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ハイアットリージェンシー京都 Deluxe Balcony | |
Hyatt Regency Kyoto | 2010.02.25(木) |
京都市東山区 | 楽-4 |
ARCHIVES ・ 1992 |
ガーデン探索 約1ヶ月ぶりの再訪である。いつもなら、フロントで待ちかまえている係がそのまま部屋へと案内し、インルームチェックインを行うという、パークハイアット東京と同じ手法が取られるが、今回はフロントカウンターで手続きをした。 顔や名前が認識されていないからかと思ったが、そうではない。フロントの係は名前を尋ねることなく手続きを進めている。加えて、細かくケアするよう指示を受けている様子が感じられた。 係が言うには、予定している部屋の準備がまだ整っていないとのこと。それがインルームチェックインができない理由のようだ。その部屋が仕上がるまで、さしあたりの部屋を用意すると提案されたが、それならば遅いランチを食べてくると答え、部屋の用意が整ったところでレストランに声を掛けに来てくれるよう頼んだ。 向かったのは「ザ・グリル」。前回、BGMの件で、というか、その対応に際する態度について不快な思いをした店である。店内は満席の混雑。ちょうど目の前の美術館で開催しているハプスブルク展の影響だろうか、ハイアットのというよりは、歌舞伎座的な客層だった。 だが、テラス席は空いていた。ぽかぽかとはいかないまでも、それなりに暖かい日差しがあり、心地よい環境である。そこでサンドイッチのセットを注文。選べる前菜と本日のデザートアイスクリーム、、食後の飲み物が付く。 サンドイッチは、ベーグルにスモークサーモンを挟んだシンプルなもの。スモークサーモン自体はたいへんいい味だったが、大きな皿の半分が空いているという盛り付けは、未完成のようでみすぼらしく感じた。 部屋の用意が出来るより早く、食事は終わってしまった。そこで、館内にあるセレクトショップを覗いてみることにした。品数は多くないが、京都らしさが光る粋なアイテムが揃っており、眺めているだけでも楽しめる。そこへフロントの係が声を掛けに来た。どこにいるのか、よく目が行き届いていて感心した。 用意された部屋は、先月泊まったものと同じタイプ。しかし、コネクティングドアはなく、向きも反対側なので、少しばかりの新鮮さが感じられた。清掃は丹念に仕上げられており、隅々にまで清潔感がある。 コネクティングドアがないことで、テレビ側の壁面はスッキリと見える。テレビは42インチの大きさがあり、ホテルでは珍しく「スターチャンネル」の映画を各ジャンル3チャンネル揃えている。 ベッドはツインだが、ハリウッドツインに近いセッティングになっている。ただし、ふたつのベッドが接しているわけではなく、膝が入る程度の空間を置いている。ナイトテーブルは両脇にあり、それぞれにナイトランプやハロゲンの読書灯を備える他、ベッドボードに間接照明が埋め込まれているなど、照明が充実している。加えて、ベッド脇にはバスルームとの間にある磨りガラスが、明り取りの役目を果たす。 テーブルにはウェルカムアメニティが置いてあった。フレッシュストロベリーと和菓子がふたつ、そしてガラスボトルのミネラルウォーター。やはり、和菓子が京都の風情を感じさせ、最も印象深かった。 広いバスルームも相変わらず魅力的である。そして、何と言っても大きな窓に面していることで、時間帯によりバスルーム内の表情や雰囲気が大きく変化するので、飽きることがない。 ただ、これだけ大きな窓があると、バスタブにいっぱいの湯を張ったり、シャワーを浴びたりすれば、この時期には特に結露が激しくなる。湯を張るそばから窓が曇り、30分も経たないうちにガラス面から水が滴り始め、せっかくの景色は見えなくなってしまう。 その景色が一番美しく見えるのは、夕暮れ時。次第に闇へと変わる空に、木々のシルエットが映し出され、まるで緻密な版画を見るようだ。誰にも邪魔されず、音のない世界で、湯に浸かりながら刻々と変わる景色を見つめるのは、何とも言えない貴重な時間となる。 バルコニーからの眺めも爽快である。反対側は博物館を望み、それも悪くないのだが、やはり木々に囲まれた庭園の眺めは格別だ。 