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ヒルトン小田原リゾート&スパ Cottage | |
Hilton Odawara Resort & Spa | 2010.01.23(土) |
神奈川県小田原市 | 楽-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
冬の太陽 新宿駅から小田原駅まで、特急ロマンスカーを利用した。新型ロマンスカーの展望席を予約してあったのだが、直前になって車両故障のために運転を取りやめ、予約は自動的に取り消された。幸い、後続のロマンスカーに空席があったからいいが、勝手にキャンセルだけしてフォローもないとは、やはり鉄道会社は程度が低い。 ヒルトン小田原の週末は、1月だというのに混雑していた。まだチェックイン時刻の30分前だが、続々とお客が到着してくる。メンバー用のデスクで早めにチェックインをすることができたが、手続きはスムーズではなかった。 今回の宿泊は、ヒルトン公式サイトから、事前決済による大型割引を利用して予約した。予約というより、「購入した」という表現の方がふさわしいかもしれない。 事前決済のプランは、ヒルトンでは過去にもしばしば活用している。それらは、予約画面に表示される文言の通り、予約完了の翌日に指定のクレジットカード番号で決済が実行されていた。今回もまったく同じ予約手順であったので、当然、決済が済んでいるものと思っていた。 だが、チェックインの際には料金の確認とともに、その金額を請求された。これは二重請求に値するし、表示と違うことを平然と言うホテルのことなど信用できないと応じると、「少々わかりにくいかもしれませんが」と言われた。 「少々わかりにくい」のではなく、明らかに矛盾したことを要求しているにすぎない。現地払いなら、そう書いけばいい。もし当日宿泊しなかった時に保証金として引き落とすためのギャランティーであるなら、そう書けばいい。要するに、実際に行われることを、正しく表現するべきなのである。 今回の宿泊料金をここで支払うつもりはないので、当初の手順通りにクレジットカードに請求するように言うと、そのようになった。 今回利用するのはホテル棟の客室ではなく、敷地内に10室あるコテージ。1棟に2室があり、5棟が2列に並んで建っている。うち、4室はペットと泊まれる「ドッグフレンドリー」タイプになっている。フロントからコテージへは、係が専用カートで送ってくれる。 外観はふつうの住宅風で、凝った造りには見えないが、部屋に入る前から空の広さを実感できるのは気に入った。コテージの扉は、ホテルルームと同じくカードキー式。屋外でカードキーを使うのは、違和感があった。 玄関では靴を脱いで室内へと上がる。内部はメゾネットになっており、玄関を入ったところが、上階、すなわち2階で、玄関ホールからすぐのところに、階下への階段がある。 何よりも不便だと思ったのは、クローゼットなどの収納スペースが、すべて階下にあること。そのため、重いスーツケースを階段で運ばなければならなかった。上階にはコートを掛ける場所すらなく、外出する時にはいちいち階下まで上着を取りに行く手間が掛かる。 上階にはベランダ付きのリビングルーム、簡易キッチン、バス・トイレがある。リビングは三角屋根の高い天井を持ち、床も壁も木目で仕上げたロッジ風のインテリア。家具は北欧風だが、ソファには赤いファブリックが掛かり、やや異質に目立っている。 リビングは夜ともなれば、天井から下がる裸電球風のペンダントランプや間接照明がいい味を醸し、夜通し語り合うのに絶好の舞台となる。 ベランダに面した窓からは、木々の向こうに相模湾を望む。日中も穏やかな景色が眺められるが、夜明け前の神秘的な美しさは、強く心に響いた。これほどの風景を眺められるというのに、窓ガラスやベランダの床が汚れているのが残念だった。 リビングの一角には、簡易キッチン付きのダイニングコーナーがある。イスは2つだけなので、大勢での利用には不向きだが、ドリップコーヒーのセットは5人分が置かれている。