日曜日にチェックインする客は少ないだろうと思っていたが、根府川駅から乗り込んだ送迎バスは満席だった。ホテル駐車場には車がびっしりと止まっており、館内はかなりの賑わいだった。
チェックインはフロント脇のデスクで座ったまま行った。素朴な雰囲気の女性が担当したが、丁寧で感じがよかった。夕食の予定を聞かれたので、「フローラ」のブッフェを19時にリクエストしたが、満席のため20時にしか取れないかった。聞けばこの日は満室の盛況ぶりだという。
案内を辞退して自ら向かった客室は、11階にあるデラックスルーム。54平米の面積のがあり、ワンルームタイプのジュニアスイートと言ってもいいゆとりのある客室だ。140センチ幅の正ベッドと120センチ幅のスタッキングベッドが並び、反対側には4名分のリビングセットが置かれている。ソファのサイドのテーブルにはロイヤルコペンハーゲン柄のスタンドが載り、液晶テレビは2面ある窓の間に据えた。デスクは壁に向いており、傍らには冷蔵庫とミニバーを設置している。
バスルームは前回利用した和洋室と同等のつくりで、アメニティはSOMO製のもので揃えられていた。バルコニーに出ると、高台から見下ろすように相模湾が望め、ノイズが少なく風の音や鳥の声がくっきりと聞こえる。
チェックイン後はバーデに出かけた。満室だけあって、バーデ内は混雑していたが、雰囲気が壊れるというほどではなかった。皆、思い思いにリラックスしながら温浴を楽しんでいる。ウォーターエクササイズの時間になると、ステージにインストラクターが立ち、それにあわせて多くの人が体を動かしていた。だが、皆表情が硬く、楽しそうには見えない。外は夏のような気温で、中の方が涼しいくらいだし、温水のプールは熱く感じるほどだった。
その後は「ティーラックスラウンジ」に行ったが、順番待ちが生じているとのことで、名前を告げてロビーで待つことになった。だが、ふと見ると空席が多数あり、なぜ案内しないのか不思議でならなかった。そこへ団体客が入っていき、にわかに混雑した雰囲気になった。その後、20分くらい待たされ、やっと案内された時には、団体以外、空席の方が多い状態だった。
しかし、席数の少ないラウンジで、満室という日にどうして団体の予約など入れるのだろうか。使っていない宴会場などが多数あるのだから、そこを活用すればいいのに。ラウンジ内はサービスが追いつかず、ケーキセットを注文していた団体のところにも、ケーキが一向に提供されず、勘違いした客はデザートブッフェ台に勝手に取りに行ってしまった。
なのに、マネージャーは入口で滞ったサービスをみているだけ。テーブルは多数空いているのに、片付けないから案内もできない。マネージャーは自分が入口を離れるわけに行かないことを理由に、見物役になりきっていたようだが、十分に揃っている従業員に対し、積極的に適切な指示をすれば、このような混乱はなかったはずだ。
部屋に戻ると、ウェルカムアメニティが入っていた。和風の重箱にかまぼこ、小鯛の浜焼き、桜海老、ケーキ、チョコレート、フルーツと豪華版。そのかまぼこと浜焼きがとても美味しかったので、売店で購入することにした。
予約したディナーの時間になって、レストランへと出向いた。確かに混雑していた。年齢層は高く、グループ客も多いようだ。ブッフェを予約していたので、飲み物をオーダーしてから早速ブッフェ台に向かったが、隅から隅まで見ても食べたいものが何ひとつなかった。デザート台を見ても、先程ラウンジで食べたデザートブッフェとほとんど変わらない品揃えだ。館内に複数の店があっても、提供する料理が同じではありがたみがない。
結局、ブッフェはキャンセルした。アラカルトのメニューを見たが、それとて何ひとつ気を引かない。高くてもいいから、もっとシンプルなものが欲しかった。仕方がないので、チーズの盛り合わせを注文。運ばれてきたのは30分後だった。
チェックアウト後は小田原に出て、ロマンスカーで新宿に向かった。その車中で食べた弁当「じゃこめし」が、ヒルトン小田原で食べたすべてのものより美味しかった。
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