見下ろすと、鯉の泳ぐ池もある。この庭園を実際に歩くことはできるのだろうか。そうした案内は目にしたことがなく、館内のどこに出入り口があるのかも知らなかった。では早速、探索に行ってみよう。 これまで立ち入ったことのない宴会場の一角に、この庭園に面したホワイエを見つけた。そこにドアはないか探すと、施錠されたガラス戸があった。 鍵は回転式のもので、簡単に開けることができるが、外にいる間に誰かに閉められてしまうと、入れなくなってしまう。だが、鍵が開いているということは、誰かが外にいる可能性が高いのだから、確認もせずに閉めたりはしないだろう。そう信じて、外に出てみた。 庭は思ったよりも広い。アップダウンがあり、灯篭や東屋など、風情のある古びたものが点在していて、なかなか興味深い。池の周りも、苔や草などが茂り、趣きのある雰囲気だ。夜のライトアップも幻想的だった。 庭園同様、ホテルの正面玄関前一帯も、美しくライトアップされており、特に竹林の若々しい青さが印象的だ。なお、宿泊と宴会とではエントランスの場所が異なっている。タクシーは常時待機しており、待たされることはなかった。 ロビーは実にユニークな意匠で装飾されており、このホテルの個性を強烈に打ち出している。日中はいつも多くの人で賑わっていたが、レストランが閉店準備に取り掛かることになって、やっと落ち着きを取り戻した。 今回の滞在中には、館内のすべての飲食施設を利用した。印象はそれぞれに異なり、また同じ店であっても訪れるタイミングによって、サービスにも料理品質にもばらつきがあった。 「トラットリア セッテ」は、表の通りからもダイレクトに入店できるカジュアルで家庭的なイタリア料理店。だが、前菜、スープ、パスタまたはピザ、ドルチェ、コーヒーで6,050円と案外高額である。ハプスブルク展にちなみ、ウィーンの伝統料理のコースが用意されていたので、それを注文した。味は悪くないのだが、やはり割高感があった。 「東山」の自慢は、備長炭の炭火焼と江戸前寿司。まずはランチタイムに寿司カウンターに座ってみた。他に客はなく、寿司シェフと一対一。特に会話もなく、重たい空気が流れていた。まずは先附が出された後、寿司は一貫ずつ握られる。酢がツンと効いたシャリに目が覚めた。 見ると、テーブル席もなかなかの雰囲気。土曜日には人と会う約束があるので、ここを使ってみようと思い立ち、予約を入れた。 当日、店に行ってみると、テーブル席ではなく、広いセミプライベートルームが用意されていた。雰囲気は、グランドハイアット東京の「旬房」や「六緑」によく似ている。 注文したのは、東山コース14,300円。日本料理店の夕食としては安い設定である。全9品のコースは、それぞれがちんまりとしていて、あまり食べた気がせず、全品食べ終わった後でも量に満足できなかった。 一番よろしくないのは、炭火焼が冷めきって乾いていたこと。これでは素材の良さなど、まったく無駄になってしまう。写真にはないが、一番美味しかったのは、白みそ椀。京都らしい繊細な味わいだった。 最後の食事は、「ザ・グリル」でのブランチ。メインディッシュを選び、前菜やデザートはブッフェカウンターからというお馴染みのスタイルである。パークハイアット東京の「ニューヨークグリル」でも同様のブランチを行っており、東京の値段は倍近いものの、価値にはそれ以上の差がある。京都のは質より量と割り切れる人以外にはお勧めできない。 朝食は毎日「ザ・グリル」にて。野菜をたっぷり食べたいので、洋食ブッフェを選ぶことが多いが、一度だけ和食にしてみた。「千円の追加になりますが、よろしいですか」と確認され、承諾した。30分待たされて運ばれてきた膳には、湯豆腐をはじめヘルシーな食材が並び、内容としては満足。 だが、伝票を見ると、追加料金は1,271円と書かれている。最初からその金額を言われていれば、別に何とも思わないのだが、「千円」と聞かされたのに、1円でも違っていれば騙されたような気分になる。それとも、このホテルではアバウトな会計が通用するのだろうか。フロントで271円負けてくれと言ったら、「今回だけやで、お客さん」と応じてくれるのだろうか。まさか。金銭のことはきっちり正確に伝えるべきである。 |
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