大隈庭園の散策
2007.12.13(木)
リーガロイヤルホテル東京 Deluxe Room
Rihga Royal Hotel Tokyo
楽-3

大隈庭園にて 埼玉での公演を終えてから、リーガロイヤルホテル東京に向かった。このホテルを利用するのはほぼ4年ぶりのことだ。フォーシーズンズホテル椿山荘東京と睨み合う位置にあって、両者には見事な庭園とヨーロピアンテイストの豪奢な内装という共通点があるが、リーガロイヤルは新宿区でフォーシーズンズは文京区に属している。いずれのホテルも落ち着いた環境とゴージャズさが魅力だが、アクセスや行動拠点という観点から見ると、やや不便な立地条件だ。

遅い到着だったが、チェックインはスムーズで、客室への案内も行なわれた。用意されたのは9階の標準的なツイン。38平米で表の道路に面しており、窓からはフォーシーズンズホテルも見える。眼下では水道工事が行われていたが、騒音は気にならなかった。夕食をとったのは開演前だったので、すでに空腹だった。1階の「コルベーユ」ならば23時まで営業しているが、22時を回った後の食事は控えた方がいいと思い、我慢することにした。

それでも、まずはパブリックスペースの雰囲気を味わおうと、ロビーへと下りてみた。すでに人の姿はほとんどなく、ひっそりとしている。壮麗なシャンデリアが下がるロビーラウンジを覗くと、パノラマウィンドウの向こうに、ライトアップされた庭園が見える。ロビーや正面玄関にはいくつものクリスマスツリーやリースがディスプレイされているが、インテリアが華やかなだけに、オーセンティックなクリスマスデコレーションがよく似合っている。

ロビーを満喫したところで部屋に戻ることに。客室階廊下も凝った装飾が施され、両脇に連なる蜀台風照明が、オペラ座の怪人のワンシーンを彷彿とさせる。客室内には大きな変化は見られない。寝具がデュベカバーの仕上げになった程度で、ファブリック類も以前と変わらない。だが、傷んだ箇所は元のテイストを保つように補修されているので、以前のように荒れた印象はなかった。

だが、何か落ち着かない。室内をよく見ると、ベッドとその上の額装の位置や、デスクとその前のミラーの位置が、著しくずれている。そのバランスの崩れが、部屋を歪んで見せているようだ。なぜ、そうなったのか。原因はエキストラベッド用に導入したソファベッドにあるようだ。

通常、38平米のツインルームの窓際には、ふたつのアームチェアがセットされており、ベッドと窓との間には、それなりのゆとりが残るよう設計されている。だが、このベッドにもなるソファを置くには幅が足りず、無理矢理置くために、ベッドをボードごとバスルーム側に移動させたらしい。その際、壁の額装も移動すればよかったのだろうが、それには手をつけなかったため、均整が崩れたのである。デスクをずらしたのも、エキストラベッド使用の際にアームチェアを置く場所を確保したかったからだと思われる。

事情は理解できるが、美意識が許さなかった。疲れていたけれど、重たい家具を移動して模様替え。従来の均整の取れた位置関係に戻した。幅の関係でまっすぐには置けないソファベッドを、少し斜めになるようにしたところ、なかなかいい雰囲気に収まった。ソファベッドのあった場所には、埃やピーナッツや細かいゴミが多数落ちていたので、それもキレイに掃除した。これでやっと落ち着ける。

立派な家具や高級な壁紙も、バランスのよい配置になれば、一層いい感じに見えるではないか。大きなアーモアには、93年製の21インチブラウン管テレビとビデオデッキが収納されており、ホテル開業の時代を感じさせる。ベッドは122センチ幅で、マットレスは15センチ程度と薄いが、寝心地が悪いというほどではなかった。LANは全室で利用できるが、24時間につき1,050円掛かる。

居室の照明は、スタンドかピクチャーライトの白熱灯だけなので、やわらかく上品だが、特にデスクは薄暗い印象がある。ミニバーはホワイエにあり、グリーンの大理石を使った天板が高級感を醸す。ミネラルウォーターは無料。クローゼットはワイドで、扉がミラー張りになっている。

バスルームも大理石張りで、エレガントに造られているが、開放感には乏しい。5.5平米の面積がありながら、そうは感じないのである。トイレに扉を設けて独立させたことと、バスタブが仕切りに囲われているのが圧迫感の原因だろう。バスタブのカランは新調されて、以前の使いにくさは改善された。アメニティはリーガロイヤルらしい堅実な品揃えだが、ヨーロピアンスタイルのイメージにはあまりマッチしない。タオルは3サイズが2枚ずつで、バスタオルは180×95センチサイズと特大。バスローブも備えるが、まだ新しいからか、ほとんど吸水しなかった。

このホテルは多くの部屋が出窓になっているので、窓際に立つと周囲の部屋の窓もよく見える。ふと隣室の窓を見ると、真っ白に曇り、多数の水滴が筋を引いて垂れ落ちている。まるでスチームサウナだ。この時期、客室窓が結露するのは、ここに限ったことではないが、ちょっと尋常ではない。そして、この部屋の窓辺リを見ると、やはり窓台の一部が朽ちている。どうやらとりわけ結露しやすいホテルのようだ。しかし、翌朝になって隣室を見た時には、すっかり乾いていた。いったい何だったのだろう。

せっかくこのホテルを訪れたからには、早稲田大学が誇る大隈庭園を散策してみたいものだが、常時開放されているわけではない。チェックアウトする日は、庭園への出入り口が午前11時から開放されるというので、その時間を待って庭へ出てみた。雲ひとつない晴天に恵まれ、絶好の散歩日和になった。木々に囲まれた小径や竹林、芝の広場に鯉の泳ぐ池など、起伏はあまりないが変化に富んでいて興味深い。

昼近くになると、館内はにわかに賑わってきた。そろそろチェックアウトである。チェックインしたデスクとは別にキャッシャーカウンターが用意されており、そこで会計を済ませて出発。到着は遅かったが、午前中を有意義に過ごせたことで、印象に残る滞在となった。

 

38平米のツインルーム 家具はどれも立派 出窓に面したシッティングスペース

ベッドになるソファのせいで均整が崩れる 入口付近 茶器もなかなか

ベッド ベッド ベッドから入口方向を見る

アーモアとバゲージ台 バゲージ台からデスク方向を見る 窓から見える椿山荘

ベイシン 扉の向こうは独立したトイレ ベイシンとバスタブの間にある壁が鬱陶しさを感じさせる

バスタブ アメニティ オペラ座の怪人気分の廊下

立派な車寄せ 正面玄関 ロビー

レセプションエリア前 ロビー エントランス脇

エントランス脇 エントランスからロビーを見る エレベータホール脇

ロビーラウンジ ロビーラウンジ脇の噴水 宴会場への廊下

エレベータホール 宴会場へのエスカレータ 池の鯉

外観 庭園からホテルを見る ロビーラウンジ前から見る庭園

竹林の向こうの太陽 庭園の一角 時計塔と韓鐘閣

 
リーガロイヤルホテル東京 940501 991101 991230 010401 040117


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