ウェスティンホテル大阪 Corner Suite | |
The Westin Osaka |
2009.04.18(土)
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大阪市北区 |
喜-3
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予約日程を間違えて | その日のスケジュールが早めに消化されて、宿泊予定のホテルへも明るいうちに到着することができた。せっかく得られた空き時間だから、有効に使いたいものだ。さてこれから何をしよう。ホテルのせまい部屋にこもらず、たまには友人でも呼び出して、どこかに繰り出すとしようか。
あれこれとプランを思い描きながら、いつものイルクオーレにチェックインした。フロントに立つ係は、この月に一度しか来ない客の顔も、今ではしっかり覚えてくれている。先月も「お帰りなさいませ」と迎えてくれた。なのに、この日は一瞬だけひきつったような表情を見せた。あれ?恨まれるようなこと、何かしたかな? そう思う次の瞬間には、係の表情が困惑に変わっていた。と、同時にカウンター前に到達したので、一応、「神田将と申します」と名乗ってみた。係は「いつもありがとうございます。ご予定は本日からでしたでしょうか?」と応じたので、にっこりとうなずいて見せた。すると「あの、、、ご予約では明日からのご1泊で頂戴しておりますが、、、」と、こちらの反応を見定めるように控えめな口調でささやいた。 あれ?日取りを間違えたかな?すぐさまスケジュール表を取りだし、確認。それにはやはりこの日がイルクオーレで、翌日はヒルトン大阪となっている。代理で予約した者の名前や日付も記入してあるので、とりあえず、予約担当者に電話を掛けてみたが、どうやら週末で休業の様子。今度は携帯メールで問いかけてみたが、返信はなかった。 その間、目の前の係も困惑しながら、対応を考えていたらしい。空室はあるので部屋は用意できるが、翌日の分の予約をこの日に振り返ることはできないとのこと。理由は、翌日の分がネット予約で事前決済されているために、予約者によってネット上で一度キャンセルし、再度の予約が必要なのだと説明された。ややこしいが、言っていることはわからないでもない。要するに、今日ここに泊まるなら、とりあえず自腹で払い、後で予約者に請求するなりなんなり好きにしてくれということだ。 まあ、自腹はいいにしても、翌日の分が無駄になるのはもったいない。すでにヒルトンを予約してあるので、明日ここには泊まれないのだから。それより、まずは今夜のことである。自分でチョイスするなら、ここに泊まるより、もっといいところを見つけなければと思い、有能なビジネスパートナーに短いメールを入れた。「大阪市内今夜1名1泊手配ヨロ」。 1分後に予約確認メールが転送されてきた。目的地はウェスティン大阪。料金も、この場で今提示されたものとさほど大きく違わず、土曜日の直前予約にしては実に好条件である。「というわけだから」と成り行きを伝え、「また来月ね」とイルクオーレを後にした。 タクシーに乗っていると、イルクオーレを予約した担当から返信があった。単純な日程の間違いだとのこと。それはもう済んだことだし気にもしていないが、翌日の宿泊料が無駄になるのはもったいないので、いくら返ってくるのか知らないが、キャンセルの手続きだけは忘れないようにと念を押した。 ウェスティンのロビーに到着したのは、予約から15分以内だったにもかかわらず、すでに係は心得ており、丁重に出迎えられた。レジストレーションカードにサインをすると、キビキビとしたベルが部屋まで案内してくれた。 用意された部屋はコーナースイート。階としてはちょうど中層くらいだろうか。廊下にも客室にも、内装に大きく手を加えられた形跡は見られず、開業当時からの趣きを残している。室内の仕様も、約3年前に同じタイプを利用した際とほとんど変わっていない。 エントランスドアを入ってすぐのところは、単にホワイエや廊下にしておくにはもったいないと考えた結果、リビング兼ワーキングエリアに仕立て上げたようだが、どうしても少なからず苦し紛れの感が残る。