ハイアット・リージェンシー・福岡 Guest Room Double |
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Hyatt Regency Fukuoka |
2009.07.26(日)
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福岡市博多区 |
哀-3
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豪雨 | 大分駅から乗り込んだ博多行きの特急は、大雨の影響を受け、福岡県に近づくにつれ遅れが重なっていった。時折差し掛かる橋から見下ろすと、河川は急激に増水し、濁流となって土を含んだ波しぶきをあげていた。この様子ではいつ土砂災害が生じるともわからない。
列車は幾度も徐行を繰り返しながら、かなりの遅れで小倉駅に到着。ほとんどの乗客はここで下車してしまった。雨は峠を越えた模様。小倉から博多までは、貸切になった車両でのんびりと行くとしよう。 ところが小倉を出て間もなく、特急は橋の手前で立ち往生してしまった。先頭車両の最前席に座っていたので、運転室の向こうに外が見えるのだが、橋の先には白波が見える。これはしばらく動きそうもない。JR九州のグリーン車では、飲み物がサービスされるのだが、もう他に乗客はなく、かなりの遅れに係も申し訳ないと思ったのか、冷蔵庫を開放してフリードリンクにしてくれた。 雨は再び激しさを増し、停まったままの車両に容赦なく打ち付ける。たいくつしながら車両の中を見回すと、風変わりなインテリアが一層風変わりに感じられる。シートはレザーだが、車両内が蛍光灯で明るすぎるため、なんとも軽々しく見えるのが残念だ。やがて列車は徐行をはじめ、小倉を出てから2時間以上を掛けて博多に到着した。こんなことなら小倉で下車し、一駅だけ新幹線を利用するべきだった。 博多駅からハイアットリージェンシーまでは、普段なら元気よく歩くところだが、特急の遅れと激しい雨ですっかり気分が滅入ったので、わずかな距離ながらタクシーに乗り込んだ。行き先を告げると、運転手は明らかに不本意そうな態度を取り、返事もしなかった。感じよく対応してくれれば、たっぷりとチップをはずむつもりだったが、これでその必要はなくなった。 タクシーは2分ほどでホテルの車寄せに着いた。だが、雨を遮る屋根の下にはメルセデスが停まっている。タクシーは意地悪いことに、そのメルセデスの後ろにつけずに、横列に停めた。扉もトランクも屋根にはかからず、タクシーを降りたとたんに靴と服が濡れた。 トランクからスーツケースを取り出し、メルセデスの後ろからエントランスの方に歩み寄ろうとしたその時、メルセデスが急にバックを始めた。とっさに避けたが、判断が一瞬遅れたら、大けがをしていたと思う。だが、メルセデスを運転しているどこかのバカ奥様は、まったく気づいていないようだった。やれやれ、障害物競走のような一日ではないか。 それでも気を取り直して、フロントでは努めてにこやかに振舞ってみた。何ら効果はなかったようだが、係はそれなりに丁寧な仕事で応じてくれたのかもしれない。予定通りなら、チェックインを済ませてから館内のレストランで食事をするつもりだった。だが、もうレストランは終了しており、バーもまもなくラストオーダーである。 用意された客室は6階のダブルルーム。この春でリージェンシークラブはクローズになり、6階もレギュラーフロア扱いになったが、他のフロアが団体ばかりなのに、このフロアだけが静かなところを見ると、ホテル側の意識だけは特別階的なのかもしれない。しかし、ドアマンもベルも廃止され、クラブフロアもなくなってしまったとなれば、もうただのビジホでしかない。逆に、今どきのプレビジなら、ゲストラウンジくらいは備えているので、やもすればそれ以下ということになりかねない。 クラブフロアがなくなった代わりに、ゴールドパスポートのダイヤモンドメンバーには朝食券とバーのチケットが配られるようになった。バーでは2ドリンクと1フードと、それぞれ専用のメニューからチョイスできるというもの。クラブラウンジならアイテム数にも利用回数にも制限などないが、バーではそうもいかない。だが、ラウンジよりもはるかに遅い時間まで利用できるというメリットを考えれば一長一短か。 とにかく、そのバーのラストオーダーが目前だったので、部屋に荷物を置き、すぐさまバー「ロトンダ」に向かった。食事をし損ね、腹ペコなのである。「ロトンダ」はエジプトの遺跡をモチーフにした異国情緒漂うバー。店内はカウンターと落ち着いたソファに分かれ、ライブラリー風の趣きもある。フロントでもらったチケットを差し出すと、専用のメニューが手渡されたが、あまり食べたいようなものはなかったので、フルーツとコーヒーをオーダー。閉店間近に長居をするのも野暮なので、早々に退散した。 部屋はちょうど正面玄関を横から見下ろす位置にあり、奥行きがないが、横幅が広い造りをしている。入口を開けると室内が丸見えになるのが難点。また、入口脇の片開きクローゼットは、狭い上に中が暗く使いにくいし、バスルームの扉と背中合わせにぶつかりあってしまい、互いにボロボロなのが哀れだった。隣のミニバーの棚はハロゲン光で煌々と明るいが、実用的な観点では、むしろクローゼット内に灯りが必要だ。 150センチ幅のベッドは窓際に置かれ、デスクとテレビは廊下側の壁に寄せられている。デスクは独立型で、26インチの液晶テレビは、3段引き出しのチェストの上に載っている。テレビはベッドからだとやや観にくい位置にある。地デジは映るがCS放送はなく、BGMのクラシックチャンネルを選んだら、ゲーム音楽のようなものが聞こえてきた。 部屋の中央には、アームチェアとコーヒーテーブル。家具のデザインは、直線と曲線の特徴をそれぞれに強調し、シンプルだが個性が映える造りだ。カーペットはやわらかく、清潔な印象。清掃は概ね行き届いている。 バスルームは3.2平米のタイル張りユニット。高級感はまったくないが、使い勝手に不足はなかった。カランは強力だが、シャワーはふつう。クラブフロアに備えていたバスローブはなくなり、浴衣とナイトウエアというセッティングになった。無料のミネラルウォーターのサービスもなくなった。 朝食は「伴菜」で和定食を。丁寧に作られ、美味しかった。雨が上がると、また蝉の声が大きく響きだした。福岡のリージェンシーと言えば、蝉の声。騒々しいが、憎めない。 |
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ハイアット・リージェンシー・福岡(公式サイト) | |
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