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ホテル阪急インターナショナル Superior Twin Room  
Hotel Hankyu International 2010.08.09(月)
大阪市北区 楽-3

アトリウムロビー

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阪急のフラッグシップホテル


贅を尽くしたホテル。その観点において、ホテル阪急インターナショナルは、関西ではもちろん、全国的に見ても上位に名を連ねることだろう。だが、贅を尽くすことと、高級ホテルとして優れていることとは、まったく意味が違う。さらにいえば、ホテルとして優れていないのに、施設だけは立派であることほどみっともないことはない。

残念ながら、ホテル阪急インターナショナルは、一時期そのような状態にあった。客室はひどく汚れ、あまりにひどいサービスに憤慨することも珍しくなかったのである。だが、そんな不幸な時代は去り、この絢爛たるホテルは、ふたたび威光を放ち始めたところだ。

その一方で、阪急という会社のすることはよくわからない。関西を中心に、各地で数多くのホテルを展開しており、合併した阪神や第一ホテルを加えると、けっこうな数を抱える大きなチェーンであるが、特色があいまいなのである。

まず、カテゴリー分けが悪い。ラグジュアリークラスである阪急インターナショナルと第一ホテル東京は、もっと明確で特別な位置づけをした方がいい。つまり「別格」をもっとアピールするのである。今のごちゃまぜのチェーン展開では、阪急インターナショナルもアワーズインも大差ないようにも受け取れ、双方にいいことはない。

また、阪急インターナショナルと第一ホテル東京は、世界に名の通った外資系チェーンと提携した方がいい。例えば、ウォルドルフアストリアやラッフルズ、プラザアテネのようなブランドであれば、イメージの方向性にも重なる部分が多いように思う。

まあ、夢物語はこのくらいにしよう。阪急インターナショナルへのアクセスは、新大阪駅や伊丹空港からならタクシーが便利だが、大阪駅からだとタクシーに乗るには近すぎて嫌がられるし、かといって、徒歩となると雑踏の中を歩かなければならいのが難点だ。

外観

ホテルのある「ちゃやまちアプローズ」は、他にオフィスや劇場などを備えた複合施設。建物はとても立派に造られており、外観意匠もユニークであるため、ランドマークにもなっている。

ホテルのエントランスは宿泊用、宴会用とわかれており、いずれも車寄せは2階にある。徒歩の場合には、1階のエントランスから入り、エスカレータでフロントのある2階へあがると、レストランの並ぶロビーに出る。

宿泊のフロントロビーは、エクスクルーシブな造りになっているため、場所が少々わかりにくい。高層階レストランのメニューが並んでいる細い通路の前に、小さな案内表示が出ているが、初めての来館ではそれすら見つけにくいだろう。

ロビーの一角

フロントロビーは西洋の古城や寺院のように重厚で壮麗な雰囲気。すべてが装飾的だが、調和がとれており、見栄えがいい。

ロビーの花とシャンデリア

中央には大きなフラワーアレンジメントとクリスタルシャンデリアがあり、丸く盛り上がった天井には、支柱上部から発せられる多数の間接照明が当たり、うっすらと輝いて美しい。

フロントレセプションは、このロビーの最も奥にあり、どっしりとした大理石造りのカウンターが印象的だ。チェックイン手続きはスムーズに行われ、紫色のコスチュームを着たベルアテンダントに部屋まで案内された。

客室階へのエレベータホール

石造りのエレベータホールは、フロントロビーとレストランロビーを結ぶ通路の途中にある。エレベータは3基あり、カゴの内部も豪華だ。

客室階廊下

客室階は落ち着いた雰囲気。廊下の片側はアトリウムに面しており、磨りガラスを透過してくる光の色が、時間帯によって変化する。

ツインルーム

今回利用したのは42平米のスーペリアツインルーム。全168室のうち、80室を占める標準タイプの客室である。客室の造りはたいへん立派で、細部にまで吟味された内装が施されており、洗練された高級感が漂う。

ツインルーム

家具はいずれもアメリカンサイズの大型。ベッド幅はそれぞれ140センチあり、サータ製のマットレスとホワイトグースのデュベを使い、快適な寝心地だ。以前のように、ベッドの下にくさい靴下やコーラの空き缶が落ちていることもない。バスルーム側の壁に取り付けられた円形のミラーが効果的。壁紙はブルー掛かったグレーで、天井の繰型装飾と共に上品さを感じさせる。

ツインルーム

デスクは独立型で、壁に向かって設置。イスはレザー張りで、肘掛のないタイプ。同じものがキャビネットを挟んで反対側にも置いてある。以前は、デスクが窓向きの置かれ、対面してイスをセットしてあったように記憶している。

