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2005.03.14.(月)

ホテル阪急インターナショナル Senior Suite
Hotel Hankyu International
哀-3 全面改装
ソファの生地
「客室の全面改装に着手」とか、「客室リニューアル記念」という言葉をあちこちで目にしたので、実際どのように変わったのかを確かめたいと思って予約を入れた。これまでメンテナンスの悪さこそ気になっていたが、高度なデザインセンスと、質感を極めたインテリアに彩られた、傑作の客室だと思っていたので、下手に弄くり回して下品になってやしないかが心配だった。しかし、その不安は意外な形で晴らされた。

タクシーで正面玄関に到着すると、新しいユニフォームを着たドアマンが颯爽と出迎え、ベルアテンダント、そしてフロントへとテンポよく引き継がれる。その連携はいつもながら見事だ。美しく品のいいロビーには、十分なスタッフが揃っている。だが、チェックインを担当したフロント係の印象は今ひとつだった。振舞いはだらしない感じで、手続きの間、ほとんど客の顔を見ない。改装済みの禁煙室を指定して予約したが、その確認もなかった。

それにしても、最近は、チェックイン時のレジストレーションカードへの記入に疑問を感じることがある。電話で名前と連絡先だけを伝えて予約したなら、もちろん記入が必要だろうが、オンライン予約の場合、予約時に生年月日や勤務先の情報まで、事細かに入力させる場合もあるにもかかわらず、それがレジストレーションカードに反映されることは少なく、毎度一から十まで記入させられるのはなぜだろう。ここでも、一から記入する必要があった。

ベルアテンダントに案内された客室は、31階のスーペリアルームだった。喫煙室だし、見たところ改装されたという形跡は見当たらない。係に尋ねてみると、LANを設置したことと、一部のベッドをテンピュール製のものにしただけだとのこと。それを全面改装というのだろうか。この感覚では、テレビを入れ替えただけでも全面改装だと触れ回りかねない。まあ、下手な改装をされるよりは、これまで通りでよかったと、胸をなでおろすことに。

しみじみ見ても壁紙ひとつ新しくはなっていないが、若干汚れが落ちているような気もする。しかし、アメニティはより安っぽく、バスローブやタオルもヨレヨレであるなど、最高級ホテルを標榜するにはお粗末な印象。そうこうしているうちに、上から尋常でない騒音が聞こえて来たので、自ら様子を見に上のフロアへ。すると、真上の部屋と他の部屋とが扉を開け放ったまま、子供たちやその母親たちが近所の公園さながら大騒ぎして遊んでいる。これはたまらないと思い、すぐさまルームチェンジを依頼した。

新しく用意された客室は最上階のシニアスイート。最上階には高級スイートが集中しているが、廊下の内装には変化がない。建物のデザイン上、他のフロアよりも窓が引っ込んでいるので、その分、客室入口から窓までの奥行きが短い。室内はリビングルーム、ベッドルーム、バスルームの3室に分けられ、それぞれは狭いが、いずれにもレギュラールームよりも一層グレードの高い建材や家具が使われている。

たとえばリビングのソファに使われるファブリックや、テーブルの木材など、さりげないところに圧倒的な存在感が光る。石細工のランプスタンドや軽やかなドレープも興味深い。ベッドルームにはキングサイズベッド1台と、ソファ、テレビキャビネットというシンプルな設えで、大きな額とフレンチドアがよいアクセントになっている。

バスルームは基本的な設備は標準客室とさほど変わらない。石も同じ色の大理石を使っているか、そのクオリティには大差があった。一枚の面積が大きく、見事に柄が一致している。浴室金具もグレードアップし、アメニティも一部増えていたが、ヨレヨレタオルはここでも使われていた。居室の天井に埃が付着して黒ずんでいたり、窓台が汚れているなど、せっかくの豪華な室内も手入れの悪さに泣いている。落ちぶれ度は幕張のマンハッタン並みだ。

リビングルーム リビングのソファ

リビングの窓側から入口を見る デスクからリビング奥を見る

フレンチドアの向こうがベッドルーム 大理石のバスルーム

バスタブとシャワーブース 石のクオリティが高い

窓の外 「吉兆」の朝食をルームサービスで

[ホテル阪急インターナショナル] 940211 940928 961113 981025 011214 020805 021231

Y.K.