他に、ミネラルウォーターやバスアメニティ、タオル類も5セットずつ用意されているところを見ると、5名での利用を見込んでいるようだ。 テレビは旧式。部屋の隅に置かれたローテーブルは、床に座ってちゃぶ台代りにしろということだろうか。簡易キッチンには、かつてIHコンロが設置されていたようだが、現在は取り外されており、単なる流し台の機能しかない。 キッチン下の冷蔵庫は、空っぽ。ホテル棟から離れているコテージだからこそ、冷蔵庫にはドリンクを用意しておいてもらいたいものだ。また、ルームサービスの営業も行っているが、あまりに割高で使う気にはなれない。 この日のウェルカムアメニティは、和菓子や洋菓子の取り合わせとフルーツプレート。特に和菓子が美味しく、備え付けのティーバッグではなく、もっとよいお茶を添えたくなった。 トイレは独立しており、上階に一箇所のみ。バスルームに隣接するベイシンルームも、シングルベイシンしかなく、ファミリーやグループでの利用には不便があるかもしれない。 バスルームは、洗い場付きの檜風呂。湯を溢れさせられる造りになっている。洗い場の床は一見御影石かと思わせるが、プラスチック。壁は木製でいい香りがする。小さいが窓も設けられている。 階下には、和室と洋室が並んでいる。和室の照明は蛍光灯のシーリングと電球の行燈。洋室のは電球色のシーリングとスタンド。いずれの部屋にも窓があるが、ベランダはない。洋室にはベッドが2台並び、その傍らにデスクとクローゼットがある。クローゼットはとても5人分を収納できるとは思えず、2段しかない引き出しには、すでにナイトウエアが入って一杯になっている。ベッドは窓に近すぎて、夜はとても寒い。 高速インターネットの接続口はデスク脇。むしろ上階に設けた方が便利だったと思う。また、デスクのイスを引くとベッドに当たるなど、ワークスペースの使い勝手は悪い。ここに来たら仕事は忘れろということだろうか。 和室は8畳。床の間はなく、押入れと金庫、テレビが備わっているが、今回はまったく使うことがなかった。引き戸を開け放てば、洋室と一体的に使えるが、広縁のない和室はやや窮屈な印象もあった。 やはりこのホテルに来たら、他に類を見ない充実度のバーデを使わないのはもったいない。早速、水着を持って出向いてみたが、土曜日の割には空いていた。以前よりサービスもホテルの施設らしくなってきたが、それだけに更衣室やロッカーエリアの公共施設的チープさが目立つ。早々に改装すべきだ。 夕食は「フローラ」の和食コーナーで、刺身膳(5,775円)を注文した。あらかじめ高額のコースを予約してあるテーブルにはクロスを掛けるなどして差別しているが、そうでない卓は質素だった。 まずは前菜の膳が運ばれ、次いで刺身、天ぷらや焼き魚の膳が運ばれてきた。最後のメロンはひどくまずかったが、トータルでは値段相応の価値はあったように思う。 朝食も同じ店で。7時オープンだが、少し早目に並んでいたら6:57に開店した。料理はフルブッフェ。小田原の名産品が揃い、なかなかの充実度。これで2,310円はお値打ちである。テーブルセットはなく、紙ナプキンが置いてあるのみ。サービスはあってないようなものだが、気にもならなかった。 このホテルは夜明けより早く目覚め、客室のバルコニーは鳥たちのさえずりと共に活気づく。美しい風景をうっとりと眺めるステイゲストたちが、バルコニーにずらりと並ぶ姿もまた壮観だった。海は波音を聞きながら間近で眺めるのもいいが、こうして離れた高台から見下ろすのもオツだ。敷地内には散策路が設けられており、歩く度に何かが発見できる。そして散策は午前中が最も気持ちがいい。 自然ばかりでなく、早朝に見るチャペルのシルエットも美しかったし、館内の調度品も見ごたえがある。 このホテルには太陽がよく似合う。冬は寒いが空気が澄んでなんともすがすがしい。ベストシーズンは案外、冬なのかもしれない。 |
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