ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテル Superior Room
InterContinental Yokohama Grand
2008.12.16(火)
横浜市西区
怒-3

新旧こん然としたロゴの数々
 
同じホテルの異なる顔 クリスマスシーズンのみなとみらいは、ロマンチックなイルミネーションに彩られ、恋人同士でなくても思わずハートが温まるのを感じずにはいられない。インターコンから見る夜景は、今の時期が一番美しく輝いており、いつもなら海側を好むところだが、観覧車側の部屋で過ごしたくなる。

チェックインしたのは、すでに日が沈み、街中に明かりが灯った後だった。平日なのでホテルの静けさが保たれており、フロントでのチェックインもスムーズだった。フロントカウンターの一角には、インターコンチネンタルアンバサダーメンバー用のインスタントカウンターが設けられており、メンバーはそこで優先的でパーソナライズされたサービスにより出迎えられることになっている。

ちょうどそのカウンターに顔馴染みのゲストリレーションズオフィサーが立っていたので、「久しぶり」という挨拶とともに、サインのみのスピーディなチェックインが行われた。手続きが終わる頃、ベルガールから部屋への案内を申し出られたが、荷物が少なかったので辞退した。

向かったのは20階の観覧車側スーペリアルーム。標準的な客室を利用するのは久しぶりだが、38平米のゆったりとした空間は、かつて思っていたよりも心地よく感じられた。そして、大きな窓から見る賑やかな夜景は、やはりワクワクした気分にさせてくれる。

ファブリックは一度新調されているが、基本的な内装は開業当時からのもの。部屋の造りや家具は、なかなか立派でエレガントである。バスルームはタイル張りで、大理石をふんだんに使ったクラブルームのものに比べると見劣りするが、これはこれで広々としていい。石造りのベイシントップや、ハンドレスト付きの大型バスタブが、インターナショナルホテルの風格をあらわしており、上質なバスアメニティも備えている。

現在、レギュラーフロアにはバスソルトやバスローブは備えていないが、それらが全館標準装備だった頃から利用し続けているので、特にリクエストしなくても、あらかじめ用意しておいてくれる。ナイトテーブルには小さな観葉植物が、そしてデスクにはささやかながら一輪挿しが飾ってあり、部屋にうるおいを与えているのもいい。とまあ、比較的好印象が継続したまま、滞在を満喫して出発することができた。

そして、その2日後、またこのホテルに1泊した。料金などの条件もまったく同様だった。

やはり夕方になってホテルに到着したのだが、今度はフロントが混雑を呈していた。カウンターの背後には整列用のロープが張られ、チェックインを待つ人が列をなしていた。こういう時こそメンバー専用のカウンターが価値を発揮するはずだが、このホテルではそれがまったく意味をなしていなかった。

到着時、2口あるメンバー用カウンターのひとつには先客がいた。もうひとつの方にも係はいるが、何やら目を落として別の作業に没頭しているようだった。メンバー用カウンターの後ろには待っている客はいなかった。いずれか一方のカウンターがあくまで、その後ろで待とうとしたら、ベルガールが来て「順番にご案内しておりますので、あちらにお並びください」と言った。まるで横入りをたしなめるような口調だった。メンバーであることを告げても、同じようなことを繰り返して言われ、これには気分が悪かった。

そうこうしているうちに、ふさがっていたメンバー用カウンターがひとつ空いて、別の係がそこに一般の客を案内した。メンバー客がいない時に空いているカウンターを有効活用して一般客を扱うのは構わないと思うが、メンバーを待たせて一般客を案内するのでは、本末転倒。メンバー用カウンターなどむしろ無い方がいい。

それに加え、目を落として何かに没頭している係は、こうしている間中も一度も顔を上げることがなく、カウンター前の状況に一切注意を払っていないことは明らかである。客をほったらかしてでもやらなければならない大事な作業なら、裏に引っ込んでやればいい。要するに、接客する気もない係がそこに立っているだけで気に障るのだ。

こうして気分のよくないチェックインをした後、前回と同じタイプの部屋に向かい、同じような内装や景観を目にしたが、受ける印象はずいぶんと違っていた。よいサービスはそこにあるものの価値を高めるが、粗末なサービスは逆によいものまでをも汚す。

このホテルは全館で無線LANによる高速インターネット接続が可能だが、部屋の位置によって接続状況には雲泥の差がある。今回の部屋はハズレの部類だった。何とかならないものかと思い、ゲストサービスセンターに電話をしたら、接続を安定させるコンバータがあるとのこと。それを持ってきてもらうことになった。

やがてコンバータを持ってきたベルガールは、コンピュータの接続の仕方や使用法に誤りがないか調べると言い出した。まるで客を素人扱いするとは生意気も甚だしい。持ってきたコンバータをさっさとセットしてくれればそれでいいのだ。そのセッティングが終わると、保証金1万円を寄こせと言い出した。そんなものを要求するのなら、電話で手配を頼んだ際にあらかじめ説明すべきである。むしろ、この先不愉快なサービスをしないという名目で、こっちが保証金を取りたいくらいだ。何かの不満を抱えている客に接する際は、ゴキゲンな客とは違った配慮を見せなければ、事態がますます悪化することを知っておいた方がいい。

コンバータをセットしたら、インターネットの接続状況は劇的に改善された。日中は騒々しかった周囲の部屋も、夜になったら静かになり、これで作業に集中できる環境が整った。

朝方になって、やっと一段落つき、シャワーを浴びた。何とも水圧が低く、気分まで萎えそう。シャワーヘッドを外してみたら、節水コマが入っていたので、それを取り外してみたが、気は心程度しか改善でしなかった。ホテル全体への給水をケチっているようである。タオルはザラザラとしていて、オイルが酸化した臭いが染み付いていた。

昼食には久しぶりに「スパイシーJ」を利用してみた。5種類からチョイスするメイン料理に、前菜とデザートが付いて2,078円。手頃な値段ではあるが、内容はショボく、前菜はショボすぎ。味は悪くないが、これと言ってほめるところもない。強いて言えば、巷の店よりも心持ち衛生的なことくらいだろうか。ただ、デザートのゼリーはバンコクの屋台を思い出させる味で、一口食べたら懐かしい思い出が蘇ってきた。

 
ベージュ系のカラースキーム 38平米の広さにはゆとりを感じる ウェルカムフルーツとミネラルウォーター

テレビは旧式 イスとテーブル デスクは窓向き

天然石のベイシン シャワーは固定式とハンド式 バスタブはゆったりサイズ

入口から室内を見る 窓から見る夜景 エレベータホール

正面玄関前 デッキに通じているエントランス 出入り口前のサイン

フロントカウンター前 ロビー階のフラワーアレンジメント ロビーのクリスマスディスプレイ

ロビーのクリスマスツリー ロビーの大階段 フレンチレストラン前

「スパイシーJ」店内 ランチのカレー ランチのデザート

 ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテル(公式サイト)
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