キャビネットの中

キャビネットの上には大型液晶テレビが載っている。かつては、キャビネット内にブラウン管テレビとともにオーディオ機器を設置していたが、今そこにはティーセットと湯沸かしポットがある。

そういえば、丸いミラーは以前このキャビネットの上に掛かっていたし、デスクのところにあった額はベッドの上に移動している。今ミラーがあるところに掛かっていた額は、デスクの前に移っている。同じ備品でも、配置を変えて活用しているようだ。

冷蔵庫

キャビネット内には冷蔵庫もある。各種飲みものが揃っている他、タンブラーが冷やしてある。他に14本のミニボトルリカーや、カットの入ったロックグラスとブランデーグラスを備えている。

ひきだし

また、同じキャビネット内は収納も兼ねており、6段もの引き出しが用意されているのが便利。キャビネットは開業以来の品だが、まだ状態はいい。

オーディオ

テレビの脇にはオーディオがあり、CDとラジオを楽しむことができる。DVDプレイヤーは、1泊2,100円で貸し出しているが、このクラスのホテルなら全室に標準装備してほしいところだ。

窓からの眺め

窓際には、ゆったりとした大きなソファがひとつと、多機能のマッサージチェアが置いてある。窓からは大阪市内の都会的な景観が広がる。

クローゼット内

入口ホワイエには、十分な収納スペースが用意されている。両開きで中が見やすいクローゼットの他、大きなトランクも入るスペースもある。クローゼット扉にも重みがあって立派な印象だ。

大理石造りのバスルームは広くて快適。ホワイエからは両開きのフレンチドアで通じている。正面にはカラーマーブルのトップを持つベイシンがあり、カバーを掛けたスツールが添えられ、ドレッサーの役目も合わせ持つ。

ベイシン

ベイシン両脇には引き出しがあり、バスアメニティは両脇の棚に、男女別のセレクトでまとめられている。それらのアイテムには、残念ながらこれといって気を引くものはなく、むしろ面白みに欠ける印象だ。

バスアメニティ

バスタブはハンドレスト付きの大型サイズ。大理石に囲まれており、シャワーカーテンはない。ハンドシャワーが取り付けられているが、ホースが安普請なのが残念。

バスタブ

バスタブからベイシンを挟んだ位置には、ガラス張りシャワーブースとトイレがある。トイレには扉はない。

シャワーブースとトイレ

シャワーブース内は広々しているが、固定式シャワーしかないので、使いにくいと感じる人もいるだろう。ハンドシャワーはバスタブにあるが、シャワーカーテンがないので、派手にシャワーを浴びるのはむずかしい。

シャワーヘッド

タオルは豊富に用意され、バスローブもある。給湯のスピードやシャワーの圧にも申し分なく、居心地のいいバスルームだった。

館内には10軒のレストラン・バーがあり、168室のホテルとしては非常に充実した料飲施設を備えているといえる。低層階には気軽に入れる店を中心に、そして25階には高級店とスカイラウンジを配置し、幅広いニーズに応じている。

25階のアトリウムロビーは、コンサバトリーのようなユニークな空間である。以前は、レストラン予約客だけのエクスクルーシブな場所であることを強調していたが、特に入場をチェックしているわけではなく、ふらりと立ち寄っても何ら問題はない。

アトリウムロビー

アトリウムの中心には黄金に輝くモザイクのオーブがあり、それを支える花状の皿からは水が滴り落ちている。下部は旧跡の泉を思わせる造り。周囲にはソファやオブジェなどが配置され、ここで食後の余韻を楽しんだりする他、宿泊中の気分転換の場にも好都合だ。

アトリウムロビー

ダイナミックな屋根を持つ天井には、曇りガラスが格子状にはめ込まれ、時間によって色が変化する。また、アトリウム周囲のエレベータホールや各レストランも、凝った造りをしており、一見の価値がある。

アトリウムの天井

フロントロビーの一角には、ライブラリーが設けられている。蔵書の内容は、一部の人の興味しか引かないだろうと思われるが、スパイシーなポプリが香る空間は、なかなか興味深い。だが、手入れが悪いのか、あちこちにほころびが見えるのが残念だった。

ライブラリー

それぞれのレストラン・バーは、比較的規模の小さな店が多いが、カフェレストラン「ナイト&デイ」だけはスケール感のある造りをしている。2層吹き抜けで、片側が一面の窓になっており、外には噴水が見え、アクティブで楽しい雰囲気の店。観劇の前後利用などにも便利だろう。

コーヒーショップ

他に、「一宝」の天ぷらを食べた。インテリアはやや風変わりな印象もあったが、味はいい。老舗らしく、職人気質が感じられる良店だった。

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ホテル阪急インターナショナル

このホテルに関する過去のレビュー

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