一休com.より予約を入れ、エグゼクティブビジネスプランという朝食の付いたパッケージを利用した。高層階のLAN回線が整ったシングルルームを使い、朝食とバーかレストランでのウェルカムドリンクが付いて15,000円で、サービス料は含まれる。
客室は23階で用意され、窓からの眺めはよかったが、17平米のシングルルームはやはり狭かった。天井も低い。ベッドは140センチの幅があるので、睡眠には不自由ないが、肝心なライティングデスクの広さに余裕がない。チェックイン時にデスクの上に並んでいたものを、すべて窓台に移動してスッキリさせたら、幾分使いやすくなった。高速インターネットは、現在の所、高層階の客室に限って導入されているので、希望する場合は予約時に確認した方が確実だ。
デスクのすぐ後ろには、アームチェアとコーヒーテーブルが迫っており、部屋の中を動く度に、どこかにぶつかりそうになる。テレビ台は壁の隅に追いやられていて、その下に冷蔵庫がある。デスクとナイトテーブルが一体化しているので、電話機が一台しかなくても、デスクとベッドどちらでも受話器を取ることができるというのは、この狭さならではだ。クローゼットは入口脇に申し訳程度にあるだけで、とても小さく、収納力に欠ける。引き出しもデスクサイドのみだ。
バスルームはユニット式で、22平米の狭いツインルームと同じサイズ。部屋がコンパクトなことを考えると、バスルームには余裕があるようにすら感じた。とりあえずバスタブでは足を伸ばせるし、湯温調節機能付きのカランは使いやすい。トイレは洗浄機能付きで、タオルも3サイズ揃う。
部屋が窮屈に感じ始めたら、ロビーに降りて気分をリフレッシュしたり、無料で使えるビジネスセンター(プリント出力などは有料)に場所を移して作業するのもいい。ビジネスセンターはロビーフロント脇のほかに2階にもあって、いずれもパソコンやプリンタなどの機器を利用できる。外国人の若いゲストの利用が多く、大学の図書館のような雰囲気だ。ロビーには随所にソファが設けられ、ゆったりと空間を楽しむことも可能だ。タダでは座らせないといわんばかりのホテルが増え、広く一般にロビーを開放しているホテルは貴重な存在となってしまった。
夕方にはもらったウェルカムドリンク券を持って、バー「オリエントエクスプレス」に行ってみた。正統派のホテルバーといった趣きインテリアで、サービスもそれに準ずるもの。なかなか居心地もよい。オリジナルのカクテルを一杯飲んで店を出ると、修学旅行の子どもたちが列をなしてエスカレータを上がってゆくところに遭遇した。皆、ディズニーリゾートのお土産袋を提げており、楽しげに興奮した様子がかわいらしかった。
夜になると、この部屋はいろいろな音がすることがわかった。まず、エレベータの音。旧式のエレベータである上に、エレベータホールから近い客室だったので、ゴーッと不気味な音が絶えなかった。さらに冷蔵庫の振動音、隣の客室からもれてくる音と、結構賑やかだった。
最初は狭いと感じた客室も、慣れてくると苦ではないし、むしろ作業をするには集中力が高まっていいかもしれない。駅からも近く、周辺には何でも揃う便利なホテルなので、15,000円ならば利用価値は高いが、朝食が洋定食かブッフェしか選べないのが残念だった。翌朝の朝食は25階のスカイラウンジ「アポロ」でのブッフェを選んだ。ちょっと黒服の態度がチンピラ風で横柄なのが気になったが、その他のスタッフは感じもいい。しかし、食事の内容はいまひとつ。品揃えが乏しい上に、味もよくない。また、ゲストのマナーもなっておらず、脇から見ていると、一度ブッフェ台に落としたソーセージを「あらいやだ」と言いつつ慌ててもとの器にも戻す恐るべきおばちゃんもいた。
宿泊に関するサービスは全体的によく行き届いており、好感が持てた。
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