東京ドームホテルのレギュラー客室フロアは、低層階と高層階とでクラスが違う。低層階がスポーツをテーマにして、軽快さを演出しているのに対し、高層階では一部のテーマフロアを除いて音楽をテーマにまとめ、エレガントさを打ち出しているそうだ。しかし、テーマの違いによるテイストの差を感じ取るのは難しかった。細部をよく見ればなるほど、という感じの虫眼鏡的な工夫だった。
それよりも、ベッドが10センチ広くなり、バスルームのレイアウトが違っていることの方が判りやすい。低層階にはビビッドなソファが2脚あるのに対し、高層階にはグレーのソファが一脚。その代わり、低層階で壁を向いていたデスクが、中央の方に出てきて、椅子が対面して配置されている。室内面積が同じで、ベッドが広くなった分、シッティングスペースに工夫をしてゆとりを確保した。
バスルームは、低層階がアウトベイシンだったのに対し、高層階では全体が一体化している。ベイシン部分まではカーペット敷きで、帝国ホテルを思わせる。壁のタイルも動的な印象でいい。アウトベイシンよりも広々と使えるので、こちらの方が気に入った。アメニティはSOMO。
シティホテルとしてはカジュアルクラスだが、規模が大きいので館内の設備は充実している。エントランスやロビーなど、堂々たるスケール感でゲストを迎える。33平米という標準客室面積も十分だし、駅から近いという便利さも魅力。独自のカジュアル路線は、東京で新たな地位を築きつつあるようだ。デパートで言えばLUMINEみたいなものだろうか。
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