ホテルグリーンタワー千葉からヒルトン成田まで、電車で移動したとしても、その乗車距離は30km程度だというのに、実に二時間半掛かった。時速にすると12km/hだ。乗り継ぎはそれほど悪くなかったが、移動は楽ではなかった。新幹線でスムーズにアクセスできるストリングスホテルから名古屋マリオットまでの方がずっと近いような気がした。
更に、成田駅からホテルまでのシャトルバスの運行ダイヤが、いつの間にか変更になっていた上に、途中ガーデンホテルに立ち寄ることになり、所要時間も余計に掛かるようになった。更に悪いことに、本数も減っている。
今回は、客室階としては最上階にあるデラックスプラスルームがアサインされた。だが、ツインルームは、ベッドをデュベカバーでメイクせず、レギュラーフロアと同じセッティングだ。すると、一見しただけではその差がわからない。だが、しみじみ観察すると、ソファにオットマンが付いていて、サイレントバトラーが置かれている。アメニティも多く、バスローブが備わる。
以前は窓がひどく結露して、景色がまったく見えなかったが、今回はよく乾いており、汚れも清掃されたらしく、きれいだった。窓の外には森が広がり、比較的近い距離を飛行機がかすめて飛んでゆく。時間帯によっては離着陸が連続するので、なかなかスリリングな眺めが楽しめる。
翌朝は、日の出過ぎから非常に濃い霧がたちこめていたが、朝食を済ませた頃には晴れてきた。8時半にピックアップしてもらい、富里のコンサート会場まで車で向かった。車窓からは畑から蒸気が上がっている様子が見られ、窓を開けると土のいいにおいがした。終演後に食べたスイカがとても美味しかった。ここは世界への玄関口と、のどかな農村が肩を寄せ合っている不思議な場所だ。
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