雨の皇居端
2007.02.17(土)
パレスホテル Superior Twin Room
Palace Hotel
哀-3

皇居前を通過するマラソンランナーたち パレスホテルを訪れるのは久しぶりだった。2002年に耐え難い無礼を重ねられ、チェックインをしたものの滞在を中止してこのホテルを後にして以来のことである。担当したマネジャーの態度は今でも許す気になれないが、ホテルそのものに罪はない。そして、このホテルにも、他のホテルのスタッフに勝るとも劣らぬ熱意を持ったスタッフが数多くいる。折り目正しく、節度をわきまえた彼らのサービスに再度触れてみたいと思い、パレスホテルへの宿泊を決めた。

だが、その期待は、結果から言えば妄想であった。到着時、ロビー中央の瑞々しい花だけは心を和ませてくれたが、チェックインをした係は微笑みのカケラさえ覗かせることもなく、淡々と手続きだけを行なった。間違いがあったわけではないが、印象という点では最悪の部類に入る。

こうした無愛想なフロントというのも、かつては普通に存在していた。この日の出来事も20年前なら何の疑問も持たなかっただろう。当時、日本のホテルサービスは所詮この程度であり、笑顔を見たければ、よほどのお得意様になるかアジア諸国の高級ホテルへ出かけるしかなかったからだ。だが、ゲストがインターネットによって情報を共有したり、相次ぐ外資系の上陸や、ビジネスホテルの台頭などが影響し、ホテルはサービスを競う時代に突入した。もはやフロント係が愛想なしでは通用しない。そういった観点からしても、パレスホテルは時代遅れの感覚のままである。

利用した客室は35平米のスーペリアルーム。スーペリアルームには2種類あって、シャワーブースのない35平米タイプと、シャワーブースを備えた41平米のタイプに分かれている。もちろん料金は違うのだが、この2タイプを同じカテゴリーにくくっておくのはよろしくない。

今回アサインされたのは、幸い皇居が望める向きだったので、眺めと開放感には恵まれた。室内の清掃は概ね行き届いており、明るい内装が清潔感を際立たせている。そして、照明もまた明るい。今でも100ワットの白熱電球を惜しげもなく使い、夜でも十分な照度が得られるが、照明器具ごとの調光が出来ないものが多く、場合によっては明るすぎるようにも感じられた。特にデスクランプが眩しく、パソコンの画面が見にくかった。

パレスホテルのサイトによれば、客室を全面的に改装したとあったが、実際にはファブリックとベッドマットレスを新調した程度で、これでもって全面改装と言うのは度が過ぎている。テレビは昔ながらのブラウン管だが、VHS・DVDプレイヤーを備えており、Foxやディスカバリーチャンネルなども視聴できるようになった。LANは無料で利用可能。バスルームは狭く、バスタブの長さは150センチでやや浅め。給湯に勢いがないことも気になった。アメニティは昔ながらで、刺繍の入ったタオル類とバスローブを備えている。

ホテル付帯のフィットネスルームは、滞在中無料で利用でき、フロントで利用日ごとにキーを発行してもらうシステムだ。フィットネスルームは別棟にあり、更衣室やシャワーは設けられていないので、滞在中の客室で着替え、ロビーを通り、一度外を経由して行かなければならない。遠いということよりも、トレーニングウエアでロビーを横切ったり、寒い屋外を通ることが気になった。

夜、地階の「ハミング」で季節のデザートとコーヒーを注文。ディナータイムには混雑していた店内だが、21時を過ぎたら汐が引くように静かになった。サービスは丁寧で、味も素晴らしい。各レストランはホテルらしいクオリティを守り通しており、その点は高く評価したい。

 

天井が低い客室 ダクロン風寝具を2枚のシーツでサンドしたベッドメイク ライトが明るすぎるデスク

ミニバー バスルーム アメニティ

窓からの景色 フィットネスルーム 季節のデザート

 
パレスホテル 991221 991225 000104 011020 030719 030822 030923 030926 031020


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