2005.05.29.(日) |
|
ホテルニューグランド Deluxe Double Room Hotel New Grand |
|
楽-2 港が映る鏡 | |
|
|
メンバーズカードを提示し、レジストレーションカードにサインをすると、すぐにルームキーを渡され、チェックイン手続きは完了した。スムーズなのはいい。だが、料金の確認や出発時間を尋ねられることもなかった。少々不安な気持ちを残しつつも、そのままベルボーイに案内されて部屋に向かった。
日曜日だけあって、館内は披露宴に出席する人たちでごった返していた。エレベータを待つがなかなか来ない。どうしちゃったの?と思い始めた頃、屋上のチャペルでの婚礼が終わったばかりらしく、満員で到着したかと思えば、ラッシュアワーのような混雑で再び上昇した。こういう日はエレベータも大忙しだ。 予約したのは海側正面のダブルルーム。禁煙をリクエストし忘れたが、それに気がついたのはエレベータに乗ってからだった。だが、部屋は臭わなかったので、ホッとした。ベルボーイは閉じていたカーテンを開き、スタンドなどの照明を点けて歩いた後、湯沸しポットのコンセントを入れ、他に用はないかと尋ねた。特に用はなかったので、礼を言って引き取ってもらった。 部屋は34平米。横に広く、正面と側面の2面に渡る窓が特徴的だ。コーナー部分に柱があり、カーテンレールがそこで途切れているので、視界が大きく遮られているが、窓そのものは隅から隅まで連続しており、切れ目はない。階によってはこの柱のないフロアもあるようだが、その方がずっと素晴らしい眺めが得られるに違いない。この客室は柱が邪魔だが、それでもよく晴れた山下公園や港の風景は魅力的だ。 ベルボーイが開いたカーテンは、だらしなく集められていたので、後で自ら整えたが、表地と遮光生地のヒダが噛み合わず、スッキリとはまとまらなかった。また、カーテンフックがくい込み過ぎて、カーテンとレールとの間に隙間が出来てしまっているため、光が漏れてしまうのも気になった。 ベッドはキングサイズ1台で、ヘッドボードの上の壁部分はベロア風に仕上げている。窓際にはアームチェアとテーブルを配し、サイドの窓に面してデスクとテレビ台を置いた。フロアスタンドもあるが、テーブル上のハロゲンライトが効果的だ。クローゼットは入口付近にあり、ミラーの扉で中も広いが、ハンガーは4本しかない。 バスルームはアウトベイシン式で、タワーの標準客室と同等だ。だが、この部屋のベイシン前に立つと、海の景色が鏡に映り、まるで海辺で顔を洗っているようなすがすがしい気分になれる。ベイシントップやミニバーは立派な大理石を使っており、高級感がある。清掃状態は良好だが、部屋の手入れはあまりよくなかった。 館内にはいくつかのレストランがあるが、「ザ・カフェ」が一番クラシックホテルらしい。メニューにはホテルのコーヒーショップの王道を行くような料理が並び、しかも値段はどれも手ごろ。ここが発祥というシーフードドリアやオムライスなど、定番料理がオススメだ。ホテルの料理はかくあるべきという手本のような見事な料理が運ばれてくる。それはそのままメニューのサンプル写真に使えるような美しい出来栄え。懐かしいプリンアラモードもお気に入り。 クラシックホテルは、どこをとっても絵になる空間を持っている。道からふと見上げる本館の外観、メインロビーから本館にかけての低い天井も、昔風のイメージで懐かしさが感じられる。だが、駐車場係は食事で利用するというといやな顔をすることがあるなど、年齢の高い従業員は感じが悪いことが多い。伝統が育んだのは傲慢さではないはずだ。歴史に恥じないだけの卓越した精神やサービス技術を、当たり前のように持ち続けて欲しいもの。 |
|
|
|
[ホテルニューグランド] 950430 991001 010428 020223 040326 040420 040601 |
Y.K.