ほぼ4年ぶりにウェスティン大阪に滞在した。大阪を訪れる機会は多くても、ウェスティン大阪へは、なかなか足を運ぶチャンスがない。駅からそれほど遠いわけでもないのだが、「大阪駅の裏側」というだけでなく、なんとなく「バックヤード」的な雑然としたイメージがある。加えて、駅の周辺や繁華街に近いホテルとは違って、孤立しているという感じもする。リーがロイヤルホテルも周辺にはこれといって何もないので、同様の孤立感があるのだが、シャトルバスを頻繁に出していることで、まだ救われている。
しかし、ウェスティンまで来てしまえば、快適な時間が過ごせる。大きなソファや華麗なシャンデリアなどが配されたロビーは、ヨーロピアンクラシックの全盛期には、やや地味にさえ感じたものだが、シンプルな内装が増えた現在では、かなりコッテリ濃厚なインテリアに感じられるようになった。また、メインエントランスからロビーへ、そしてロビーラウンジやレストラン、更にその向こうに広がる中庭へと、連続性を保ちながら空間が徐々に変化してゆくレイアウトが秀逸だ。
最低でも41平米ある客室は、大阪にホテルが増えた現在でもトップクラスの広さを誇っているが、魅力は広さだけではない。部屋を回りこむような動線を持たせたレイアウトは、ありそうでいて他には例がなく、広い部屋を一層広く感じさせる。また、部屋の横幅が広いので、ベッドと向かいの壁までの間に十分なスペースがあり、窓もワイドに取られている。ベッド幅は135センチと広い。
家具はどれも大型でどっしりとしている。デスクは広く、対面して座れるよう、ふたつのチェアが用意されている。他に、オットマン付きのソファを置いて、そこにも小さなコーヒーテーブルが添えられているのがいい。バスルームは、ベイシンのあるカーペット敷きの部分と、その奥にあるバスタブやシャワーブースのある大理石張りの部分に分かれている。ベイシンの部分だけでも結構な広さがあるので、着替えや支度用のスペースとして利用価値は大きい。
立派な客室をリーズナブルに販売しているにもかかわらず、この夜はあまり多くの部屋には明かりが灯っていなかった。窓から見えるヒルトンやリッツ・カールトンは比較的混雑している様子。いずれもここよりは高い料金のはずだ。やはりシティホテルは「立地」と「アクセス」が命ということだろう。
|