特に制限はない。 今回利用した客室はタワーウイングのデラックスツインルーム。このホテルは、フロアプランが単純ではない。たとえば、このデラックスツインのあるところは、窓3つ分のスパンに2室という配置で、L字型の客室が2室で組をなしている格好。そのため、一方の部屋は窓が2面あり、もう一方は1面となっている。 最初は窓2面のタイプにアサインされたが、タバコ臭かったためにルームチェンジを希望。次に用意されたのは窓1面のタイプだった。比べてみると、やはり窓が多いタイプの方が、明るく過ごしやすいように感じた。 いずれも面積は40平米程度だろうか。内装は早稲田と同じく、ジョン・グラハムによるもの。ヨーロピアンクラシックが基調だが、一部に似合わない家具も使われている。 ベッドは120センチ幅。ツインベッドだが、いずれも下にベッドの入ったスタッキング仕様なので、マットレスの厚さは15センチしかない。チェックイン時には、デュベがむき出しのセッティングだったので、自らカバーを取りだしてメイクし直したところ、少しは上品に見えるようになった。 ベッドは居室の奥に並び、窓側はリビングスペースになっている。部屋の中央には四角いテーブルを囲んだシッティングスペースがあり、壁面にはクローゼットとテレビキャビネットが並んでいる。バゲージ台は、ベッドの前にあって、下段の引き出しにはバスローブが入っている。 シッティングスペースにあるふたつのアームチェアは、この内装とはマッチしていない。おそらく当初のものと入れ替えたのだと思われるが、おかしいとは思わないのだろうか。とても不思議だ。 照明は、スタンド類が3つに、天井のシーリングが加わる。シーリングを点ければ、明るいには明るいがムードがない。かといって、スタンドだけだとやや物足りない。 天井の高さは260センチ。高級ホテルとしては低い部類に入るだろうが、建物自体が古いので、こればかりは仕方がない。壁紙は単調で、ファブリックにもだいぶ傷んだところが目立っている。 カーテンは、レース、ドレープ、飾りドレープの3枚レイヤー。窓台には空調の吹き出し口がある。デスクは窓に向かってというか、カーテンに向かって置いてある。デスクトップにはガラスが載せてあるが、その内側がひどく汚れて曇っているのが気になった。 また、レースカーテンは洗濯機で洗ったのか、あまりにしわくちゃでみっともない。特別階ばかりに気合いを入れて、一般客室をないがしろにしていると感じられてもいいのだろうか。 テレビは32インチの液晶。脇には急須付きの茶セットがある。テレビ下には冷蔵庫があり、各種飲みものが用意され、無料のミネラルウォーターもある。 窓はさほど大きくないが、西側を望む部屋からは夕景が美しく見えた。ただ、昼間は雑然としたビルの眺めで、あまり面白くない。 バスルームは、180×270センチサイズ。ベイシンは天然石を使っており、天端には十分な空きスペースがある。 トイレを挟んで反対側にバスタブがある。床と壁面には大理石を使っており、バスタブの周囲も別の種類の大理石で仕上げている。シャワーブースはない。 バスアメニティは、リーガロイヤル共通のグリーンのパッケージが印象的。シャンプーやソープは汎用品だが、入浴剤や男性用化粧品など、細かいアイテムも加わり、品揃えは多い。 朝食は「なだ万」で和朝食を。無難な内容で、特に感心するようなことはなく、サービスも印象には残らなかった。 全体の印象としては、プレジデンシャルタワーズのいたせりつくせり感と比較して、「とても同じホテルとは思えない」という実感になってしまった。グレードによって差を付けるのは結構だが、あまりに格差があると、同じホテルである意味が薄れるので、全体の底上げを望む。 |
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