2003年8月16日 |
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セルリアンタワー東急ホテル Sky View Deluxe Single Room | |
哀-4 遺留品 | |
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一流ホテルの客室係が殺人を犯しても、その見事な清掃技術で、現場にまったく証拠となる形跡を残さないのではないか。そんな2時間ドラマみたいなことも、あながちあり得ない話ではないと思わせるほど、完璧な清掃をするホテルもかつてはあった。髪の毛一本、指紋ひとつ残さないことくらい朝飯前というのが、一流ホテルの客室係。それは仕事というよりも、もはや技の域だった。だが、今回利用した客室が現場なら、犯人特定は楽勝だ。
前に滞在したゲストが犯人役だとして、証拠隠滅役の客室係はヘマばかり。窓は手跡でべとべと。ナイトテーブルもテカテカするほどべとべと。御影石のベイシンは指紋だらけ。挙句の果てに、トイレ脇のサニタリー袋には、使用済みの生理用品が残ったままだった。ハウスキーパーを呼び、この遺留品や汚れについて指摘したが、格段申しわけなさそうにするでもなく、「ああ、そうですか」(参ったな)という感じの味気ない対応だった。これを恥ずかしいとも思っていない彼が、とても哀れに見えた。 今回利用した客室は31平米のデラックスシングルルーム。都心の中でもとりわけ緑豊かな方角を望める、眺めのよい向きにシングルルームが並んでいる。27平米のスタンダードシングルもあるが、いずれもシングルとしてはゆとりのあるスペースを確保した。アサインされたフロアは喫煙階だったため、廊下も客室もややタバコ臭かったが、せっかく高層階になったので、眺めを取って我慢することに。 室内のレイアウトは、ごくオーソドックスだ。クイーンサイズのベッド、オットマン付きのアームチェア、壁に向いて設置されたデスク、その片隅に載ったテレビとその下の3段のひきだし。電話機はベッドサイド、デスクの両方にあり、デスクには更にインルームファックスが備わっている。写真では見えないが、絨毯やソファには染みが多く、壁紙にも汚れや傷が目立った。 バスルームは床も壁も石張りと質感は高い。引き戸を開けると正面にベイシンがあり、一方にバスタブ、反対側手前にはトイレが、そしてトイレの前はガランと広くなっている。頑張ればシャワーブースも造れたくらいのスペースがあるが、何も設けずにゆとりを持たせた。バスタブはやや小ぶり。お湯の出を確かめて見ると、湯の方は勢いがあるものの、水はチョロチョロとしか出ず、バランスが悪かった。また、タオルを掛けるフックがこのタイプには備わっていない。バスルーム前には姿見があるが、その部分に照明がなく暗いのが難点だ。 結局ルームチェンジをすることとなり、引越し。新しい客室もまた喫煙室だったが、今度はまったく臭いが気にならない。また、前の客室では生臭かったベッドカバーも、新しい客室のものは臭わなかったなど、いろいろとばらつきがあることがわかった。 |
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[セルリアンタワー東急ホテル] 010429 010517 010523 010720 010912 010921 020103 020305 020328 030727 |
Y.K.