午後8時半。巨艦ホテルを外から見上げると、片側だけしか見ていないがほとんど電気が点っていない。数えてみたら28室だけだった。このホテルは客室扉を入った所にあるスロットにルームキーを挿さないと電気系統が作動しないので、単に在室しているゲストが少ないだけなのかもしれないが、暗いタワーを見るのはなんとなく寂しいものだ。
フロントに到着しても、やはり閑散としている。広いロビーには多くのスタッフが待機しているが、目に入るのは手を余したスタッフだけで、ゲストの姿はまったく見られない。なんとなく停滞した雰囲気が漂っていた。
シングルで予約したが、禁煙ルームをリクエストしたらツインにアップグレードされた。フロアごとの標準的な配置によれば、33平米の客室が24室と、26平米の客室が8室という構成だから、シングルはおよそ25パーセントあることになる。団体客がメインターゲットのホテルとしてはシングルの割合が高いような気がした。
客室は、いささかくたびれてきた。まだ開業してから4年と経たないのに、部分的にはそろそろ改装が必要なほどだ。稼働率によるものか客層によるものかは微妙だが、状態はよくない。しかも、清掃状況もいまひとつだ。デスクの上はベトついているし、カーペットも薄汚い。
室内は広くて、備品にはアイデアが光っているだけに、クオリティの低下は残念だ。110センチ幅のベッドの硬さは不快な感じで、ベッドの下はスカスカであるか、エキストラベッドが収納されているかだ。その寝心地の悪さは、品川プリンスホテル新館に通ずるものがある。また、スタンドからジージーとノイズが発しており、終始気になった。
電気ポットは立派だし、冷蔵庫には各種飲み物が用意されているので、プリンスやエクセル東急よりはグレードが高い印象もあるのだが、もう少しよい状態を保つ努力をして欲しいところ。メインダイニング「ドゥミル」で朝食営業を開始したが今回は利用できなかった。
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