ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテル Executive Double
InterContinental Yokohama Grand
2008.11.12(水)
横浜市西区
楽-3

エレガントでダイナミックなロビー
 
裏部屋 ヨコハマのインターコンは11月に入るとすぐにクリスマスディスプレイを施し、それを見る度に冬が近いことを実感してきたが、今年は11月も半ばだというのに、まだクリスマスの気配は感じられない。チェックインしたのは夕方で、すでに日が落ちていた。フロントカウンターはやや混雑しており、行列が生じていたが、左端のインターコンチネンタルアンバサダー用カウンターで並ぶことなく優先的にチェックインすることができた。

係は端末をカチャカチャと操作し、すぐに用意できる部屋を探しているようだったが、なかなか見つからない様子。エグゼクティブダブルでも構わないと言うと、最終チェックに10分掛かるとのことで、クラブラウンジで待つように案内された。荷物は少なかったので、そのままラウンジに移動。ラウンジにはフロントから連絡が伝わっており、スムーズに席が用意された。飲み物を勧められたので、アイスティーを注文して部屋の仕上がりを待った。

エグゼクティブダブルというのは、このホテルではいわゆる裏部屋に当たる。観覧車が華やかなパークビューと、海を間近に臨むハーバービュー、いずれもこのロケーションならではの景観が魅力だが、その点、裏側のエグゼクティブダブルからは海も遊園地も見えないので、あまり眺めのよくない部屋とされている

また、標準客室の面積が38平米とゆとりある広さなのに対し、エグゼクティブダブルは27平米とコンパクトなこともあって、どちらかというと人気のない部屋である。それに加え、8階から13階という低層、かつ北向きで日当たりが悪いことから、陰気な印象も否めず、これまで一度も利用したことがなかった。

今回は、それを敢えて選んだのである。用意されたのは、エグゼクティブダブルの中では広い、コーナータイプだった。部屋の扉は側面側にあるので、扉を開くと部屋の中が丸見えになる。扉の正面にはバスルーム、左側には細い扉(53センチ幅)の付いたクローゼットがある。居室は窓に向かって幅が広がっており、床面積にはゆとりが感じられる。

したがって窓側の壁は通常のエグゼクティブダブルよりも幅広いが、窓の幅は同等の300センチなので、窓の右脇に壁になっている部分が約200センチあり、そこにもカーテンが掛かっている。窓台の高さも、スーペリアタイプよりも高く取られており、低い天井とあいまって圧迫感を増長している。

通常のエグゼクティブダブルは、窓に向いてカウンターデスクがあり、ベッドも窓に向かって置かれているが、この部屋ではベッドは横向きで、デスクも三角に広がった部分の壁に沿って配置されているので、同じエグゼクティブダブルでも、印象はかなり違うと思われる。

インテリアはブラックとグレーを基調にしており、様々なインテリアテーマを有するこのホテルの中で、最もクールで都会的な内装になってる。しかし、壁紙は白いビニールクロスで、じゅうたんは肌色の無地と、あまり質感は高くない。窓際にはふたつのアームチェアと丸テーブルを配しており、パッと見では黒だが、よく見ると濃紺のファブリックを使っている。

カウンターデスクは、冷蔵庫キャビネット、デスク本体、チェストに分かれているが、トップの高さは揃っており、トータル幅は330センチとワイド。デスクの端には胡蝶蘭の造花を飾って彩りにしている。デスクの下には、可動式のFAX台のようなものがあるが、FAXマシンはない。デスクに載っているテレビは20型の液晶だが、画面はワイドではない。また、チェストの上をバゲージ台として使えという意味だろうか、他にバゲージ台は見当たらなかった。

ベッドは150センチ幅で高さは50センチあるが、マットレスの厚さは16センチと薄い。寝具はカバーと一体になったタイプで、グレーのスローケットを添えている。ベッドの両脇にはナイトテーブルがあり、それ自体が間接照明により光っているが、これは照明として使うには明るさが足りない。ナイトランプの代わりとなるのは、チューブ式の読書灯だけなので、ベッド周りは暗めだ。その他、居室の照明はデスクスタンドとフロアスタンドのみで、どちらも電球色蛍光灯を使っている。フロアスタンドはデスクの近くに置かれているので、デスクばかりが明るく、ソファが暗く感じられた。

バスルームは160×240センチサイズで、天井高が200センチと低い。それほど貧相なわけではないのに、スーペリアルームのゆとりあるバスルームを知っていると、いささか窮屈に見える。ベイシンの天板も天然石を使わず、大理石柄のプラスチック製。バスタブもハンドレストのない一般的なもので、シャワーも固定式のものはなくハンドのみになっている。アメニティはインターコン共通の「エレミス」で、タオルは3サイズが2枚ずつ揃っているが、バスローブはなかった。

この部屋は改装当時、無線LAN接続やスタイリッシュなデザインで斬新さを売りにしていたが、それらが当たり前になった今、もはやその手は通用しなくなった。エグゼクティブというよりは、ドライバーや添乗員のための部屋という感じ。陽か陰かを問えば、明らかに陰である。しかし、眺めに関しては意外と悪くなかったし、むしろ見飽きた表のビューよりも新鮮さが感じられた。次々と高層ビルが建ちつつあるみなとみらい地区を望むので、今、最も変貌しつつあるビューが楽しめる。

注:エグゼクティブダブルは、2009年8月現在、ビジネスルームと名称変更されています。

 
コーナールームなので幅が広がっている デスク前からベッドを見る ベッド

床にはゆとりがある 入口方面を見る 客室扉とバスルーム扉とクローゼットが接近している

光るナイトテーブル デスク下の可動棚 フェイクの胡蝶蘭

ウェルカムアメニティ 冷蔵庫内 棚のティーセット

手摺りのないバスタブ ベイシン ベイシントップはプラスチック

都会的な景観を望む窓 窓は一部が開閉可能 窓の外

ブラインドに積もる埃 窓の外 みなとみらいの景色

客室階廊下 アトリウム アトリウムを見上げる

 ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテル(公式サイト)
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