やはり、最初から目的意識を持って図面を引くのと違い、しっくりくる出来栄えにはならないのだろう。実際、このスペースでアームチェアに座っても、デスクに向かっても、結局のことろ落ち着かないので、必然的にベッドルームで過ごすことが多くなった。 テレビはリビング、ベッドルームともに、21型ブラウン管で、製造年は93年とある。もう16年も頑張っているのか。我が家の犬と同じではないか。さぞや衰えていることだろう。廊下を回り込んで奥に進むとベッドルーム。以前利用したのはキングベッドの部屋だったが、今回はツインだ。 すでにターンダウン後の状態で仕上げられ、前世紀のベッドスプレッドはクローゼットの棚に畳まれていた。見るとベッド幅は110センチ。これは意外な発見だった。このホテルでは、和室を除いて、どんなに失敗しても135センチのベッドで眠れるものだと思っていたのに、このタイプに限っては狭いのだった。 これは、通常の部屋と比較すると、バスルームがベッド側に50センチほど迫り出していることで、ベッドを置くスペースが狭くなっているためである。その上、ウェスティン自慢のヘブンリーベッドも導入されておらず、マットレスがギコギコと音を立てるなど、寝心地もまた20世紀のままだ。これなら少々狭くても、同じ料金のエグゼクティブルームの方が、内装も華やかでいいような気がする。 だが、この部屋ならでの魅力は、やはり3面ある窓だろう。寝室はコーナーに位置するので、ベッドに横たわりながらでも、見事な夜景を見たり、たっぷりと注ぐ日光を浴びることができる。ただ、窓に細かい傷が多数入っていて視界が曇って感じること、カーテンが手動なので開け閉めが面倒なことは覚悟しなければならない。 バスルームは、カーペット敷きのダブルベイシン、シャワーブースが独立した石造りのウェットエリアなど、レギュラールームと同等ながら充実している。高速インターネットアクセスは1泊につき1,000円、ミネラルウォーターは500円、ルームサービスのサービス料は20%と、細かい出費には注意が必要だ。 26階のエグゼクティブクラブラウンジが、改装と同時に拡張されて以来、今回が初めての利用である。夕方のカクテルタイムには、7種類のアンティパストが並び、飲み物とともに係がサービスする。19時半以降、アルコール類は1杯のみの提供となる点は、東京と同じだ。 ラウンジは朝6時からオープンしており、朝食は6時半からとなっているが、実際には6時半から料理が並び始めると解釈した方がよさそうだった。朝食内容は以前とさほど変わらない印象。定評のあるパンの美味しさも保たれている。ラウンジのフロント業務は7時からなので、それまでの時間は料飲のスタッフしかいない。 ラウンジの内装は、なんとも不思議。かつては赤や緑や金などで華やかに彩られていたが、今ではクラシカルな家具のデザイン系統はそのままに、色合いだけ地味にしたような感じ。手前のスペースには、以前同様にソファ中心のゆったりとしたエリアを設け、奥の拡張された部分には、食事がしやすいイスとテーブルを並べている。また更に奥には、仕切られたミーティングルームがあるのだが、これまた風変わりな趣味でかためられ、不思議なものを見た思いがした。 早めの朝食の後は、明るい日差しが入るロビーやガーデンを散策した。ロビーのデザインテーマは安土桃山。織田信長や豊臣秀吉の古文書など、その時代の貴重な遺産が展示されており、それを見ればなるほどと思うのだが、一見しただけでは安土桃山というより「東洋趣味の西洋人の館」という香りがする。ロビーから直接出られるガーデンには高低差やせせらぎがあって、特に朝の散歩は気持ちがいい。 今回はレストランを利用する機会がなかったが、それぞれのレストランもまた魅力的に見受けられた。ホテル内で丸一日を過ごしても退屈しないだけの充実した施設が揃っているので、ゆったりと時間が取れる時にまた訪れたいと思った。 |
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ウェスティンホテル大阪(公式サイト) | |
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