ホテルメトロポリタン Deluxe Double Room |
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Crowne Plaza Metropolitan Tokyo |
2008.10.30(木)
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東京都豊島区 |
楽-2
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「オリエント急行」 | このホテルの滞在を振り返ると、フロントサービスには二通りの印象がある。勤勉で生真面目な優等生タイプのサービス。そして、ふてくされた顔をした横柄で気の利かないサービスだ。印象は対照的だが、こうなるには理由があるように思われる。高級ホテルにはそれぞれにサービスタッチに個性があり、それらは教育と経験で受け継がれてゆく。
フレンドリーさも風格も、こうして育まれていくのだが、どうもこのホテルには血統を感じさせるようなスタイルがない。基本的なスキルを教えたら、あとは好きなようにやらせているようにさえ感じられ、日々向上しようと一丸となった意気込みが見られないのだ。なので、真面目な人は真面目に、ふてくされた人はそのままふてくされたままになっているのだろう。 この日、フロントはチェックインの列が出来ていた。時間は20時過ぎ。ちょうど仕事を終えて到着した客が多い時間のようである。順番が来てカウンターに立つと、担当した係は目を伏せたまま「お待たせしました」と言った。顔を上げるのが面倒ということではなく、どうやら内気な性格の持ち主であるらしい。 彼は教えられた通りの手順でチェックインを行なった。客と積極的にコミュニケーションを取ろうとは考えていない様子だったので、こちらも黙ってその成り行きを眺めていた。レジストレーションカードに名前から住所までを記入させられ、デポジットを要求され、それでも黙っていた。 ここは一応、インターコンチネンタルグループのクラウンプラザである。メンバーとして少々特別なサービスがあってもいいはずだが、そんな気は感じられない。まぁ、いずれ短い滞在だし、特典を提供されなくても構わないと思っていた。でも、こうもフツウに扱われると、もしもし?とちょっかいを出しなくもなる。それでも黙っていた。要するに内気な彼から何かを引き出すのは、面倒に感じられたからである。 手続きが終り、そんな彼がにわかに積極性を帯びた。「お部屋まで係がご案内しますので少々お待ち下さい」とのこと。しかし、あいにくベルは出払っており、それをわざわざ待つのも時間の無駄だと思って辞退した。カウンターを後にしようとした時、ちょうどベルがひとり戻ってきた。 すると「係が参りましたので、ご案内させて頂きます」と背後から声が掛かった。それほど熱心に勧めるならお供して頂こうかと決意した矢先、隣のカウンターで手続きを終えた別の客の方に行ってしまい、ふたたびベルは不在となった。こうなると、内気な彼も気まずかろう。しばし「・・・」と考え込んでいたが、自らカウンターを出て案内すると言い出したので、部屋まで先導してもらった。 今回の客室はコーナーにあるデラックスダブルルーム。以前にも一度利用したことがあるが、それは改装前のデザインだった。今では多くのフロアが改装されており、以前のデザインは6階から11階に残るのみとなった。改装済みのフロアも、12階から20階まで、21階から23階まで、そして特別階の24階とで変化を付けている。 コーナーダブルは細長い構造になっており、側面に窓が付いているのが特徴だ。以前利用したタイプは窓のすぐ脇にベッドを据えていたが、改装済みのタイプでは部屋の奥にベッドを配置。比べてみると、この方がいいように感じられる。天井高は250センチと低めで、部屋全体も22平米と広くはないので、レイアウトが悪いと窮屈になってしまうが、その点は合格だ。 ベッドが入口から正面にあるため、ドアが開いた際にベッドが見えてしまいそうだが、最も奥にある部屋なので、覗かれることは少ないだろうし、居室と手前にスリット状の仕切りを設けてあるので、簡単な目隠し役にもなっている。ただ、この仕切りがひどく埃まみれなのが気になった。 入口脇のクローゼットに扉はなく、代わりにカーテンで覆っている。ハンガーは9本と、比較的多めだ。ベッドは160センチ幅で、白いデュベカバー仕上げだが、肌触りは今ひとつ。マットレスの厚さは5インチしかなく、とても硬くて寝心地が悪かった。ベッドの前にはオットマン代わりにロングソファを置き、丸くて大きめのテーブルを添えている。他にイスの類はなく、デスクもない。このソファとテーブルがくつろぎの場であり、ワークスペースも兼ねている。 テレビは冷蔵庫などを収納したキャビネットの上に載っており、26インチサイズで地デジに対応している。電気ポットはなく、今でも電磁サーバというのが中途半端。茶がほうじ茶しかないのは、単なる緑茶のセットし忘れだろうか。窓には明るいベージュのカーテンとレースのブラインドが設置されている。ちょうど芸術劇場が見える側だが、同時に目の前にはマンションが迫っており、眺めは悪い。反対側の新宿方面はもっとよい眺めだった。 バスルームは180×140センチのユニット。壁はテラコッタ風の樹脂系で、ベイシンやバスタブはプラスチックだ。あまり高級感はないものの、デザインには工夫が見られる。アメニティは中国製のクリアデューというシリーズ。生理用ナプキンまで備わっているのは珍しい。タオルは3サイズ揃うが、ペラペラの薄いもの。シャワーカーテンも薄く、体にまとわりつく。見た目ばかりでなく、感触の改善にも力を注いでもらいたい。 このホテルで一番快適な場所は、バー「オリエントエクスプレス」のカウンターだ。アルコールには弱いのだが、ここに泊まったなら一度は顔を出したいと思わせる雰囲気がある。ちょっと気になったのは、中国料理レストランが拡大したことで、クラシックなこのバーが、まるで中国料理店の一部であるかのような配置になってしまったこと。正統派バーらしい風格を保ち続けて欲しかった。 |
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